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2020年6月22日 (月)

『不穏な眠り』 若竹七海 > 「このミス」完全読破 No.1125

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1125

 『不穏な眠り』 若竹七海

   「このミス」2021年版 : 10位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2020年6月13日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 電子書籍 <2019年12月>


不穏な眠り (文春文庫)

若竹 七海

文藝春秋

2019.12.5

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 『プレゼント』、No.808「依頼人は死んだ」No.812「悪いうさぎ」No.813「さよならの手口」No.920「静かな炎天」No.1029「錆びた滑車」に続く、“葉村晶シリーズ”の7作目です。

 2作目で「このミス」ランクインを果たすと(16位)、いきなり文庫での発売となった4作目以降は4位・2位・3位と常に「このミス」で上位に入り、今年(2020年)1~3月にはNHKで連続ドラマ化されるなど、人気実績共に破格のシリーズとなっています。

 そして、長篇と連作集が半々(3、4、6作目が長篇、1、2、5作目が連作)ということからも分かるようにストーリーがしっかりと繋がっているシリーズではないものの、ただ主人公の生活環境や人間関係に絡んだ大まかな流れはあるので過去作をあらかじめ読んでいた方が良い巻もあるのですが、今作に限っていえば過去作を未読な状態でいきなり読んでも問題なく楽しむことが出来ると思います。

 ただやはり1作目から順に読んでいくのが一番の楽しみ方だと思いますし、その際には『悪いうさぎ』と『さよならの手口』の間にNo.752「暗い越流」(“葉村晶シリーズ”の短編を二作収録)を読み忘れないようご注意を(シリーズのストーリー展開的には結構重要な話なので)。

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 というわけで本作は5作目以来となる連作集で、「水沫隠れの日々」「新春のラビリンス」「逃げだした時刻表」「不穏な眠り」の4編を収録。

 主人公である探偵・葉村晶は、真面目で仕事熱心で有能でありながら不幸・不運な目にばかり遭っているという最早お馴染みのキャラクターですが、今回も何でもないような依頼だと思っていた事案がとんでもない面倒事を抱えていて、それに巻き込まれつつ思わず笑ってしまうような不幸・不運な目に遭いまくるも、探偵としての仕事をきっちりとこなしていくという、“これぞ葉村ワールド”といった活躍で楽しませてくれます。

 それにしても、このシリーズももう7作目だというのに全くマンネリなど感じさせず、かといって巻ごとに新しい試みを見せているわけでもないのに面白さの水準が高レベルなまま続いているのには驚かされます。

 その理由としては、葉村が所々で不幸・不運な目に遭うことにより読者が想像しうる話の流れから思いっきり外れる予想外の展開が生み出され、しかもそれらの逆境を葉村が乗り越えていくことで予想外のさらに向こうの世界にまで読者を連れて行ってしまうという、そんな毎回のように意外性を作り出せる設定とそれを絶妙に活かしきれる著者の力量があるからこそ未だに変わらぬ面白さが続いているのでしょうね。

 なので、今回はページ数が少なめとはいえ読み応えや満足度は分厚く思えるほどですし、このシリーズならではの魅力が詰め込まれているので、シリーズの愛読者であれば今回も心から楽しめるでしょうし、シリーズ未読の方なら(ページ数などの理由もあって)取っ掛かりとして読んでみるのに最適の巻といえるのでは。


 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “若竹七海” 関連記事 】

  > No.1125 「不穏な眠り」

  > No.1103 「殺人鬼がもう一人」(後日更新予定)
  > No.1029 「錆びた滑車」
  > No.0920 「静かな炎天」
  > No.0813 「さよならの手口」
  > No.0812 「悪いうさぎ」

  > No.0808 「依頼人は死んだ」
  > No.0777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.0752 「暗い越流」
  > No.0431 「ポリス猫DCの事件簿」
  > No.0205 「プラスマイナスゼロ」


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  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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