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2018年12月29日 (土)

「このミス2019年版」投票者なりきりベスト6

 


このミステリーがすごい! 2019年版

宝島社

発売日:2018.12.11

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 これで11年目の企画となりますが、“投票者なりきりベスト6”を書いてみたいと思います


 「このミス」では、70人を超える読書家(評論家など)の投票を集計し、その結果をもとにその年のランキングが作られます

 もう少し詳しく説明すると、投票者は1人につき6作品に投票することができ、その6作品を1位から6位まで順位付けすることで、1位に10点、2位に9点.....、といった具合にそれぞれ点数が付けられます。全投票者が投じた得点を合計し、その結果がランキングとして発表されるというわけですね

 そんな「このミス」投票者になったつもりで自分も6作品選んでみようという企画なのですが、ただ他にも面白かった作品がいくつもあったため、6作品だけを紹介するのも寂しいので、昨年までは50位や30位からカウントダウン形式で発表していました

 ただ今年は、(例年であれば読了済み作品のみを予想の対象としていたのに)特例として未読作品も予想の対象に入れたくらいに読んだ冊数が少なかったこともあり、タイトル通りに6作品だけ紹介することに

 それに、いつもなら「このミス」のランキング発表前に更新していたのに、今年は発表後になってしまいましたし、ここでランクイン作品を紹介しても今更な感じがあるので、今年だけ特別に「このミス」ランク外(21位以下)作品の中から自分が面白かった(そして“「このミス」に投票するなら”という基準で選んだ)6作品を紹介することにしましょう


 * 作品名部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです

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 【 6位 : 超動く家にて 宮内悠介短編集 / 宮内悠介 】



超動く家にて 宮内悠介短編集 (創元日本SF叢書)

宮内悠介

東京創元社 2018-02-21

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 基本はSFの短篇集ではありますが、かなりヴァリエーションに富んだ作品揃いで、しかもどの収録作もとんでもないアイデアがぶち込まれた異色ながら愛すべき作品集となっていますし、表題作などはタイトルの通り“超動く家”で密室殺人が起きるというミステリ要素を組み込んだ作品だったりもするので、(心が寛容な)ミステリ好きの人にもお薦めです


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 【 5位 : 皇帝と拳銃と / 倉知淳 】


皇帝と拳銃と皇帝と拳銃と
倉知 淳

東京創元社 2017-11-30
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 倒叙ミステリは追い込まれていく犯人側に感情移入してしまうので個人的には若干苦手なジャンルなのですが、本作の主人公は、死神を連想させるほどの不気味な外見&態度のキャラクターながら、(犯人を追いつめるというよりは)事件の謎のみに興味を示して淡々と無感情に推理していくタイプだったので、倒叙ミステリの王道的な面白さを素直に楽しめましたし、この主人公の物語をまた読みたくなりましたね


  この作品の感想記事はこちら!!
   >> No.1002 『皇帝と拳銃と』 倉知淳


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 【 4位 : サーチライトと誘蛾灯 / 櫻田智也 】


サーチライトと誘蛾灯 (ミステリ・フロンティア)サーチライトと誘蛾灯 (ミステリ・フロンティア)
櫻田 智也

東京創元社 2017-11-13
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 ミステリーズ!新人賞受賞作を始めとした前半収録の3篇もコミカルなやり取りの中にミステリトリックが仕掛けられていて面白かったですが、後半に収録の2篇における情緒的な雰囲気やシリアス系物語としての読み味に“これは近いうちに傑作を書くだろうな”と思わされるだけの凄みを感じたので、本作自体を楽しめたのはもちろん、そんな“大器の片鱗”のようなものを味わえたことが特に印象深いですね


  この作品の感想記事はこちら!!
   >> No.1008 『サーチライトと誘蛾灯』 櫻田智也


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 【 3位 : 宇宙探偵ノーグレイ / 田中啓文 】


宇宙探偵ノーグレイ (河出文庫)宇宙探偵ノーグレイ (河出文庫)
田中 啓文

河出書房新社 2017-11-07
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 宇宙を飛び回って仕事をしている探偵が訳ありの惑星から依頼を受ける連作集ですが、それぞれの惑星におけるとんでもなく奇抜な設定に、そんな設定だからこその不可能殺人、そしてそれらの謎に(翻弄されつつ)挑んでいく探偵っぷりと、バカバカしいながらもぶっ飛びまくりのアイデアが贅沢に注ぎ込まれた特殊設定SFミステリなので、マニア向けではあると思うものの、もう少しランキングで評価されても良かったとも思うのですよねェ


  この作品の感想記事はこちら!!
   >> No.1035 『宇宙探偵ノーグレイ』 田中啓文


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 【 2位 : 少女を殺す100の方法 / 白井智之 】


少女を殺す100の方法少女を殺す100の方法
白井智之

光文社 2018-01-17
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 “エログロと本格ミステリとの歪な融合”という著者の持ち味そのままにこれだけ短篇ごとに作風の変化を生み出しているのは本当に凄いですし、なによりこれまでの作品になかった物語的な魅力が作品からあふれ出ていたので、単に奇抜な作家では終わらないであろうという予感を強く感じさせる素晴らしき短篇集でした


  この作品の感想記事はこちら!!
   >> No.1006 『少女を殺す100の方法』 白井智之


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 【 1位 : パズラクション / 霞流一 】



パズラクション (ミステリー・リーグ)

霞流一

原書房 2018-08-20

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 こうやって個人的なベストを選んでみると、やはり好みの問題もあってぶっ飛んだ内容の作品が上位に入ってきますが、2018年の(あくまで自分が読んだ中で)最もぶっ飛んだ作品といえば本作でしょう

 “殺し屋=刑事”という設定を活かして倒叙ミステリや真相の書き換えなどを作中に込めるだけでなく、密室に見立てにアリバイに多重解決にと様々な本格ミステリ要素で演出され、さらには犯行中に偶然の要素が紛れ込むことによって著者の独壇場であるバカミストリックが有無を言わさぬ状況で炸裂するという、発想も素晴らしければそれを実際に作品として完成させてしまった技量も素晴らしいというとんでもない作品なので、人を選ぶ内容とはいえ自分の中では2018年ダントツの1位でしたね


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  > 「このミス2019年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会> (18.12.18)

  > 「この“ランク外作品”がすごい!2019年版」 (18.12.25)

  > ミステリー・推理小説総合ランキング(2018年) (18.11.28)


  >>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<

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