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2019年12月19日 (木)

「このミス2020年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>


 前回は「このミス2020年版」ランキング(順位)予想の反省を<総論編><各論編>の2回に分けて書いてみましたが、今回は、“「このミス2020年版」にランクインしそうな対象作品を予測し事前に読むこと”自体の反省を行う“「このミス2020年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>”を書いてみたいと思います

 と、その前に説明を加えますと、「このミス」の予想をするにあたって、自分が読んだ作品のみをその対象としました

 つまり、“ランクインしそうだな~”と思っていても読んでいなければ予想に入れていないので、“事前に読んだか読んでいないか”というのは、予想するのにとても重要になってくるわけなのですね

 なので、それに対する反省も、来年の予想の的中率を高めるためには、非常に重要となるのです

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 それではまず、「2020年版」で20位以内にランクインした21作品のうち、どのくらいの作品を事前に読んでいたのか、見てみましょう。

 ○:事前に読んでいた作品
 ●:チェックしていたけれど(時間がなくて)読めなかった作品
 ▲:チェックしていたけれど、入らないだろうと思って読まなかった作品
 ×:全くノーマークだった作品

 * タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページ

  01位 : ○ medium 霊媒探偵城塚翡翠 / 相沢沙呼  <感想記事はこちら> 
  02位 : ○ ノースライト / 横山秀夫  <感想記事はこちら>
  03位 : ○ 魔眼の匣の殺人 / 今村昌弘  <感想記事はこちら>
  04位 : ○ 罪の轍 / 奥田英朗  <感想記事はこちら>
  05位 : ○ 刀と傘 明治京洛推理帖 / 伊吹亜門  <感想記事はこちら>

  06位 : ▲ 紅蓮館の殺人 / 阿津川辰海
  07位 : ○ 欺す衆生 / 月村了衛
  08位 : ○ 昨日がなければ明日もない / 宮部みゆき  <感想記事はこちら>
  09位 : ○ 本と鍵の季節 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
  10位 : ● 潮首岬に郭公の鳴く / 平石貴樹

  11位 : ○ Iの悲劇 / 米澤穂信
  12位 : ○ 早朝始発の殺風景 / 青崎有吾
  12位 : ○ 殺人鬼がもう一人 / 若竹七海
  14位 : ○ マーダーズ / 長浦京  <感想記事はこちら>
  15位 : ● スワン / 呉勝浩
  15位 : ○ 我らが少女A / 髙村薫

  17位 : ▲ 殺人犯 対 殺人鬼 / 早坂吝
  18位 : ○ W県警の悲劇 / 葉真中顕  <感想記事はこちら>
  19位 : ○ 蟻の棲み家 / 望月諒子
  19位 : ▲ 予言の島 / 澤村伊智
  19位 : ▲ まほり / 高田大介

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 というわけで今年の読み逃しは6作品でした。

 2009年版が8作、2010年版が4作、2011年版が6作、2012年版が4作、2013年版が2作、2014年版が3作、2015年版が5作、2016年版が4作、2017年版が6作、2018年版が8作、そして昨年の2019年版が10作の読み逃しだったので、近2年よりは減ったけれど少ない数字というわけでもない、といったところでしょうか

 まあ読み逃しが2~4作くらいだった頃に比べると読了済みの作品数自体が激減しているので、ランクイン作品のうち半分以上は読み終えていたというのはこれでも及第点かなとも思うのですよね

 それでも読む本選びさえ的確であればもっと読み逃し作品数を減らすことはできましたし、来年以降もパーフェクトを目標とすることには変わりないので、6作品を何故に読み逃してしまったのかをきちんと検証して、来年の「このミステリーがすごい!2021年版」で“ランキング発表前にランクイン全作品読破済み”の達成に少しでも役立たせてみましょう

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 まず「●:チェックしていたけれど(時間がなくて)読めなかった作品」ですが、今年は「潮首岬に郭公の鳴く」(平石貴樹)、「スワン」(呉勝浩)の2作

 この2作に関しては“時間があれば読んでいた”という理由で共通しているものの、ただ優先順位を下げてしまった理由はそれぞれあるため、それを書いてみたいと思います


 「潮首岬に郭公の鳴く」は、「このミス」未ランクイン作家とはいえ、“松谷警部シリーズ”は「本ミス」で4作中3作が11位以上に入り、4作目は「このミス」でも次点(22位)になっていましたし、本作の単行本の帯には“驚愕の傑作誕生!”というインパクトある煽り文が書いてあったりもしたので、ランキングに関係なく読みたいと思っていて、現に「本ミス」で10位ランクインが発表された時にはすでに手元にありいつでも読める状態でした

