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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1052
『救済 SAVE』 長岡弘樹
「このミス」2020年版 : 投票数0
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年度ランキング :
読了日 : 2019年1月11日
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2018年11月>
救済 SAVE 長岡弘樹 講談社 2018-11-15 |
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長岡弘樹といえば“No.667「教場」シリーズ”が人気ですが、それ以外の作品はノンシリーズの短篇集がほとんどです。
“教場シリーズ”自体も連作集であることを考えれば、最近では珍しい生粋のミステリ短篇作家ですし、それでいて精力的に作品集を発表しているのですから、“現代を代表するミステリ短篇の名手”と称しても過言でないのでは。
そして本作も、ノンシリーズの短篇集となっています。
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というわけで本作は、「三色の貌」「最期の晩餐」「ガラスの向こう側」「空目虫」「焦げた食パン」「夏の終わりの時間割」を収録。
話の繋がりや共通する登場人物などないノンシリーズ作品集ということもあり、あらすじや各短篇のタイトルを見て興味を持った話から読んでいくのもいいかもしれません。
ただ各話を通して共通したテーマ性もありまして、それは障碍があったり大きな病気に罹っているなど社会的弱者の立場にいる人を救済しようとする人物が描かれているということです。
誰が誰を、どのように、何の目的で救おうとしているのか、といった部分が興味深き謎となることによって、ミステリ的な読み味に刺激と驚きが魅力的に加わっていますし、それが切なくて温かい人間ドラマを生み出してもいるので、短いページ数の中でこれだけ短篇小説としてもミステリ小説としても魅せてくれるのは“さすが短篇ミステリの名手だ”と改めて実感させられてしまいますね。
とはいえ、なんとなく流し読みしていると特に引っ掛かる所なくさらっと読み終えてしまいそうなほどに簡潔であっさりとした読み応えでもあるので、そういった読み方をしてしまうと感想の方もあっさりとしてしまいそうではありますが、ただ本作収録作はいずれも、(書かれている文章を基にして)読者がさらなる物語を想像しうる余地を文章の隙間に残しているようでして、読者が読後に想い考え感情移入することを前提で書かれているようにも思うのです。
なので、本収録作はいずれも短いページ数ではありますが、いつもの倍くらいの時間をかける気持ちでじっくりと読んでいき、作中で直接描かれなかった部分の物語やドラマまで楽しんでこそ、本作の短篇ミステリならではの魅力を最大限に味わったことになるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
(★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
個人的評価の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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