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2018年12月18日 (火)

「このミス2019年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>

 


このミステリーがすごい! 2019年版

宝島社

発売日:2018.12.11

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 前回は「このミス2019年版」ランキング(順位)予想の反省を<総論編><各論編>の2回に分けて書いてみましたが、今回は、“「このミス2019年版」にランクインしそうな対象作品を予測し事前に読むこと”自体の反省を行う“「このミス2019年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>”を書いてみたいと思います

 と、その前に説明を加えますと、「このミス」の予想をするにあたって、自分が読んだ作品のみをその対象としています

 つまり、“ランクインしそうだな~”と思っていても読んでいなければ予想に入れていないので、“事前に読んだか読んでいないか”というのは、予想するのにとても重要になってくるわけなのですね

 なので、それに対する反省も、来年の予想の的中率を高めるためには、非常に重要となるのです

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 それではまず、「2019年版」で20位以内にランクインした20作品のうち、どのくらいの作品を事前に読んでいたのか、見てみましょう。

 ○:事前に読んでいた作品
 ●:チェックしていたけれど(時間がなくて)読めなかった作品
 ▲:チェックしていたけれど、入らないだろうと思って読まなかった作品
 ×:全くノーマークだった作品

 * タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページ

  01位 : ○ それまでの明日 / 原尞(りょう)  <感想記事はこちら> 
  02位 : ● ベルリンは晴れているか / 深緑野分
  03位 : ○ 錆びた滑車 / 若竹七海  <感想記事はこちら>
  04位 : ○ 沈黙のパレード / 東野圭吾
  05位 : ○ 宝島 / 真藤順丈  <感想記事はこちら>

  06位 : ● 碆霊の如き祀るもの / 三津田信三
  07位 : ○ 雪の階 / 奥泉光
  08位 : ● 東京輪舞 / 月村了衛
  09位 : ○ 凍てつく太陽 / 葉真中顕
  10位 : ○ 火のないところに煙は / 芦沢央  <感想記事はこちら>
  10位 : ● グラスバードは還らない / 市川憂人

  12位 : ● 漂砂の塔 / 大沢在昌
  13位 : ○ スケルトン・キー / 道尾秀介
  14位 : ○ インド倶楽部の謎 / 有栖川有栖

  15位 : ● ネクスト・ギグ / 鵜林伸也
  15位 : ● アリバイ崩し承ります / 大山誠一郎
  15位 : ▲ 叙述トリック短編集 / 似鳥鶏

  18位 : ○ 蒼き山嶺 / 馳星周
  19位 : ● 探偵AIのリアル・ディープラーニング / 早坂吝
  19位 : ● 破滅の王 / 上田早夕里

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 というわけで今年の読み逃しは10作品でした。

 2009年版が8作、2010年版が4作、2011年版が6作、2012年版が4作、2013年版が2作、2014年版が3作、2015年版が5作、2016年版が4作、2017年版が6作、そして昨年の2018年版が8作の読み逃しだったので、今年は歴代最多記録を更新してしまいました....

 ただ、今年は例年と比べて圧倒的に読書に費やす時間が取れず、早い段階で“このままだと予想の枠が埋まらないな”と勘づいたため、今年だけ例外的に未読本も予想の対象に加えたくらいだったので、それでもランクインしたうちの半数は読了していたのはまあ及第点かなとも思うのです

 それでも読む本選びさえ的確であればもっと読み逃し作品数を減らすことはできましたし、来年以降もパーフェクトを目標とすることには変わりないので、10作品を何故に読み逃してしまったのかをきちんと検証して、来年の「このミステリーがすごい!2020年版」で“ランキング発表前にランクイン全作品読破済み”の達成に少しでも役立たせてみましょう

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 まず「●:チェックしていたけれど(時間がなくて)読めなかった作品」ですが、今年は9作ありました

 この9作に関しては、例年であれば無理をしてでも読んでいた作品が多いので今更読んでいなかったことの反省点もないものの、それ故に(今年だけの例外として)未読ながらランクイン予想に入れたりもしたため、そんな予想の反省も含めて書いてみたいと思います


 「ベルリンは晴れていたか」は、海外を舞台とした戦争ミステリNo.862「戦場のコックたち」で2016年版2位という実績があり、日本が舞台の青春ミステリと趣がガラリと変わった『分かれ道ノストラダムス』でも2017年版23位だったことから、再びの海外戦争ミステリとなった本作はランクイン確実だろうと思っていました

 ただ11位予想に留めてしまったのは、やはり未読だったためにどこまで内容が「このミス」向きなのか判断できず、上位に予想するほどの勇気を持てなかったからなのです


 「碆霊の如き祀るもの」「グラスバードは還らない」は、前者は長篇に限れば4作連続ベスト10入り中、後者は前2作が10&11位という実績抜群のシリーズなので、例年であれば必ず読んでいたのですが....


