「週刊文春ミステリーベスト10(2018年)」
週刊文春 2018年 12/13 号 [雑誌] 文藝春秋 2018-12-06 |
年末恒例の四大ミステリランキングの一つ、「週刊文春ミステリーベスト10」(以下「文春」)の“ミステリーベスト10 2018年 国内部門”が発表されました。
なお、四大ミステリランキングとは、「文春」、「このミステリーがすごい!」(以下「このミス」)、「本格ミステリ・ベスト10」(以下「本ミス」)、「ミステリが読みたい!」(以下「早ミス」)の4つなのですが、それぞれ発売時期がいい具合にズレています。
具体的に言うと、まずトップバッターの「早ミス」は毎年11月25日に発売される「ミステリマガジン」で発表されるので11月の3週目、「文春」は12月最初の木曜に発売される「週刊文春」で発表されるので12月の1・2週目、「本ミス」は12月の2~6日の間に発売されるので12月の1・2週目、「このミス」は基本的に12月10日前後に発売なので12月の2・3週目に発売、といった感じです。
ただ今年は、12月最初の木曜が遅めの6日だったこともあって「本ミス」と発売日が(2年連続で)被りまして、まあ「本ミス」は早い店だと前日に並ぶので1日違いということに。
そして今年は11日(火)が発売日の「このミス」は、例年2日前にフラゲ販売する店が多めなので、土日分の前倒しがあるのならば早いところでは7日(金)に店頭に並ぶ可能性があるため、その場合はこちらも文春と1日違いということで、昨年に続いて3つのランキングが一気に発表されることになりそうですね。
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それでこの「文春」は、1977年スタートということで他のランキングよりも歴史が長く(次に長いのが「このミス」で1988年~)、そもそも「このミス」が作られたきっかけの一つが「文春」ランキングに対するアンチテーゼ的役割を担うためだったことからもわかるように、ミステリランキングの絶対的な権威として君臨していた時代がありました。
しかし、「このミス」の知名度が上がるにつれて、いつの間にか権威は「このミス」へと継承され、かといって今度は「文春」が「このミス」のアンチテーゼ的存在になるわけでもなく、結構似通ったランキングになることが多いので、近年の「文春」は中途半端な立ち位置となっている印象があります。
とはいえ、「このミス」と対象期間も対象作品も同じでありながらも、売れっ子作家(東野圭吾等)やヒット作、江戸川乱歩賞受賞作(や受賞作家の作品)に票が集まりやすく、「このミス」と比べるとマニア向け(異色)な作品に票が入りにくいという、「このミス」とは異なる特徴が見られます。
なので、一般向けのミステリ系ランキングとしては、「このミス」よりも「文春」の方が参考になりそうですね。
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というわけで、今年の「文春」のランキングを見ていきたいのですが、ランクインしたうちのどのくらいの作品を事前に読んでいたのか、といったところもチェックしてみたいと思います。
ただ、2年前までは「週刊文春」発売日の朝にはすでに公式サイトでランキングを公開していたのに、昨年は発売日の数日後にようやく公開されまして、今年も昨年と同様になりそうな感じです。
公式サイトでの公開前にランキングを丸ごと書いてしまうのはさすがに躊躇われるので、作品名等記入したランキングには「週刊文春WEB」での公開後に書き替えることにし、とりあえずは事前に読んでいた作品のみ“「このミス」完全読破”の通しNoと当ブログ記事へのリンクを付けるだけにしたいと思います。
なので、書き替えるまでの間は面倒だと思いますが、「このミス」完全読破 読了順リストにて通しNoを照らし合わせたり、感想記事へのリンク先にてご確認ください。
(追記:今年は発表から1週間が経っても公式サイトで公開されないままなので、翌週号が発売されたということもあり書き換え変えることにしました)
○:事前に読んでいた作品
●:読みたかったけど時間がなくて読めなかった作品
▲:出来れば読みたかったけれど優先順位が低くて読めなかった作品
×:特に読むつもりはなかった作品
タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです
01位 : ○ 沈黙のパレード / 東野圭吾
02位 : ○ それまでの明日 / 原尞(りょう) <感想記事はこちら>
03位 : ● ベルリンは晴れているか / 深緑野分
04位 : ○ 雪の階 / 奥泉光
05位 : ○ 火のないところに煙は / 芦沢央 <感想記事はこちら>
06位 : ○ 錆びた滑車 / 若竹七海 <感想記事はこちら>
07位 : ○ 宝島 / 真藤順丈 <感想記事はこちら>
08位 : ● 碆霊の如き祀るもの / 三津田信三
09位 : ○ 凍てつく太陽 / 葉真中顕
09位 : ○ 凶犬の眼 / 柚月裕子
11位 : ● アリバイ崩し承ります / 大山誠一郎
11位 : ● 東京輪舞 / 月村了衛
13位 : ○ インド倶楽部の謎 / 有栖川有栖
13位 : × 未来 / 湊かなえ
15位 : ○ 生き残り / 古処誠二
15位 : ● グラスバードは還らない / 市川憂人
15位 : ▲ 歪んだ波紋 / 塩田武士
18位 : ▲ 探偵は教室にいない / 川澄浩平
19位 : ○ 鏡の背面 / 篠田節子
20位 : × ある男 / 平野啓一郎
20位 : ▲ 骨を弔う / 宇佐美まこと
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同点(同順位)作品が多いことも含めて文春らしいランキングと言えそうですが、自分的に意外なランクイン作品が「このミス」ではどう評価されているのかを確認するのも楽しみですね。
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