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2018年8月19日 (日)

『錆びた滑車』 若竹七海 > 「このミス」完全読破 No.1029


「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1029

 『錆びた滑車』 若竹七海

   「このミス」2019年版 : 3位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 5位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 6位
              「本格ミステリ・ベスト10」 24位

   読了日 : 2018年8月17日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 電子書籍 <2018年8月>

錆びた滑車 (文春文庫)錆びた滑車 (文春文庫)
若竹 七海

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 『プレゼント』、No.808「依頼人は死んだ」No.812「悪いうさぎ」No.813「さよならの手口」No.920「静かな炎天」に続く、“葉村晶シリーズ”の6作目です。

 ただ1作目の『プレゼント』における葉村晶はダブル主人公のうちの一人であったり、この作品だけ版元が違うなどの理由から、“葉村晶シリーズ”は『依頼人は死んだ』以降という見方もあるようですね(その場合は本作が5作目に)。

 とはいえ、『依頼人は死んだ』には『プレゼント』の内容に触れる場面(ネタバレ含む)もあるので、シリーズ作品を全て読むつもりであるのなら『プレゼント』から読み始めた方が良いと思いますし、その際には『悪いうさぎ』と『さよならの手口』の間にNo.752「暗い越流」(“葉村晶シリーズ”の短編を二作収録)を読み忘れないようご注意を。

 ちなみに、本作からいきなり読んでも問題なく楽しむことが出来ますが、準レギュラー人物も新登場人物もそれなりに多めなため、人物把握にややこしさを感じたくないのであればシリーズ順に読んでいくことをお薦めします。

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 というわけで、13年ぶりのシリーズ復活となった前々作が「このミス」4位、前作が1位とわずか3点差(1票未満差)の2位と、今や近年のミステリ界を代表するほどの評価と話題性を持つまでになったシリーズの新作ですが、今回は前々作以来となる長篇です(前作は連作集)。

 真面目で仕事熱心で有能でありながら不幸・不運な目にばかり合っている探偵・葉村晶は、“高齢女性の行動確認”の依頼を受け尾行していたところ、尾行対象者による喧嘩の巻き添えで大怪我を負ってしまい、それが縁となって事件や騒動に巻き込まれたり自ら首を突っ込んだりしていくことに。

 今回も相変わらずの探偵っぷり&不運っぷりで楽しませてくれるのですが、昔ながらのハードボイルド小説を思わすようなシリアスな場面で魅せてくれたかと思えば、次の瞬間には近年の流行りであるキャラクター小説的とでもいうべきコミカルな場面でニヤニヤさせてくれて、さらにはシリアスな展開の中にコミカルな演出が入り混じってきたりもするため、このシリアスとコミカルの緩急が絶妙な匙加減となって面白さを一段と引き上げていますし、新旧ハードボイルド系小説の魅力を併せ持つ本作(本シリーズ)が今の時代に評価されていることにも納得できますね。

 それに、ストーリー構成や事件全体の構図や伏線の仕掛けなどミステリ小説としての土台がしっかりしているのも凄いことだと思うので、人によってはシリーズ作品としてのマンネリ感を覚えたり(過去作への評価から高い期待を持ちすぎたことにより)物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、多くのこのシリーズの愛読者は本作単体の面白さを心から堪能しつつ改めてこのシリーズの魅力にずっぽりと浸れるのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “若竹七海” 関連記事 】

  > No.1125 「不穏な眠り」

  > No.1103 「殺人鬼がもう一人」(後日更新予定)
  > No.1029 「錆びた滑車」
  > No.0920 「静かな炎天」
  > No.0813 「さよならの手口」
  > No.0812 「悪いうさぎ」

  > No.0808 「依頼人は死んだ」
  > No.0777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.0752 「暗い越流」
  > No.0431 「ポリス猫DCの事件簿」
  > No.0205 「プラスマイナスゼロ」


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