「この“ランク外作品”がすごい!2018年版」
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「このミステリーがすごい!2018年版」が発売され、ランキングが発表されたということで、これからランクイン作品を読んでみようと思っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか
2017年に発売された大量のミステリ&エンタメ作品の中から、読書のプロたちが選んだ作品がズラリと並んでいるわけで、まあ好みの問題はあるとはいえ面白い作品揃いなのは間違いないでしょう
しかし、だからといって“ランクインした作品は面白く、ランクインしなかった作品はつまらない”というわけでは決してなく、ランクインを逃した21位以下の作品の中にも傑作が数多く秘められているのですね
なのでここは、そんなランク外だった作品の中から読んでおくべきお薦めの作品を何点か紹介してみたいと思います
なお選んだ基準は、自分が面白いと思った作品ではありませんでして、「このミス」でランクインまであと一歩だった作品(具体的には“21位以下の作品<21点以上>”の欄に掲載された作品)の中から、他のミステリランキング誌ではランクインした作品(「本ミス」は30位以内、「文春」「早ミス」は20位以内)をピックアップしました
「このミス」 ・・・・ このミステリーがすごい!
「本ミス」 ・・・・ 本格ミステリ・ベスト10
「文春」 ・・・・ 週刊文春ミステリーベスト10
「早ミス」 ・・・・ ミステリが読みたい!
* 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
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( このミス:21位、 早ミス:6位、 文春:7位 )
No.381「グラスホッパー」、No.384「マリアビートル」に続く“殺し屋シリーズ”の3作目で、今回は“殺し屋としては超一流も家に帰れば家族思いの恐妻家”という魅力的な主人公により前2作とはまた違った面白さが生み出されています。
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探偵が早すぎる / 井上真偽
( このミス:22位、 本ミス:9位、 早ミス:16位 )
No.864「その可能性はすでに考えた」シリーズが2年連続で高評価を受けた井上真偽の2017年新作は、犯人が犯行を行なう前に探偵がそれを暴いてしまうという、異色で変化球な刺激に満ちていながら本格ミステリとして直球の面白さを味わえる作品となっています。
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( このミス:23位、 本ミス:9位、 早ミス:18位 )
アマチュア作家(当時)の作品ながら年間ベスト選集に収録されたほどに高評価だった表題作を始め、様々な本格ミステリの魅力を一冊で楽しめてしまうという贅沢なノンシリーズ短篇集です。
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この世の春 / 宮部みゆき
( このミス:26位、 文春:9位 )
著者お得意の時代小説でありながら、多重人格やサイコパス犯罪など現代的なサスペンス要素を絡めることで新たな面白さを生み出した、宮部みゆきだからこそ書くことの出来た時代サスペンス作品です。
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( このミス:27位、 本ミス:7位、 早ミス:10位、 文春:12位 )
人気の“匠千暁シリーズ(タック&タカチシリーズ)”7年ぶりとなる待望の新作は、「このミス」以外では全て10位前後にランクインしていることからも評価の高さが窺い知れますね(なぜ「このミス」だけこの順位なのか.....)。
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教場0 刑事指導官・風間公親 / 長岡弘樹
( このミス:29位、 文春:6位 )
「文春」1位&「このミス」2位を始めとして年間ベスト級の評価を受けたNo.667「教場」から続くシリーズの3作目ですが、シリーズ2作目のNo.886「教場2」は全くランキングに絡まなかったので、シリーズ作品としての評価が復活したことが本作の面白さを証明しているのでは。
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名探偵は嘘をつかない / 阿津川辰海
( このミス:30位、 本ミス:3位 )
名前を変えて復活した新人発掘プロジェクト“カッパ・ツー”最初の入選作である本作は、謎やトリックが容赦なく詰め込まれたうえに本格愛も溢れているという、新人ならではの勢いや熱さが感じられる法廷ミステリです。
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僕が殺した人と僕を殺した人 / 東山彰良
( このミス:31位、 文春:15位、 早ミス:15位 )
直木賞受賞作No.829「流」と同様に台湾を舞台とした青春小説でありながら、アメリカで起きた連続殺人事件を絡めることにより、青春小説としても犯罪サスペンスとしても極上の読み味に仕上がっています。
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探偵さえいなければ / 東川篤哉
( このミス:31位、 本ミス:22位 )
“烏賊川市シリーズ”の最新作である本作は、日本推理作家協会賞候補作「ゆるキャラはなぜ殺される」を始めとした、著者お得意のユーモアミステリ集となっています。
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希望が死んだ夜に / 天祢涼
( このミス:34位、 本ミス:29位 )
「このミス」でも「本ミス」でもそこまで順位が高いわけではないものの、これまでの作品が「本ミス」で上位だったとしても「このミス」では1票入るかどうかだった天祢作品だということを考えれば、「このミス」でこの順位というのはかなりの評価とも言えるのでは。
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義経号、北溟を疾る / 辻真先
( このミス:36位、 早ミス:6位 )
歴史小説であり鉄道小説でありミステリ小説であり冒険小説でありと、様々なジャンルの面白さが掛け合わされた、辻真先作品らしい遊び心に溢れた文庫書き下ろし作品です。
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( このミス:40位、 本ミス:18位 )
画家を目指す少年少女が、有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かしていくという、青春美術ミステリです。
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ディレクターズ・カット / 歌野晶午
( このミス:42位、 文春:20位、 本ミス:24位 )
過激なテレビディレクターと殺人鬼が織りなすクライムサスペンス劇は、歌野作品ならではのサプライズも炸裂する衝撃作です。
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