 なのに何故最終予想を決定する前に読まなかったかといいますと、(「このミス」対象作品の刊行締切ギリギリの)10月末発売だったからで、やはりランキング常連作家やランクイン実績あるシリーズの新作などでなければ10月末発売の作品を発売直後すぐに読むのは難しいのですよね


 「スワン」は、昨年の反省会<各論編>で“呉勝浩作品は近いうちに「このミス」ランクインを果たすのではないかとなんとなく思っていて...”と書いていて、それが早くも1年後に実現したわけですが、そんな風に書いていたので当然ではありますが前評判の高かった本作も出来ることなら予想を終える前に読みたいと思っていました

 ただやはりこの作品も10月発売で、しかもこれまで「このミス」で40位にも入ったことがなく、他のミステリランキングにランクインしたこともないという実績だったこともあり、(注目していた作家だったとはいえ)発売後すぐに読むのはちょっと自分的にはハードルが高かったのですよね....

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 次に「▲:チェックしていたけれど、入らないだろうと思って読まなかった作品」ですが、今年は「紅蓮館の殺人」(阿津川辰海)、「殺人犯 対 殺人鬼」(早坂吝)、「予言の島」(澤村伊智)、「まほり」(高田大介)の4作。


 「紅蓮館の殺人」は、「このミス」「本ミス」「早ミス」全て6位以上で、「文春」でも11位にランクインということで、今年のミステリー小説を代表する作品の一つなのですが、もちろんチェックはしていたし読んでみたいとは思っていたものの、優先順位は上がらなかったのです

その理由としては、今年は「このミス」予想系のネット情報を全く見ずに予想したこともあってかここまで評価の高い作品だとは気付かなかったりとか、文庫で発売されたことで無意識に軽視してしまったのかもしれなかったりとかいくつかありますが、やはり昨年の『星詠師の記憶』を未読ながら19位に予想したら(「本ミス」はベスト10入りしたのに)「このミス」では1票も入らなかった、というのが一番の理由でしょうね


 「殺人犯 対 殺人鬼」は、まあ早坂作品なら何でも読むべきだとは考えているものの、“ノンシリーズのソフトカバー作品”という部分が同じである『ドローン探偵と世界の終わりの館』が40位にも入らなかったこともあって本作も似たようなタイプなのではないかな?と根拠なく思ってしまいました

 あとは後半になったら昨年にランクインした『探偵AIのリアル・ディープラーニング』の続編『犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー -探偵AI 2-』の方に意識が行ってしまい本作のことは頭から消えてしまったのも(今から考えると)優先順位が低いままだった大きな理由かもしれませんね


 「予言の島」は、これまでに(ランクインはしないまでも)ある程度の票が入っていても良さそうな作品がありながら「このミス」で40位以内すらなかったため、評判の良さが目に入りながらなかなか優先順位を上げる気になりませんでしたし、それに“予言ミステリ”としては今年は『魔眼の匣の殺人』という大本命作品が存在しているため本作は厳しいかな、と(半ば無意識に)考えてしまっていたのかもしれません....


 「まほり」は、『図書館の魔女』がファンタジー系の大長編デビュー作でありながら「このミス」でもランクインまであと一歩の27位となるなど評価の高かった高田大介による、“図書館の魔女シリーズ”以外では初となる作品ということで、これはもう発売前から大注目でしたが、ただ10月発売だったことや、ボリュームたっぷりの長篇であったこと、それに「このミス」ランクイン実績があるわけでもないことなどから、発売直後に読もうという気にはなれなかったのですよね....

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 そして「×:全くノーマークだった作品」ですが、今年はありませんでした

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 以上の反省を踏まえたうえでの来年に向けた対策・秘策としては、いつも書いているように“7月までに発売された有力候補作品はなるべく7月までに読み終え、8~10月は発売直後の候補作品をなるべく多く読み漁るべき”なのと、あとは他のランキングや書評などで評価が高めだけれど「このミス」では結果が出ていない作家を(“また今度も同じような結果になるのだろう”などと)軽視するのではなくしつこいくらいに追っていくべきだ、といったところでしょうか

 それと“「このミス」完全読破”全体の反省としては、ここ数年、感想記事の更新がかなり滞ってしまっているので、それをなるべく早く消化しつつ、2021年版対象作品は“読んだらすぐに更新”を心がけていきたいと思います


 というわけで今年も3回に渡って反省してみましたが、この反省を活かして読む本を選ぶ精度を上げ、予想の方も的中率を上げたいですね

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