「2018 本格ミステリ・ベスト10」
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「このミス」(このミステリーがすごい!)や「本ミス」(本格ミステリ・ベスト10)にランクインしそうな作品を予想・検討しながらミステリ小説を読んでいる自分にとって、「このミス」「本ミス」が発売されるこの時期は、年末を前にして早くも“一年の総決算”といった心持ちになるのですが、まずは「本ミス」の方が発売に。
ちなみに、最寄りの書店では発売日(7日・木)の前日に店頭に並んでいたので、「このミス」「本ミス」「文春」の結果を同じ日に知る、ということにはなりませんでしたね(「文春」は雑誌が毎週木曜発売なので今年は7日に発表、「このミス」は毎年発売日の2日前にフラゲ販売されるので今年は多分7日が最速売り日)。
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と、ここで「このミス」と「本ミス」の違いを簡単に説明してみますと、「このミス」の対象となるのはミステリー&エンターテイメント小説で、すなわちこんなタイトルに関わらずミステリ作品だけが対象となっているわけではないのに対し、「本ミス」の方はそのタイトル通り、ミステリの中でも“本格ミステリ小説”に限定されたランキングなのです。
なので、同じミステリ本のランキングでもその対象作品は異なるため、それぞれ独自のランキングが作られるので面白いのですが、それ故に「このミス」を予想するのと「本ミス」を予想するのとでは、読むべき作品も微妙に変わってくるのです(それぞれの投票者の好みなんかも違っていますし)。
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よって、これまで「このミス」の予想はしても「本ミス」の予想はしてこなかったのですが、今年こそは(余裕があれば)「本ミス」予想をするのに読み逃せない作品も読み、「本ミス」の予想も出来れば.....と思っていたものの、結局それは叶いませんでした.....。
それでも来年は予想するかもしれないので、反省の意味も込めまして、一体「本ミス」にランクインした作品のうちどのくらい読んでいたのか、そしてもし「本ミス」予想するのであればどの本を読んでいたのだろうか、といったところを、ランキングと共にちょっと見てみたいと思います。
とはいえ、ランクインした作品以上に売れてしまうという超ベストセラーな「このミス」と比べると、「本ミス」の方は知名度も売れ行きもかなりの差があるだろうことから、発売直後にランキングを丸ごと書いてしまうのはやはり躊躇してしまいます。
そのため、作品名等記入したランキングには1ヶ月後くらいに書き替えることにし、とりあえずは事前に読んでいた作品のみ“「このミス」完全読破”の通しNoと当ブログ記事へのリンクを付けるだけにしたいと思います。
なので、書き替えるまでの間は面倒だと思いますが、「このミス」完全読破 読了順リストにて通しNoを照らし合わせたり、感想記事へのリンク先にてご確認ください
* 後日追記:書き換えました
○:事前に読んでいた作品
●:読みたかったけど(期間内に)読めなかった作品
▲:「本ミス」を予想するのであれば必ず読んでいたであろう作品
×:特に読むつもりはなかった作品
* 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページです
01位 : ○ 屍人荘の殺人 / 今村昌弘 <感想記事はこちら>
02位 : ○ 狩人の悪夢 / 有栖川有栖 <感想記事はこちら>
03位 : ▲ 名探偵は嘘をつかない / 阿津川辰海
04位 : ○ ミステリークロック / 貴志祐介 <感想記事はこちら>
05位 : ○ ブルーローズは眠らない / 市川憂人
05位 : ○ 双蛇密室 / 早坂吝 <感想記事はこちら>
07位 : ○ 悪魔を憐れむ / 西澤保彦 <感想記事はこちら>
08位 : ● ホワイトラビット / 伊坂幸太郎
09位 : ○ Y駅発深夜バス / 青木知己 <感想記事はこちら>
09位 : ○ 紅城奇譚 / 鳥飼否宇
11位 : ● 探偵が早すぎる / 井上真偽
11位 : ● いくさの底 / 古処誠二
13位 : ○ ダブル・ミステリ / 芦辺拓 <感想記事はこちら>
14位 : ○ マツリカ・マトリョシカ / 相沢沙呼
14位 : ● 禁じられたジュリエット / 古野まほろ
16位 : ▲ 巨大幽霊マンモス事件 / 二階堂黎人
16位 : ○ いまさら翼といわれても / 米澤穂信 <感想記事はこちら>
18位 : ▲ 彼女の色に届くまで / 似鳥鶏 <感想記事はこちら>
19位 : ● 開化鐵道探偵 / 山本巧次
20位 : ▲ NO推理、NO探偵? / 柾木政宗
21位 : ● T島事件 / 詠坂雄二
22位 : ▲ 探偵さえいなければ / 東川篤哉
23位 : ○ ドローン探偵と世界の終わりの館 / 早坂吝
24位 : ▲ ディレクターズ・カット / 歌野晶午
24位 : ▲ 滑らかな虹 / 十市社
26位 : ○ かがみの孤城 / 辻村深月
27位 : ▲ 賛美せよ、と成功は言った / 石持浅海
28位 : × 岩田賛探偵小説選 / 岩田賛
29位 : × 探偵ファミリーズ / 天祢涼
29位 : ▲ 希望が死んだ夜に / 天祢涼
29位 : × しあわせな死の桜 / 竹本健治
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事前読んでいた作品数を、過去7年と比較してみますと、
> 2010年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→22作品
> 2011年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→21作品
> 2012年版 : ベスト10→6作品、ベスト20→11作品、ベスト30→17作品
*2012年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)
> 2013年版 : ベスト10→5作品、ベスト20→13作品、ベスト30→21作品
> 2014年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→13作品、ベスト30→15作品
*2014年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)
> 2015年版 : ベスト10→7作品、ベスト20→12作品、ベスト30→16作品
*2015年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
> 2016年版 : ベスト10→7作品、ベスト20→14作品、ベスト30→17作品
*2016年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
> 2017年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→13作品、ベスト30→17作品
*2017年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
> 2018年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→11作品、ベスト30→13作品
*2017年版はベスト30が31作品(29位が3作品のため)
というわけで、ベスト10は昨年より同数、ベスト20は昨年から2作減り、ベスト30は昨年から4作減となりました。
ランキングをパッと見た感じでは、“意外な作品がちょこちょこ見受けられる”というよりは“想定内の作品が並んでいる”といった印象だったのですが、事前に読んでいた作品数は(ベスト10は例外として)例年に比べてかなり悪い成績となってしまいました....。
まあこれは、読みたいとは思っていたけれど時間的に余裕がなくて読めなかった作品が多かったってことなのでしょうね。
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内容の方にも触れてみますと、今年は“新本格ミステリ30周年”と題した特集が組まれていまして、その中身は、法月綸太郎・三津田信三・青崎有吾による三世代座談会、市川尚吾(乾くるみの別名義)による「新本格30年の歩み」(代表作の年表付き)、そして“新本格の「映像ミステリ」「日常の謎」「名探偵」「叙述トリック」「後期クイーン的問題」「特殊設定」”それぞれのコラムで構成されています。
そして恒例のインタビューですが、今年は大倉崇裕のみで、昨年までは法月綸太郎が執筆していた「本格ミステリ作家クラブ便り」が、今年は「本格ミステリ作家クラブ通信」と少しだけタイトルを変え、本格ミステリ作家クラブの新会長である東川篤哉が新たに担当することに。
その他のコーナー等は前年と変わりありませんでした。
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