『ゴースト・アンド・ポリス GAP』 佐野晶 > 「このミス」完全読破 No.1124
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1124
『ゴースト・アンド・ポリス GAP』 佐野晶
「このミス」2021年版 : 128位
受賞(候補) : 「警察小説大賞」 受賞
総合ランキング :
年度ランキング :
読了日 : 2020年6月4日
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2019年12月>
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警察小説というのはもはやブームの領域を越えてしまったくらいに長い期間高い人気を保ち続けているジャンルです。
そんな警察小説に特化した新人賞である“警察小説大賞”がついに新設されまして、その記念すべき第1回の受賞作が本作となります。
著者の佐野晶はそんな本作でデビューとなったわけですが、これまでは映画ライターとして活躍していて、『そして父になる』『三度目の殺人』『アルキメデスの大戦』といった映画のノベライズを手掛けてもいるので、全くの新人というわけではないのですね。
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新人巡査である桐野哲也が仮配属された神奈川県の辻堂にある鳩裏交番は、多くの時間を交番内での雑談に費やし、緊急配備の連絡には反応せず、巡回に出ては住民との世間話に花を咲かせるなど、“ごんぞう”と呼ばれる自主的窓際警官の溜まり場。
桐野は副署長から、そんなごんぞうたちが犯す規律違反の証拠を握るというスパイのような役割を命じられたため、イケメンで頭も切れるし話も上手いのになぜかヤル気のない小貫幸也を中心としたごんぞうたちに翻弄されつつ、職務とスパイ活動に勤しむのですね。
ごんぞうたちにヤル気がないのには実は真っ当な理由があったりとか、最初は反発していた主人公が次第にごんぞうたちに感化されたり、といった定番的な展開通りに話は進んでいくのでストーリー的な意外性はそれほどないですが、そんなベタな展開を支えるいくつものエピソードが時にニヤリとさせられたり時に感動させられたりと飽きさせませんし、終盤ではごんぞうならではの活躍で大いに盛り上がったりもします。
なので、警察小説的な重厚さやリアルさを描くタイプではなく、新人賞受賞作ならではの突っ込み所の多い作品かもしれないけれど、そういった部分はあまり気にせずに読んでいけばベタな展開=王道の展開だからこそのスピード感と熱さのある警察小説を堪能できると思いますし、涙腺が弱い人なら所々で目が潤んでしまうのでは...(自分がそうでした)。
個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
(★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
個人的評価の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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