「このミステリーがすごい!2019年版」が発売され、ランキングも発表されたということで、昨年までと同様に「このミス2019年版」ランキング(順位)予想の一人反省会を行って、来年以降の予想に役立てようと思います。
前回更新した、全体的な予想の反省を行う<反省会・総論編>に続きまして、今回は、作品ごとに反省を行う<反省会・各論編>です。
その反省の仕方ですが、まずは正規のランキング順に各作品ごとに反省し、続いて予想を外した作品について反省していきましょう。
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それまでの明日 / 原尞(りょう) <感想記事はこちら>
( 予想 > 1位 結果 > 1位 )
2年連続で1位を当てることが出来ました。
まあ票数(得点)的には圧倒的な1位でしたし、発売されたこと自体が事件級な作品ということを考えれば、(昨年と同様に)例年に比べ当てやすかったのかもしれませんが、ただ3年連続で1位予想を外していた時期もあったので、この結果は素直に嬉しいですね。
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ベルリンは晴れているか / 深緑野分
( 予想 > 11位 結果 > 2位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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錆びた滑車 / 若竹七海 <感想記事はこちら>
( 予想 > 6位 結果 > 3位 )
前々作が4位、前作が2位と「このミス」との相性が良いシリーズなので今回も同様の結果になるだろうとは思っていたものの、ただ(シリーズ復活以降としては)比較的短期間での3作目ということもあって票数が下がるかな~と気弱な考えになってしまい、ベスト5予想からギリギリ外してしまいました。
ちなみに、前作と前々作は順位こそ違えど、得点率(その年の全作品の合計得点に占める該当作品の得点の割合)はほとんど同じだったのですが、本作は前作・前々作よりも得点率がアップしていましたね(2010年代 「このミステリーがすごい!」ベスト50(暫定)参照)。
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沈黙のパレード / 東野圭吾
( 予想 > 8位 結果 > 4位 )
もっと上の順位に予想しようかとも考えてはいたのですが、“加賀恭一郎シリーズ”と比べると“ガリレオシリーズ”は近作の順位がかなり低いというデータが気になってしまったのです....。
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宝島 / 真藤順丈 <感想記事はこちら>
( 予想 > 3位 結果 > 5位 )
「このミス」未ランクイン作家ながら上位に入るだろうと確信していたとはいえ、さすがに3位は高すぎかなと思っていて、それでも他に入れたい作品もなかったため繰り上げ的に3位予想にしたので、5位という結果はなんか落ち着く感じがしますね。
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碆霊の如き祀るもの / 三津田信三
( 予想 > 2位 結果 > 6位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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雪の階 / 奥泉光
( 予想 > 23位 結果 > 7位 )
“ミステリ小説を純文学的に描く”というジャンル的に異色な内容だったこともあり、高順位もランク外もどちらの可能性もありえそうな予想の難しい作品で、“こういった作品を上位に予想するとランク外”という自分の予想でよくあるパターンにどうせなるのだろうな、と弱気になってしまった結果がこの予想順位だったのですが、他のランキングでも上位に入った結果からするとこの作品こそ強気に予想しなければいけませんでした....。
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東京輪舞 / 月村了衛
( 予想 > -位 結果 > 8位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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凍てつく太陽 / 葉真中顕
( 予想 > 9位 結果 > 9位 )
ベスト10入りは間違いなさそうだけれど上位に入るほどではないかも、という推測が当たり、順位もピタリ賞ということで、これは見事なドンピシャ予想でしたね。
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火のないところに煙は / 芦沢央 <感想記事はこちら>
( 予想 > 18位 結果 > 10位 )
長い期間そのものズバリ10位に予想していたのですが、同系統のNo.576「残穢」(小野不由美)が17位だったことを考えて急に心変わりして予想順位を下げてしまったのは完全に悪手でした....(穴予想好きの血がうずいてしまったようです....)。
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グラスバードは還らない / 市川憂人
( 予想 > 14位 結果 > 10位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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漂砂の塔 / 大沢在昌
( 予想 > 28位 結果 > 12位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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スケルトン・キー / 道尾秀介
( 予想 > 31位以下 結果 > 13位 )
ミステリ期とも非ミステリ期とも作風が異なる、著者の新境地とでもいうべきクライムサスペンスですが、「このミス」でランクインするタイプではないように感じていたので、この作品が今年一番意外なランクイン作品でしたね。
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インド倶楽部の謎 / 有栖川有栖
( 予想 > 12位 結果 > 14位 )
“国名シリーズ”としては過去に1作もランクインしていないものの“火村英生シリーズ”としては2作連続ベスト10入りということ(と、もちろん作品の内容)を踏まえまして、ベスト10入りまではいかないけれどそれに近い所まではいくのではないかと予想したのですが、まさにその通りの結果でした。
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ネクスト・ギグ / 鵜林伸也
( 予想 > -位 結果 > 15位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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アリバイ崩し承ります / 大山誠一郎
( 予想 > -位 結果 > 15位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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叙述トリック短編集 / 似鳥鶏
( 予想 > -位 結果 > 15位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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蒼き山嶺 / 馳星周
( 予想 > 31位以下 結果 > 18位 )
当初は20位以内に予想していたものの、昨年の“No.968「暗手」を20位以内に予想したら41位だった”という失敗を心のどこかで引きずってしまっていたのか、最終的には30位予想からも外してしまいました....。
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探偵AIのリアル・ディープラーニング / 早坂吝
