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2016年10月25日 (火)

『QJKJQ』 佐藤究 > 「このミス」完全読破 No.921

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.921

 『QJKJQ』 佐藤究

   「このミス」2017年版 : 54位

   受賞(候補) : 「江戸川乱歩賞」受賞

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 13位

   読始:2016.10.15 ~ 読終:2016.10.16

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2016年8月>

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佐藤 究

講談社 2016-08-09
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 女子高生である主人公が殺人を犯す場面から始まるのですが、実はこの主人公だけでなく父も、母も、兄も殺人鬼、つまりは猟奇殺人鬼一家なのです。

 この一家にある日突然一大事が起きまして、兄が自宅で何者かに惨殺され、さらに母が行方不明に。

 そこで主人公がこの事件の謎を探り出し始めるため、猟奇殺人鬼(主人公)による“被害者が猟奇殺人鬼(兄)である事件の犯人(猟奇殺人鬼?)探し”が繰り広げられることになるのですね。

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 そんな奇妙な犯人探しはいつしか主人公のルーツ探し的方向にも進み始め、さらには精神分析・脳科学・遺伝子などを基にした“殺人(殺人鬼)の研究”が主題の一つになるなど、一筋縄ではいかない展開となっていきます。

 なので、王道的なミステリ・サスペンス作品や従来の乱歩賞受賞作のようなタイプとは少々異なり、読み応えある物語性を期待してしまうと物足りなく感じてしまうかもしれませんが、むしろメフィスト賞に通ずるような異色さや捻くれた読み味があると思うので、そういった部分を期待して読んでみてはいかがでしょうか。

 なお、巻末に掲載されている乱歩賞の選評を見ると、この作品の受賞の可否よりも“作風が小説として新しいのかどうか(乱歩賞としては新しいけれど小説全体として見ると新しいといえるのか否か?)”で選考委員の意見が真っ二つに別れているので、そんな所を意識しながら読んでみても面白いかもしれませんね(選評はネタバレっぽい部分があるので本編読了後に目を通すことをお薦めします)。


> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  個人的評価の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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