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2016年12月27日 (火)

『図書館の殺人』 青崎有吾 > 「このミス」完全読破 No.934

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.934

 『図書館の殺人』 青崎有吾

   「このミス」2017年版 : 20位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 2位

   読始:2016.11.14 ~ 読終:2016.11.23

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 電子書籍 <2016年1月>

図書館の殺人図書館の殺人
青崎 有吾

東京創元社 2016-01-29
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 No.729「体育館の殺人」No.761「水族館の殺人」、『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』に続く“裏染天馬シリーズ”の4作目です(長編としては3作目)。

 「本格ミステリ・ベスト10」では本作も含めた全作がトップ10入り(長編に限れば3作共にベスト5入り)と評価が高いものの、「このミス」では前作まで一度もランクイン(20位以内)なしということからも、本格ミステリに特化したシリーズであることがわかりますが、本作でついに「このミス」でも初ランクインとなりました。

 なお、本作からいきなり読んでも問題なく楽しめるとは思うものの、前作までの内容に関わる話題が小ネタ的に出てくるので、そんな場面で置いてきぼりにされたような気分を味わいたくないのであれば1作目から順に読んでいくことをお薦めします。

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 今回の舞台となるのはタイトルからも分かるように図書館で、戸締りされていた閉館後の市立図書館で大学生が殴り殺されていたのが見つかり、二つのダイイングメッセージが残されているなど謎多き事件であることから、今回も警察のアドバイザーとして高校生の裏染天馬が捜査に協力することに。

 アニメオタクでもある裏染天馬を始めとした登場人物たちや彼らのやり取りはコミカルで楽しく、その一方でわずかな物証を基に論理を駆使して真相に迫っていくという本格ミステリとして直球の読み応えも堪能でき、しかも両者が継ぎ目も見えないほどの見事さで融合しているので、このシリーズならではの魅力は健在です。

 ただやはり事件に関わる人間ドラマ部分を濃厚に描いてはいないですし、今回は特に犯行動機の部分に納得できない人が多そうなことから、前作まで以上に好き嫌いが大きく分かれそうな感じがするので、もうこのシリーズは本格ミステリ要素に特化しているんだと強く意識したうえで(ミステリ的論理・推理またはキャラクターたちの掛け合いを楽しもうという気持ちを高めて)読み始めれば、本作から放たれる本格ミステリ的刺激を最大限に味わうことが出来るのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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  > No.1111 「ノッキンオン・ロックドドア」
  > No.1080 「早朝始発の殺風景」(後日更新予定)
  > No.0934 「図書館の殺人」
  > No.0761 「水族館の殺人」
  > No.0729 「体育館の殺人」


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