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2018年6月 1日 (金)

『俺はエージェント』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.1012

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.1012

 『俺はエージェント』 大沢在昌

   「このミス」2019年版 : 32位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読了日 : 2018年3月20日

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2017年12月>

俺はエージェント俺はエージェント
大沢 在昌

小学館 2017-12-13
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 (一昔前の映画や小説に登場した)古き良き時代のスパイに憧れているフリーターの村井が、馴染みの店「大衆居酒屋 ますい」でビールを呑みつつスパイ小説を読んでいると、同じく常連である白川への電話が店に掛かってくることに。

 この白川というのが、顔見知りで少々話したりはするけれど、いつも物静かで黙々と酒を呑んでいるという謎の多い七十過ぎの爺さんということもあり、そんな白川に対しわざわざ常連の店にまで掛けてきたこの電話が気になった村井は、電話の直後に店を出た白川に続いてに帰宅。

 すると、家に帰った村井の元に(待ち構えていたように)白川が現れて、自分は実はシークレットエージェントであり、先ほどの電話で伝えられたのは現役復帰を知らせる秘密の合言葉『コンペナント』で、しかも村井にこの仕事を手伝ってほしいと言い出して.....。
 
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 そこからは、シークレットエージェント(スパイ)としての活動再開に向けてかつての仲間と接触するなど動き出した白川と、それに巻き込まれるように行動を共にする村井の二人が、まるで相棒のようになってスパイ活劇を繰り広げていきます。

 ただ、古き良き時代のスパイが現代の日本に蘇ったり、かつては優秀だったスパイが現在では時代遅れと化してしまったことを実感したり、歳の差40歳以上という世代が離れすぎた主人公コンビだったりなど、複数のシュールさやギャップが感じられる場面によって、王道のスパイものというよりはパロディ的な面白さも加わったコミカルさが生み出されていたりもするのです。

 それでも、それらの要素や単行本の表紙絵などにより感じられるコミカルなイメージからすると意外にも、読者や登場人物の思考を裏切るようなどんでん返しが序盤から炸裂して二転三転し続けていく展開や、様々な手段を用いて命を狙ってくる敵組織の殺し屋と繰り広げる激しいバトルアクション、そしてそんな中で(スパイとしての熟練された)経験や技術や知識を基に目的を遂行し真相へと迫っていく知謀戦など、王道のスパイものとして圧巻の読み応えも驚くほどにあるのですね。

 とはいえ、アクションシーンが豊富だったり舞台が目まぐるしく変わっていくなど(感覚的に読み進められる)“動”のスパイ劇である前半に対し、後半では一転して会話劇が中心となることから(頭で理解しつつ読み進める)“静”のスパイ劇となるので、そこで好き嫌いが大きく分かれてしまいそうではありますが、静動どちらのスパイ劇をも楽しめるのであれば、この捻りが効いていながらも直球な読み応えも味わうことのできる大沢流スパイアクション&サスペンスを心から堪能出来るのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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