『脇坂副署長の長い一日』 真保裕一 > 「このミス」完全読破 No.944
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.944
『脇坂副署長の長い一日』 真保裕一
「このミス」2018年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2017.1.16~ 読終:2017.1.18
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2016年11月>
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賀江出署ではこの日、地元出身のアイドル・桐原もえみが凱旋帰郷して一日署長を務め、これを目当てにファンやマスコミが大勢駆け付けて、県警ナンバー2の幹部や大物代議士などのお偉いさんも出席するなど、署を挙げての一大イベントがおこなわれる予定。
ところがその早朝、県道に大破したバイクが転がっていて、それに乗っていたと思われるのが(インフルエンザのため休んでいたはずの)賀江出署の若手巡査部長で、しかもその巡査部長は現場から姿を消し連絡も取れず.....。
発覚れば署の大不祥事となってしまう緊急事態なため、一日署長のイベントに人員を割かれていることもあり、脇坂副署長が中心となって(マスコミに知られないよう気を使いながら)事件解決に向けて動き出すことになります。
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ただ賀江出署のピンチはこれに終わらず、時間が進むごとに次々と騒動や事件やスキャンダルなどが勃発し続けていきますし、さらには県警の派閥争いが絡んだり、脇坂副署長の家族にも問題が起きるなど、この一日の間に集中していくつもの災難が雪崩れこんできたかのような状況に。
それらに翻弄されつつも事件(騒動)の解決に向けて悪戦苦闘する脇坂副署長を中心に繰り広げられる物語は、事件捜査を通して組織としての警察を描く警察小説としての面白さに、一日という限られた期間において目まぐるしく展開が変わっていくサスペンス的読み味、そしていくつもの事件や騒動の謎が(スッキリというよりは多少ゴチャついた感じはあるものの)見事な集約を見せるミステリ的妙技など、様々なエンタメ要素で演出されていくのですね。
単行本の表紙の印象から“コミカルで手軽に読める警察小説”だと思って読んでしまうと、(意外としっかりとした読み応えの物語なので)表紙と中身の間にギャップを感じてしまうかもしれませんが、ただ読み進めてしまえば“魅力的な謎の連鎖でスピード感を生み出した警察小説”という本作ならではの魅力を堪能できるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
(★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
個人的評価の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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