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2016年12月 1日 (木)

「週刊文春ミステリーベスト10(2016年)」

週刊文春 2016年 12/8 号 [雑誌]週刊文春 2016年 12/8 号 [雑誌]

文藝春秋 2016-12-01
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 年末恒例の四大ミステリランキングの一つ、「週刊文春ミステリーベスト10」(以下「文春」)の“ミステリーベスト10 2016年 国内部門”が発表されました。

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 この「文春」は、1977年スタートということで他のランキングよりも歴史が長く(次に長いのが「このミス」で1988年~)、そもそも「このミス」が作られたきっかけの一つが「文春」ランキングに対するアンチテーゼ的役割を担うためだったことからもわかるように、ミステリランキングの絶対的な権威として君臨していた時代がありました。

 しかし、「このミス」の知名度が上がるにつれて、いつの間にか権威は「このミス」へと継承され、かといって今度は「文春」「このミス」のアンチテーゼ的存在になるわけでもなく、結構似通ったランキングになることが多いので、近年の「文春」は中途半端な立ち位置となっている印象があります。

 とはいえ、「このミス」と対象期間も対象作品も同じでありながらも、売れっ子作家(東野圭吾等)やヒット作、江戸川乱歩賞受賞作(や受賞作家の作品)に票が集まりやすく、「このミス」と比べてマニア向けの作品に票が入りにくいという、「このミス」とは異なる特徴が見られます。

 なので、一般向けのミステリ系ランキングとしては、「このミス」よりも「文春」の方が参考になりそうな感じですね。

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 というわけで、今年の「文春」のランキングを見ていきたいのですが、ランクインしたうちのどのくらいの作品を事前に読んでいたのか、といったところもチェックしてみたいと思います。

 > 「ミステリーベスト10 2016年 国内部門」(週刊文春WEB) 参照

 ○:事前に読んでいた作品
 ●:読みたかったけど読めなかった作品
 ×:特に読むつもりはなかった作品

 タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです

  01位 : ○ 罪の声 / 塩田武士  <感想記事はこちら>
  02位 : ○ 真実の10メートル手前 / 米澤穂信  <感想記事はこちら>
  03位 : ○ 涙香迷宮 / 竹本健治  <感想記事はこちら>
  04位 : ○ 希望荘 / 宮部みゆき
  05位 : ○ ジェリーフィッシュは凍らない / 市川憂人  <感想記事はこちら>

  06位 : ○ 暗幕のゲルニカ / 原田マハ
  07位 : ○ 許されようとは思いません / 芦沢央  <感想記事はこちら>
  08位 : ○ 屋上の道化たち / 島田荘司
  09位 : ● 望み / 雫井脩介
  10位 : ○ 聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた / 井上真偽  <感想記事はこちら>

  11位 : ○ 静かな炎天 / 若竹七海  <感想記事はこちら>
  12位 : ○ リボルバー・リリー / 長浦京  <感想記事はこちら>
  13位 : ○ QJKJQ / 佐藤究  <感想記事はこちら>
  14位 : ○ 黒面の狐 / 三津田信三
  15位 : ● 遠い唇 / 北村薫

  16位 : ○ 挑戦者たち / 法月綸太郎  <感想記事はこちら>
  17位 : ● ガラパゴス(上・下) / 相場英雄
  18位 : ○ 誰も僕を裁けない / 早坂吝  <感想記事はこちら>
  19位 : ● 慈雨 / 柚月裕子
  20位 : × 半席 / 青山文平

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 これを書いている時点では「このミス」発売前なので、すでに発表されている「ミステリが読みたい!(早ミス)」と比較してみますと、例年だと順位や顔ぶれに違いが出るとはいえ特に上位陣などはそこまで変わりがなかったのですが、今年は両誌でベスト10入りしたのが4作のみで(昨年は7作)、「文春」の1位作品が「早ミス」ではベスト10外(12位)、「文春」の6位作品が「早ミス」では1票も入らず、逆に「早ミス」で2作同時ベスト10入りを果たした宮内悠介作品が「文春」ではどちらもベスト20外に。

 このことからも、今年は本命不在の超混戦状態だったことがうかがえますし、こうなってくると来週に発表される「本格ミステリ・ベスト10(本ミス)」「このミス」の結果がどのようになるのか予測が付きませんねェ。

 そして、この「文春」ランキングが発表されるまでに未読だった作品は5作ということで、昨年の2作より大幅アップとなってしまいましたが、ただ昨年が良すぎただけでまあ例年通りの結果でしたね。

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