( 予想 > 21位 結果 > 19位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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破滅の王 / 上田早夕里
( 予想 > 29位 結果 > 19位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」(後日更新予定)の方に書く予定です。
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パズラクション / 霞流一
( 予想 > 3位 結果 > 21位 )
それではここから、大いなる反省会の開始となります.....。
さすがに3位予想はやり過ぎかと自分でも思ったものの、穴予想好きの血がうずいたこともあってかなり思い切った予想にしたので、ランク外という結果もまあ納得ではあります。
とはいえ、次点(21位)となるくらいには票が入りましたし、「本ミス」ではそのものズバリ3位にランクインしたので、全くの見当違いな予想にならなかったことにホッとしています....。
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少女を殺す100の方法 / 白井智之 <感想記事はこちら>
( 予想 > 5位 結果 > 25位 )
この作品もかなり思い切っての5位予想で、「早ミス」16位、「本ミス」8位と来たことから“よしよし”と思ったのですが、「このミス」では意外なほどに票が入りませんでした(それでも一応25位だったので大外れではないですかね)。
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生き残り / 古処誠二
( 予想 > 7位 結果 > 21位 )
前年の『いくさの底』に比べて話題性ではかなり劣るけれど、同じようなパターンで2年連続ベスト10入りした青山文平(No.1000「半席」で17年版4位→No.1031「遠縁の女」で18年版7位)と同様の結果になるのではと思いベスト10予想としたのですが、一番の反省点とすればやはり『いくさの底』を読んでいないため比較が出来なかったことでしょうね。
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ドッペルゲンガーの銃 / 倉知淳
( 予想 > 10位 結果 > 27位 )
寡作で有名な作家でありながら対象期間に3作も発表したことから、今年のランキングはプチ倉知フィーバーになるのではないかと予想していて、ベスト10にはこの作品が入るのではないかと思ったのですが、まあ未読での予想だったので27位という結果が順当なのかどうなのかサッパリ分からないのがモヤモヤします....。
あと「本ミス」では本作がベスト10入りしていたので、他作品の予想結果を見てみても、やはり自分の予想傾向と波長が合っているのは「このミス」ではなく「本ミス」のようですね。
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〈ミリオンカ〉の女 うらじおすとく花暦 / 高城高
( 予想 > 13位 結果 > 36位 )
未読なので自信満々の予想ではなかったとはいえ、「このミス」実績や本作の評判の良さからランクインするくらい票が集まりそうだと思ったのですけどね。
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雛口依子の最低な落下とやけくそキャノンボール / 呉勝浩
( 予想 > 15位 結果 > 65位 )
呉勝浩作品は近いうちに「このミス」ランクインを果たすのではないかとなんとなく思っていて、今までとは全く毛色が違いながらかなり評判の良い本作がそれに当たるのではないかと考えたのですが....。
あとこうして反省会を書いてみますと、未読ながらランクイン予想にした作品がランク外だった場合は特にこれといった反省点もない中途半端な状態となってしまうため、やはり読了本のみを対象にして予想するべきだと改めて思いました。
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豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件 / 倉知淳
( 予想 > 16位 結果 > 投票数0 )
上にも書いたように今年はプチ倉知フィーバーになると予想していて、過去には同時発売のノンシリーズ短編集2作が17位&27位とどちらも票を集めたことから“倉知作品はノンシリーズ短編集の評価が高い”のではと考えてのこの予想だったものの、まさか0票だとは....。
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名探偵誕生 / 似鳥鶏 <感想記事はこちら>
( 予想 > 17位 結果 > 投票数0 )
最近の「このミス」は“最初に一般的に高く評価された作品ではなくその後に発売された作品で初ランクインを果たす”パターンが多いように感じていて、似鳥鶏も昨年評判が良かったNo.1007「彼女の色に届くまで」ではなく本作で初ランクインとなるのではと予想したのですが、著者的にはこの予想はズバリと当たっていたものの、作品的にはランクインしたのは本作ではなく『叙述トリック短編集』の方でしたね....。
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星詠師の記憶 / 阿津川辰海
( 予想 > 19位 結果 > 投票数0 )
「このミス」予想をする時に注意していることがありまして、それはやはりどうしてもランクイン実績作家&シリーズばかりを予想に入れてしまいがちになるため、ランクイン実績のない作家の作品を一定の割合で入れるように気を付けよう、ということです。
今年もそこを気にする中で、最近の「このミス」の傾向からしてランクイン実績のない作家でランクインする作品は本格ミステリ系なのではと考えて、昨年はデビュー作『名探偵は嘘をつかない』で惜しくもランクインを逃した阿津川作品に(未読ながら)目を付けたのですが、まさか0票とは....。
ただ「本ミス」ではベスト10入りしているので、やはり自分の予想は「本ミス」との方が相性良いようですね。
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雪割草 / 横溝正史 <感想記事はこちら>
( 予想 > 20位 結果 > 65位 )
ミステリ要素がほとんどない作品ではあるものの、探偵小説の巨匠による、今ではその存在さえ忘れ去られた幻の作品の77年越しとなる単行本化という、1位に輝いた『それまでの明日』と同様に発売されたこと自体が“事件”である作品ですし、過去には同じようにミステリ要素はほとんどないのに20位にランクインしたNo.590「泡坂妻夫引退公演」という先例もあったので、思い切ってランクイン予想としたのですが....。
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というわけで、まずは「このミス2019年版」のランキング(順位)予想」の反省を<総論編>、<各論編>と分けて書いてみました。
そして続きまして、「このミス2019年版」としては最後の反省会となります、「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」を書いてみたいと思います。
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【「このミステリーがすごい!2019年版」関連記事】
> 「このミステリーがすごい!2019年版」ランキング(順位)予想 (18.2.1)
> 「このミス2019年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (18.10.3)
> 「ミステリが読みたい!2019年版」 (18.11.25)
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> 「週刊文春ミステリーベスト10(2018年)」 (18.12.6)
> 「このミステリーがすごい!2019年版」 (18.12.7)
> 「このミス2019年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (18.12.8)
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