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2020年3月22日 (日)

『ブルーブラッド』 藤田宜永 > 「このミス」完全読破 No.1116

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1116

 『ブルーブラッド』 藤田宜永

   「このミス」2021年版 : 72位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2020年2月16日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2019年11月>


ブルーブラッド (文芸書)

藤田 宜永

徳間書店 2019.11.22

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 藤田宜永は、1986年に小説家としてデビューを果たすと、ハードボイルド・冒険小説・ミステリといったジャンルの作品を発表して「このミス」ランキング初期の常連となり、その集大成というべき『鋼鉄の騎士』は日本推理作家協会賞を受賞し「このミス」でも2位にランクインするなど代表作となるほどの高い評価を受けました。

 そんな中で1997年からは恋愛小説を中心とした作風に変わり、『愛の領分』で直木賞を受賞するなどこちらの分野でも一線級の活躍を見せたものの、ジャンル的に範囲外となったため「このミス」のランキングでは名前を見なくなることに。

 ところが、2014年に発売されたNo.956「喝采」にて18年ぶりとなる「このミス」ランクインを果たすと、その後も昭和の時代を舞台にしたハードボイルドや犯罪小説を発表して毎年のようにランクインを果たすなど、再び「このミス」の常連へと復活。

 しかし、今年(2020年)1月30日に右下葉肺腺がんのため亡くなったので、結果的に本作は生前最後に発表された作品となってしまいました。

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 復員兵として日本へ帰って来た貝塚透馬は、軽井沢の別荘に疎開していた両親が強盗に撃ち殺されていたことを知ったため、まずは事件の詳細を知っているらしいメイドの八重を探しに東京へと向かい、未だ捕まっていない犯人への手掛りを見つけるべく動き出すことに....。

 というわけで本作も昭和時代(太平洋戦争直後)が舞台となっていまして、何者かも分かっていない犯人探しを行なうハードボイルド的展開が軸となりますし、その中で義賊の“金色夜叉”と関わりを持つことなどから犯罪小説としての要素も色濃く描かれていきます。

 さらにはソ連やアメリカなどの諜報機関による危険な情報戦に巻き込まれることで国際謀略や冒険サスペンスが繰り広げられ、再会したフランス留学時代の旧友との激しい恋愛もあり、『鋼鉄の騎士』を思わすようなカーレース場面で盛り上がるなど、奇しくもこれまでの藤田作品を彩って来た様々な要素が詰め込まれた(遺作にふさわしいとも言えそうな)集大成的内容となっているのですね。

 ただ、主人公が両親殺しの犯人を見つけ出すこと以外に生きる目的がない心が空虚となってしまった人物ということもあって、濃厚で骨太な要素が満載な割には温度の低い空気感が漂っているため、分かりやすいド派手な盛り上がりなどは思ったほどはありません。

 とはいえそんな雰囲気が敗戦直後の時代描写とも相まり絶妙な味となってグイグイと惹き付けられますし、これだけ様々な要素が集まりそれぞれの魅力を放っているのに作品全体の完成度が高いというのは著者だからこそ出来る熟練の力だと思うので、これまで藤田作品を読んで来た人であれば哀悼の意を心に感じつつ本作を楽しめるでしょうし、藤田作品未読な人は本作を切っ掛けにして過去に生み出されて来た傑作を味わってみてはいかがでしょうか。


 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “藤田宜永” 関連記事 】

  > No.1116 「ブルーブラッド」
  > No.0986 「タフガイ」

  > No.0956 「喝采」
  > No.0897 「亡者たちの切り札」
  > No.0842 「血の弔旗」
  > No.0275 「ダブル・スチール」
  > No.0271 「敗者復活」


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