「2017 本格ミステリ・ベスト10」
2017本格ミステリ・ベスト10 探偵小説研究会 原書房 2016-12-05 売り上げランキング : 383 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「このミス」(このミステリーがすごい!)や「本ミス」(本格ミステリ・ベスト10)にランクインしそうな作品を予想・検討しながらミステリ小説を読んでいる自分にとって、「このミス」「本ミス」が発売されるこの時期は、年末を前にして早くも“一年の総決算”といった心持ちになるのですが、まずは「本ミス」の方が発売となりました。
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と、ここで「このミス」と「本ミス」の違いを簡単に説明してみますと、「このミス」の対象となるのはミステリー&エンターテイメント小説で、すなわちこんなタイトルに関わらずミステリ作品だけが対象となっているわけではないのに対し、「本ミス」の方はそのタイトル通り、ミステリの中でも“本格ミステリ小説”に限定されたランキングなのです。
なので、同じミステリ本のランキングでもその対象作品は異なるため、それぞれ独自のランキングが作られるので面白いのですが、それ故に「このミス」を予想するのと「本ミス」を予想するのとでは、読むべき作品も微妙に変わってくるのです(それぞれの投票者の好みなんかも違っていますし)。
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よって、これまで「このミス」の予想はしても「本ミス」の予想はしてこなかったのですが、今年こそは(余裕があれば)「本ミス」予想をするのに読み逃せない作品も読み、「本ミス」の予想も出来れば.....と思っていたものの、結局それは叶いませんでした.....。
それでも来年は予想するかもしれないので、反省の意味も込めまして、一体「本ミス」にランクインした作品のうちどのくらい読んでいたのか、そしてもし「本ミス」予想するのであればどの本を読んでいたのだろうか、といったところを、ランキングと共にちょっと見てみたいと思います。
とはいえ、ランクインした作品以上に売れてしまうという超ベストセラーな「このミス」と比べると、「本ミス」の方は知名度も売れ行きもかなりの差があるだろうことから、発売直後にランキングを丸ごと書いてしまうのはやはり躊躇してしまいます。
そのため、作品名等記入したランキングには1ヶ月後くらいに書き替えることにし、とりあえずは事前に読んでいた作品のみ“「このミス」完全読破”の通しNoと当ブログ記事へのリンクを付けるだけにしたいと思います。
なので、書き替えるまでの間は面倒だと思いますが、「このミス」完全読破 読了順リストにて通しNoを照らし合わせたり、感想記事へのリンク先にてご確認ください(後日追記:書き換えました)。
○:事前に読んでいた作品
●:読みたかったけど(期間内に)読めなかった作品
▲:「本ミス」を予想するのであれば必ず読んでいたであろう作品
×:特に読むつもりはなかった作品
*:「このミス」対象外(版元が宝島社)の作品
*タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページ
01位 : ○ 聖女の毒杯 / 井上真偽 感想記事はこちら
02位 : ○ 図書館の殺人 / 青崎有吾 感想記事はこちら
03位 : ○ ジェリーフィッシュは凍らない / 市川憂人 感想記事はこちら
04位 : ○ 涙香迷宮 / 竹本健治 <感想記事はこちら>
05位 : ● おやすみ人面瘡 / 白井智之 感想記事はこちら
06位 : ○ 誰も僕を裁けない / 早坂吝 <感想記事はこちら>
07位 : ○ 真実の10メートル手前 / 米澤穂信 <感想記事はこちら>
08位 : ○ 屋上の道化たち / 島田荘司
09位 : ▲ 松谷警部と向島の血 / 平石貴樹
10位 : ○ 倒叙の四季 破られたトリック / 深水黎一郎 感想記事はこちら
11位 : ○ 黒面の狐 / 三津田信三
12位 : ● わたしの隣の王国 / 七河迦南
13位 : ○ 許されようとは思いません / 芦沢央 <感想記事はこちら>
14位 : × 半席 / 青山文平
15位 : ○ 挑戦者たち / 法月綸太郎 <感想記事はこちら>
16位 : ○ ケムール・ミステリー / 谺健二 感想記事はこちら
17位 : ● ノッキンオン・ロックドドア / 青崎有吾
18位 : ○ 静かな炎天 / 若竹七海 <感想記事はこちら>
19位 : × 臨床真実士ユイカの論理 / 古野まほろ
20位 : ▲ アンデッドガール・マーダーファルス1 / 青崎有吾
21位 : × 金田一耕助、パノラマ島へ行く / 芦辺拓
22位 : ● 遠い唇 / 北村薫
23位 : ○ クララ殺し / 小林泰三
24位 : × 帰ってきた腕貫探偵 / 西澤保彦
24位 : ▲ 猫には推理がよく似合う / 深木章子
26位 : ○ わずか一しずくの血 / 連城三紀彦
27位 : × 僕のアバターが斬殺ったのか / 松本英哉
28位 : ○ 希望荘 / 宮部みゆき
29位 : ▲ 月輪先生の犯罪捜査学教室 / 岡田秀文
30位 : ▲ アリス・ザ・ワンダーキラー / 早坂吝
30位 : ○ 十二人の死にたい子どもたち / 冲方丁
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事前読んでいた作品数を、過去7年と比較してみますと、
> 2010年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→22作品
> 2011年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→14作品、ベスト30→21作品
> 2012年版 : ベスト10→6作品、ベスト20→13作品、ベスト30→17作品
*2012年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)
> 2013年版 : ベスト10→5作品、ベスト20→13作品、ベスト30→21作品
> 2014年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→13作品、ベスト30→15作品
*2014年版はベスト20が21作品(20位が2作品のため)
> 2015年版 : ベスト10→7作品、ベスト20→12作品、ベスト30→16作品
*2015年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
> 2016年版 : ベスト10→7作品、ベスト20→14作品、ベスト30→17作品
*2016年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
> 2017年版 : ベスト10→8作品、ベスト20→13作品、ベスト30→17作品
*2017年版はベスト30が31作品(30位が2作品のため)
というわけで、ベスト10は昨年より1作増え、ベスト20は昨年から1作減り、ベスト30は同数ということで、例年とほぼ変わらぬ結果でした。
まあ読み終えていた対象作品数が年々減っていることを考えれば、例年通りの結果というのは上出来だと思うものの、せめて“読みたかったけど(期間内に)読めなかった作品”くらいは読んでおきたいところですね。
あと、ベスト3はいずれも11月下旬というランキング発表ギリギリに読み終えた作品だったので、下手すれば上位3作品を全て読み終えていないという痛恨の失態を演じてしまうところでした.....。
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内容の方にも触れてみますと、今年はなんといっても、20周年記念として『本格ミステリ・ベスト・オブ・ベスト10』が発表されているのが注目でしょう。
これは、本ミス創刊の1997年版(1996年)から2016年版(昨年)の20年にランクインした作品を対象として、回答者が一人5作品を選び(順位付けして)投票してランキングを決定するというものなのですが、「本ミス」らしい顔ぶれの名作がズラリと並んでいるのはやはり壮観です。
それに、今回はランクインした各作品のレビューではなく、各年度ごとに総括を行っているので(各年度ごとに20位までのランキングも記載)、これはもう永久保存版として手元に残しておきたい一冊ですね。
そして恒例のインタビューですが、今年は竹本健治のみで、法月綸太郎による「本格ミステリ作家クラブ便り」も4年連続で掲載されていました。
ちなみに、4年前まで恒例だった「読者ランキング」(ネットで投票を受け付け)は今年も復活とはなりませんでした。
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