「このミステリーがすごい!2019年版」
このミステリーがすごい! 2019年版 宝島社 発売日:2018.12.11 |
「このミステリーがすごい!2019年版」が、いよいよ発売されました。
今年も、これで11年目となるランキング予想を行い(「このミステリーがすごい!2019年版」ランキング(順位)予想)、自分が投票者になったつもりでベスト6を決める「このミス2019年版」投票者なりきりベスト6はまだ更新していませんが近々更新予定です。
さらには、月ごとに「このミス」の候補になるのではないかと思われる作品をピックアップしてみる“月別ランクイン候補作品”という企画を毎月行ったり、投票を受け付けてベスト10予想を企画してみたり(ベスト10作品をみんなで予想しよう!)と、このブログを使って“読むだけで終わらないミステリ小説の面白さ”を1年間楽しむことができました。
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そして「このミス」は、ここ数年は正発売日よりも2日前に店頭に並ぶ書店が多かったのですが、今年は発売日である11日(火)の2日前が日曜ということもあり、土日前の7日(金)、つまり正発売日の4日前が早売り日となりました。
まあ今年もネット等で先に結果を知ることなく、実際に「このミス」をめくって見て初めてランキングを知ることができたので、この一瞬で感じられるワクワク感というか喜び・楽しみ・ドキドキ感などは、(1年間「このミス」のランキングを予測して読む本を選んだり予想したりしていた自分にとっては)テストの答案を受け取る時のようでもあり、中に何が入っているのか分からないプレゼントを受け取る時のようでもあるのですよね。
それで肝心のランキングは、納得の順位の作品も、意外な順位の作品もあって、自分の予想のことを考えると一喜一憂といった感じなのですが、ランキングに関しては“予想の反省会”としてこれから3回に渡って記事を書いていく予定です。
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中身の方ですが、昨年は29周年で30冊目、今年は30周年ということで、2年連続で特別企画が実施されています。
まず創刊30周年3大企画の一つ目は、過去30年の歴代1位作品(10周年と20周年で実施したベスト・オブ・ベストの1位作品も含む)の中から真の王者を決めるという「キング・オブ・キングス」で(西上心太と三橋暁による総括対談もあり)、歴代1位作品のみということもあってかなり豪華で圧倒的なランキングとなっているものの、ただやはり(10周年・20周年の時のような)ベスト20入りした作品全てが対象のオールタイムランキングを見たかったな~とも思ってしまいますね。
続いて二つ目は有栖川有栖・桜庭一樹・深町秋生・天祢涼による特別座談会“4人の作家が振り返る平成という時代”、三つ目は、過去30年分のランキング(ベスト10のみ)と10周年・20周年時に実施したベスト・オブ・ベストのベスト10を収録した「30周年特別冊子 歴代ザ・ベストテン1988-2018」で、品切れ重版未定の状況や電子書籍の有無も書かれています。
あと今年ならではの企画としては、巻頭の高山一実(乃木坂46)のスペシャルインタビューがあり(「このミス」からのオススメという企画付き)、作家デビューしているとはいえ作家としての実績はないタレントのインタビューが「このミス」の載るのは異例のようではありますが、実は2010年版には映画『ゴールデンスランバー』主演の堺雅人、2011年版には映画『白夜行』主演の高良健吾&堀北真希と深川栄洋監督のインタビューが掲載されたこともありました。
その他では、昨年の新鋭作家大座談会に代わってミステリー系新人賞総まくり座談会(参加者は作家ではなく若手のミステリー愛好家)が行われ、「テーマ別注目作品レビュー&コラム」は昨年の執筆者から香山二三郎と福井健太が外れて大矢博子・杉江松恋・松川良宏が加わるなどの変化がある中、最も大きな変更点といえばこれまで30年間常に巻末に掲載されてきた作品リストが今年は無くなっていることでしょうね。
最後に“私の隠し玉”コーナーですが、今年は大幅な入れ替えがありまして、まず昨年は寄稿したのに今年はなかった作家は、大倉崇裕(03年版からの16年連続でストップ)、北村薫(11年版からの8年連続でストップ/通算21回)、月村了衛(13年版からの6年連続でストップ)、湊かなえ(10年版からの9年連続でストップ)の4人で、今年復帰となったのは伊坂幸太郎(4年ぶり13回目)、桜庭一樹(2年ぶり12回目)の2人(“「このミス」完全読破 説明&読破本リスト(「このミス」資料集)”の作家別“私の隠し玉”執筆年版リスト参照)。
そして今年から初参加となったのは、初参加というのが意外に思える大物作家が多く、天祢涼、古処誠二、下村敦史、辻村深月、深町秋生、深水黎一郎の6人で、このうち天祢涼だけは「このミス」未ランクインであるものの座談会に参加していることもあってか“隠し玉”にも参加となっています(同じように「このミス」未ランクインながら座談会に参加したため昨年の“隠し玉”に登場した阿部智里と知念実希人の2人は今年の“隠し玉”にも参加しています)。
あと一つ気になったのが、“隠し玉”初参加の辻村深月が“ずっと憧れていた「私の隠し玉」のご依頼をいただいて、本当に嬉しいです!”と書いていることで、「このミス」ランクイン作家全員に依頼しているわけではないことを初めて知りましたし、なぜ辻村深月にこれまで依頼してこなかったのかも不思議に思ってしまいますねェ。
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【 12/8 追記 (もしかして集計ミス?) 】
毎年、“読書のプロが選ぶ「私のベスト6」”を基に手集計して、票が入った全作品の順位を出しているのですが、今年は原りょう「それまでの明日」の得点が、「このミス」誌上では“238”なのに対し自分の集計では“243”で自分の集計の方が5点多く、作家別得票数も「このミス」誌上での“29人”に対して自分の集計では“30人”といった違いが。
なので、「それまでの明日」を6位(5点)として投票した回答者の分が集計されていない可能性を考え調べてみたところ、3人が該当したものの、その3人が投票した他の5作品の得点は「このミス」誌上でも自分の集計でも変わりなかった(というか「それまでの明日」以外の全作品の得点数は一致していた)ので、誰か一人の投票が丸々未集計ということはなさそうです。
ただそこで、「それまでの明日」を6位で投票した回答者の一人である秋好亮平氏のベスト6記入欄に違和感を覚えたため、じっくりと見てみたところ、6位の欄には「それまでの明日」ではなく「それからの明日」と書かれていることに気付きました。
著者は“原尞”と書かれているので「それまでの明日」とは別の作品ということはないですし、1~5位の投票作品の得点はきちんと集計されていることから考えますと、秋吉氏の誤記入なのか「このミス」側の誤植なのかは分かりませんが、作品タイトルを誤って書いたために集計から漏れたという可能性が高そうです。
もちろん自分の集計ミスの可能性もありえますが、ただ「このミス」側における集計ミスの原因らしきものが見つかったので、これは「このミス」側の集計ミスで間違いないのではないでしょうか。
とはいえ、「それまでの明日」の得点が5点増えようが増えまいが順位的には全く関係ないので、大騒ぎするものではないと思うのですけどね。
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