「2019 本格ミステリ・ベスト10」
2019本格ミステリ・ベスト10 原書房 2018-12-06 |
「このミス」(このミステリーがすごい!)や「本ミス」(本格ミステリ・ベスト10)にランクインしそうな作品を予想・検討しながらミステリ小説を読んでいる自分にとって、「このミス」「本ミス」が発売されるこの時期は、年末を前にして早くも“一年の総決算”といった心持ちになるのですが、まずは「本ミス」の方が発売となりました。
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と、ここで「このミス」と「本ミス」の違いを簡単に説明してみますと、「このミス」の対象となるのはミステリー&エンターテイメント小説で、すなわちこんなタイトルに関わらずミステリ作品だけが対象となっているわけではないのに対し、「本ミス」の方はそのタイトル通り、ミステリの中でも“本格ミステリ小説”に限定されたランキングなのです。
なので、同じミステリ本のランキングでもその対象作品は異なるため、それぞれ独自のランキングが作られるので面白いのですが、それ故に「このミス」を予想するのと「本ミス」を予想するのとでは、読むべき作品も微妙に変わってくるのです(それぞれの投票者の好みなんかも違っていますし)。
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よって、これまで「このミス」の予想はしても「本ミス」の予想はしてこなかったのですが、今年こそは(余裕があれば)「本ミス」予想をするのに読み逃せない作品も読み、「本ミス」の予想も出来れば.....と思っていたものの、結局それは叶いませんでした.....。
それでも来年は予想するかもしれないので、反省の意味も込めまして、一体「本ミス」にランクインした作品のうちどのくらい読んでいたのか、そしてもし「本ミス」予想するのであればどの本を読んでいたのだろうか、といったところを、ランキングと共にちょっと見てみたいと思います。
とはいえ、ランクインした作品以上に売れてしまうという超ベストセラーな「このミス」と比べると、「本ミス」の方は知名度も売れ行きもかなりの差があるだろうことから、発売直後にランキングを丸ごと書いてしまうのはやはり躊躇してしまいます。
そのため、作品名等記入したランキングには1ヶ月後くらいに書き替えることにし、とりあえずは事前に読んでいた作品のみ“「このミス」完全読破”の通しNoと当ブログ記事へのリンクを付けるだけにしたいと思います。
なので、書き替えるまでの間は面倒だと思いますが、「このミス」完全読破 読了順リストにて通しNoを照らし合わせたり、感想記事へのリンク先にてご確認ください。
* 後日追記:書き換えました
○:事前に読んでいた作品
●:読みたかったけど(期間内に)読めなかった作品
▲:「本ミス」を予想するのであれば必ず読んでいたであろう作品
×:特に読むつもりはなかった作品
*:「このミス」対象外(版元が宝島社)の作品
* 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
01位 : ● アリバイ崩し承ります / 大山誠一郎
02位 : ● 碆霊の如き祀るもの / 三津田信三
03位 : ○ パズラクション / 霞流一
04位 : ● グラスバードは還らない / 市川憂人
05位 : ○ インド倶楽部の謎 / 有栖川有栖
06位 : ▲ 星詠師の記憶 / 阿津川辰海
07位 : ● 探偵AIのリアル・ディープラーニング / 早坂吝
08位 : ○ 少女を殺す100の方法 / 白井智之 <感想記事はこちら>
09位 : ● ドッペルゲンガーの銃 / 倉知淳
10位 : ○ 沈黙のパレード / 東野圭吾
11位 : ● 友達以上探偵未満 / 麻耶雄嵩
12位 : ○ 隠蔽人類 / 鳥飼否宇
12位 : ● ネクスト・ギグ / 鵜林伸也
14位 : ○ 皇帝と拳銃と / 倉知淳 <感想記事はこちら>
15位 : ○ 深夜の博覧会 / 辻真先 <感想記事はこちら>
16位 : ○ メーラーデーモンの戦慄 / 早坂吝
17位 : ○ 虚像のアラベスク / 深水黎一郎
18位 : ● 夏を取り戻す / 岡崎琢磨
19位 : ○ ドロシイ殺し / 小林泰三
20位 : ▲ ミダスの河 名探偵・浅見光彦VS.天才・天地龍之介 / 柄刀一
21位 : × 叙述トリック短編集 / 似鳥鶏
22位 : × 合邦の密室 / 稲羽白兎
23位 : ▲ 探偵は教室にいない / 川澄浩平
24位 : ● 帝都探偵大戦 / 芦辺拓
24位 : ▲ 鳥居の密室 / 島田荘司
24位 : ○ 錆びた滑車 / 若竹七海 <感想記事はこちら>
27位 : ▲ 福家警部補の考察 / 大倉崇裕
27位 : ○ 名探偵誕生 / 似鳥鶏 <感想記事はこちら>
29位 : ○ サーチライトと誘蛾灯 / 櫻田智也 <感想記事はこちら>
30位 : ▲ 誘拐の免罪符 浜中刑事の奔走 / 小島正樹
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事前読んでいた作品数を、過去7年と比較してみますと、
> 2010年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→22作品
> 2011年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→21作品
> 2012年版 : ベスト10→6作品、ベスト20→13作品、ベスト30→17作品
*2012年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)
> 2013年版 : ベスト10→5作品、ベスト20→13作品、ベスト30→21作品
> 2014年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→13作品、ベスト30→15作品
*2014年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)
> 2015年版 : ベスト10→7作品、ベスト20→12作品、ベスト30→16作品
*2015年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
> 2016年版 : ベスト10→7作品、ベスト20→14作品、ベスト30→17作品
*2016年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
> 2017年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→13作品、ベスト30→17作品
*2017年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
> 2018年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→11作品、ベスト30→13作品
*2018年版はベスト30が31作品(29位が3作品のため)
> 2019年版 : ベスト10→4作品、ベスト20→10作品、ベスト30→13作品
というわけで、ベスト10は昨年より4作減、ベスト20は昨年から1作減、ベスト30は同数といった結果でした。
まあ今年は例年以上に対象作品を読むことが出来ず、読了済みの作品のみを対象としていた「このミス」予想も今年だけは例外的に未読作品も予想の対象に入れたくらいだったのですが、さすがに「本ミス」ベスト10の読み逃しは昨年の半減となってしまったものの、ベスト20とベスト30の読了本が昨年とほぼ同数だったのは驚きでした(まあどちらにしろ多いとは言えませんが)。
それでも、ここまで発表されたミステリランキング(「早ミス」「本ミス」)で共にベスト3入りし、しかもシリーズ実績的にこの結果も納得である作品を(“あえて”ではあるとはいえ)読んでいなかったのは反省点ですね。
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内容の方にも触れてみますと、昨年は“新本格ミステリ30周年”と題して様々な特集が組まれていたのに対し、今年の特集は“「我が"偏愛"本格ミステリ」を聞いてみた!」という、“自分しか推していないのではないか”と考える本格ミステリ作品を「本ミス」投票者に挙げてもらう企画(ランキングはなし)の一本のみでした。
そして恒例のインタビューは、今年は“MAN OF THE YEAR 2018”での似鳥鶏と“注目の気鋭2018”での白井智之の二人。
その他のコーナー等は前年とほとんど変わりありませんでしたが、「国内本格」座談会の参加者三人のうち小田牧央が市川尚吾に入れ替わっていたり、廣澤吉泰によるコラムのテーマが変わっていたり(今年は“文庫での再刊”)、市川尚吾によるコラム(世相とミステリ2018)が4年ぶりに復活したり、といった細かな変化はありました。
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