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2020年2月13日 (木)

『間宵の母』 歌野晶午 > 「このミス」完全読破 No.1112

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1112

 『間宵の母』 歌野晶午

   「このミス」2021年版 : 116位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2020年1月23日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2019年11月>


間宵の母

歌野 晶午

双葉社 2019.11.20

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 小学生の間宵紗江子の父・夢之丞は、その端正なルックスとやわらかな物腰により同じクラスのおかあさん方や担任の先生から熱い視線を浴びているだけでなく、クレーンゲームの神であることから子供たちの間でも大人気。

 そんな紗江子の父が、家にやって来た紗江子の同級生に(本や画面など見ないで)長い物語を聞かせるストーリーテリングを披露し始めると、登場するキャラクターたちが目の前で本物のように動き出すなどまるで魔法にかけられたかのような体験を味わえると評判に。

 紗江子の親友である西崎詩穂も紗江子の父からストーリーテリングを聞かせてもらったところ、それは悪夢のような物語で怖い想いをリアルに体験することになったのですが、その数日後、紗江子の父(夢之丞)と詩穂の母の二人が駆け落ちして姿を消してしまい....。

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 というわけで本作は、「間宵の父」「間宵の母」「間宵の娘」「間宵の宿り」から成る中心人物が章ごとに変わる連作形式で進んでいきます。

 駆け落ち失踪騒動後には、残された二つの家族が崩壊していく様が描かれていくものの、イヤミスとはちょっと違って、とある人物が常識を逸するほどの不気味でおぞましい言動をとり始めることから、サイコスリラー的な展開に突入していくのです。

 しかも、それから数年後に間宵家に自ら関わっていった人物たちが、幻想的とでもいうべき不思議な体験をしたうえで絶望的な恐ろしい目に合っていくので、読んでいるこちらにまで恐怖を伴う衝撃が襲ってくるほどのホラー作品となっているのですね。

 とはいえ作者が歌野晶午なので、そんなホラー展開だけに終わらず、それらを伏線とした本格ミステリとして仕上げてしまうのでミステリ作品としての魅力もありますし、それでいて最後までホラーとしての面白さを失わせないのもさすがの一言です。

 ただ、(ページ数が少なめなのもあって)ガッツリとした読み応えを感じられるタイプではないので、大作感を期待してしまうと少々物足りなく思えてしまうかもしれないですが、大作にはないスピード感や切れ味こそが本作をホラー的にもミステリ的にも絶妙に面白く仕立てる役割を担っているので、(好み次第ではあるとは思いますが)ホラー好きな人もミステリ好きな人もこの狂気が渦巻く物語を堪能できるのではないでしょうか。


 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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