 「東京輪舞」は、「このミス」実績ある作家ですし、出た本は(時代小説など除けば)必ず読む贔屓作家でもあるのですが、締切ギリギリの10月発売だったので予想を終えるまでに読むことが出来ませんでしたし、これまで上位に入った近未来SF警察小説や冒険アクションサスペンスとはジャンル的に異なる作品のようだったのでベスト30予想にも入れにくかったのですよね


 「漂砂の塔」は、孤島を舞台とした大沢作品はいつも票を集めやすい印象があったので読みたいとは思っていたものの、9月発売なうえにかなりの分厚さだったので、“ランクイン確実!”というだけの確信が何かないと(読書時間がわずかな中にあっては)手を出しにくかったです


 「ネクスト・ギグ」は、デビュー作ではありながら評判が良さそうでしたし、何より“ミステリ・フロンティア百冊突破記念書き下ろし作品”と銘打たれていたので読みたかったのですが、さすがに締切ギリギリの10月末発売では(今年は特に)予想するまでに読めませんねェ


 「アリバイ崩し承ります」は、今勢いに乗る大山作品なので例年であれば読んでいましたし、本の厚さ的にも手に取りやすかったので、(30位以内に予想しなかったことも考えれば)ちょっと無理してでも読んでおくべきでした....


 「探偵AIのリアル・ディープラーニング」は、評判や内容(あらすじ)からしてランクインの可能性は充分にありそうだと考えていたし、文庫本ということで(値段的にも)入手しやすかったのですが、逆にそれ故に優先順位を下げてしまって気付けば予想の最終決定をしなければならない時期に....


 「破滅の王」は、「このミス」実績のない作家ながら今回は「このミス」でも評価されそうな内容のようだと思っていて、昨年11月発売ということもあり長い間読む機会を窺っていたものの、そんな中で直木賞の候補に選ばれるなど世間的な注目度が上がったことで(捻くれた気持ちが出てきて)結局読まず仕舞いに...

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 次に「▲:チェックしていたけれど、入らないだろうと思って読まなかった作品」ですが、今年は「叙述トリック短編集」(似鳥鶏)のみ

 ランキング(順位)予想 <反省会・各論編>でも書いたように、最近の「このミス」は“最初に一般的に高く評価された作品ではなくその後に発売された作品で初ランクインを果たす”パターンが多いように感じていて、似鳥鶏も昨年評判が良かったNo.1007「彼女の色に届くまで」(40位)ではなくそれ以降の作品で初ランクインを果たすのではないかと思っていました

 そしてそれは今年出たNo.1030「名探偵誕生」なのではと考えベスト20予想にしたため、同期間内に後から出た「叙述トリック短編集」の方は気にはなっていたけれどランクインの可能性まで考慮してはいませんでした....

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 最後にて「×:全くノーマークだった作品」ですが、今年はありませんでした

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 以上の反省を踏まえたうえでの来年に向けた対策・秘策としては、まず今年の反省点は何といっても読了本が少なすぎたことに尽きるので、来年は“未読本も予想の対象に”とはならないようになるべく多くの対象本を読みたいですね

 もう少し具体的な対策も書いてみますと、このミス資料集“月別ランクイン作品数リスト”を見てもらうとわかるのですが、結果的に「このミス」1位となる作品が3月に発売されたのが近8年中5年と、ジンクスと呼ぶには偏り過ぎなほどの高確率となっているので、とにかく3月発売の有力作品は読み逃さないこと

 あとはやはり毎年8~10月に発売された作品のランクイン率が高いので(特に9月発売作品)、7月までに発売された作品はそれまでに読み終え、8月以降はなるべく発売されたばかりの有力作品を読みまくる、といったところでしょうか。


 というわけで今年も3回に渡って反省してみましたが、この反省を活かして読む本を選ぶ精度を上げ、予想の方も的中率を上げたいですね

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