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2016年7月17日 (日)

『竜と流木』 篠田節子 > 「このミス」完全読破 No.896

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.896

 『竜と流木』 篠田節子

   「このミス」2017年版 : 73位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2016.7.12 ~ 読終:2016.7.12

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2016年5月>

竜と流木竜と流木
篠田 節子

講談社 2016-05-25
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 子供時代には軍人だった父の休暇シーズンが訪れると太平洋上にあるメガロ・タタ島で過ごし、その近隣のミクロ・タタ島の淡水の泉にのみ棲息する可愛らしい容姿の両生類「ウアブ」に魅入られていた、西洋人と日本人のハーフであるジョージ。

 大人になってからも、一年の半分を東京で語学学校の英会話講師をして生活費を稼ぎつつ、もう半年はウアブの研究者としてミクロ・タタ島や(ウアブを飼っている)グァムの実家でウアブの飼育と研究を行なう生活を送ることに。

 そんなある日、ミクロ・タタ島の淡水の泉が干上がることになったため、ジョージは他のウアブ愛好家や生物学者らと“ウアブ保護クラブ”を結成し、メガロ・タタ島のリゾートホテル近くの池に移すことで保護に成功。

 しかし、それからしばらく後にウアブがほぼ全滅してしまい、再び繁殖したものの、その頃から島の住民が正体不明のトカゲのような生き物に襲われる事件が立て続けに起き始めて.....。

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 というわけで本作は、生物パニックサスペンス作品です。

 ここからは、謎の生物による被害が人の死に関わるほど大きくなって島中に広がっていき、ジョージたちもこの騒動に巻き込まれながら謎のトカゲの正体を探りつつ対策を練っていくのですが、謎の生物に襲われる描写や徐々に被害が拡大していく展開はまさに恐ろしく、それに立ち向かっていくジョージたちの奮闘劇も作中にのめり込んでしまうほどの魅力がありました。

 その一方で、“現代社会への警告”的な社会派なメッセージ性も込められているので物語に厚みをもたらしていますし、それでいてメッセージ性を変に浮き立たせることなく(パニックサスペンス劇の中へ自然に浸透させて)エンタメ小説としての面白さを損なわせてはいない(どころかより増している)ので、そんなエンタメ要素と社会派要素との見事な融合はさすがですね。

 意外性があったり興味を惹かれるような謎や、圧倒されてしまうほどに迫力溢れる演出があるわけではないので、そういった要素や大作感を味わいたくて読んでしまうと物足りなさを感じてしまうかもしれませんが、エンタメ作品としてシンプルでストレートながら単純に楽しむことの出来る魅力があるので、気になっているのであればB級ながら評価が高めのパニック系映画を観るような感じで読んでみてはいかがでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


 ☆☆☆☆★ : 本格ミステリ度
 ☆☆☆★★ : ビックリ驚愕度
 ★★★★ : 熱アクション度
 ☆☆☆★★ : 鬼畜グログロ度
 ☆☆☆★★ : 主キャラ魅力度
 ☆☆★★★ : 人間味ドラマ度
 ☆☆☆★★ : 感涙ウルウル度
 ☆☆☆★★ : 下ネタエッチ度
 ☆☆★★★ : 衝撃バカミス度
 ☆☆★★★ : 気軽に読める度

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  <個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “篠田節子” 関連記事 】

  > No.896 「竜と流木」

  > No.836 「インドクリスタル」
  > No.693 「ブラックボックス」
  > No.409 「廃院のミカエル」
  > No.213 「薄暮(沈黙の画布)」
  > No.159 「仮想儀礼」


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