「週刊文春ミステリーベスト10(2017年)」
週刊文春 2017年 12/14 号 [雑誌] 文藝春秋 2017-12-07 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
年末恒例の四大ミステリランキングの一つ、「週刊文春ミステリーベスト10」(以下「文春」)の“ミステリーベスト10 2017年 国内部門”が発表されました。
なお、四大ミステリランキングとは、「文春」、「このミステリーがすごい!」(以下「このミス」)、「本格ミステリ・ベスト10」(以下「本ミス」)、「ミステリが読みたい!」(以下「早ミス」)の4つなのですが、それぞれ発売時期がいい具合にズレています。
具体的に言うと、まずトップバッターの「早ミス」は毎年11月25日に発売される「ミステリマガジン」で発表されるので11月の3週目、「文春」は12月最初の木曜に発売される「週刊文春」で発表されるので12月の1・2週目、「本ミス」は12月の2~5日の間に発売されるので12月の1・2週目、「このミス」は基本的に12月10日発売なので12月の2・3週目に発売と、(「早ミス」を除けば)数日置きにランキングが発表されていました。
しかし今年は、まず文春がカレンダー的に7日(木)が12月最初の「週刊文春」発売日となり、しかも「本ミス」がいつもより遅い7日(木)発売、さらに「このミス」も例年より一日早い9日(土)発売で、ただ毎年発売日の2日前に店頭に並ぶことが多いため早売りは7日(木)と、なんと四大ランキングのうち3つが同日発表となってしまったのです。
まあ実際には「本ミス」が発売日の1日前の6日(水)にフラゲ販売された書店が多いので一日ズレたわけですが、ただやっぱりランキングを一気に知るよりは日にちを置いて少しずつ知っていく方が良いですよね。
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それでこの「文春」は、1977年スタートということで他のランキングよりも歴史が長く(次に長いのが「このミス」で1988年~)、そもそも「このミス」が作られたきっかけの一つが「文春」ランキングに対するアンチテーゼ的役割を担うためだったことからもわかるように、ミステリランキングの絶対的な権威として君臨していた時代がありました。
しかし、「このミス」の知名度が上がるにつれて、いつの間にか権威は「このミス」へと継承され、かといって今度は「文春」が「このミス」のアンチテーゼ的存在になるわけでもなく、結構似通ったランキングになることが多いので、近年の「文春」は中途半端な立ち位置となっている印象があります。
とはいえ、「このミス」と対象期間も対象作品も同じでありながらも、売れっ子作家(東野圭吾等)やヒット作、江戸川乱歩賞受賞作(や受賞作家の作品)に票が集まりやすく、「このミス」と比べてマニア向けの作品に票が入りにくいという、「このミス」とは異なる特徴が見られます。
なので、一般向けのミステリ系ランキングとしては、「このミス」よりも「文春」の方が参考になりそうな感じですね。
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というわけで、今年の「文春」のランキングを見ていきたいのですが、ランクインしたうちのどのくらいの作品を事前に読んでいたのか、といったところもチェックしてみたいと思います。
ただ、昨年までは「週刊文春」発売日の朝にはすでに公式サイトでランキングを公開していたのに、今年は(これを書いている)当日夜になっても公開されていません。
公式サイトでの公開前にランキングを丸ごと書いてしまうのはさすがに躊躇われるので、作品名等記入したランキングには「週刊文春WEB」での公開後に書き替えることにし、とりあえずは事前に読んでいた作品のみ“「このミス」完全読破”の通しNoと当ブログ記事へのリンクを付けるだけにしたいと思います。
なので、書き替えるまでの間は面倒だと思いますが、「このミス」完全読破 読了順リストにて通しNoを照らし合わせたり、感想記事へのリンク先にてご確認ください。
(追記:公式サイトで公開されたので書き換えました)
> 「2017 国内海外 推理小説十傑――ミステリーベスト10 国内編」(週刊文春WEB) 参照
○:事前に読んでいた作品
●:読みたかったけど時間がなくて読めなかった作品
▲:出来れば読みたかったけれど優先順位が低くて読めなかった作品
×:特に読むつもりはなかった作品
タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです
01位 : ○ 屍人荘の殺人 / 今村昌弘 <感想記事はこちら>
02位 : ○ 盤上の向日葵 / 柚月裕子
03位 : ● ホワイトラビット / 伊坂幸太郎
04位 : ○ 狩人の悪夢 / 有栖川有栖 <感想記事はこちら>
04位 : ○ 機龍警察 狼眼殺手 / 月村了衛
06位 : × 教場0 刑事指導官・風間公親 / 長岡弘樹
07位 : ○ AX アックス / 伊坂幸太郎 <感想記事はこちら>
08位 : ○ いまさら翼といわれても / 米澤穂信 <感想記事はこちら>
09位 : ○ この世の春 / 宮部みゆき
10位 : ○ かがみの孤城 / 辻村深月
10位 : ○ ミステリークロック / 貴志祐介 <感想記事はこちら>
12位 : ○ 悪魔を憐れむ / 西澤保彦 <感想記事はこちら>
12位 : ▲ いくさの底 / 古処誠二
12位 : ○ 双蛇密室 / 早坂吝 <感想記事はこちら>
15位 : ○ 僕が殺した人と僕を殺した人 / 東山彰良
16位 : ○ がん消滅の罠 完全寛解の謎 / 岩木一麻 <感想記事はこちら>
16位 : ○ 月の満ち欠け / 佐藤正午
16位 : ▲ マスカレード・ナイト / 東野圭吾
19位 : ▲ 天上の葦 / 太田愛
20位 : ▲ ディレクターズ・カット / 歌野晶午
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今年は四大ミステリランキングの結果が(1位以外)バラバラな感じがあるため、やはりこうして見ると文春らしいランキングとなっていますが、ただここ数年の「このミス」のランキングが何度予想し直してみても的中率が上がることはなさそうなほどに自分との相性が悪くなっているので、「文春」の方が予想しやすそうに感じますね。
とはいえこの「文春」ランキングが発表されるまでに未読だった作品は6作と前年より1作多く、しかもベスト10中2作も読み逃しているので、これは大いに反省しなければなりません.....。
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