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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.879
『怪奇探偵リジー&クリスタル』 山本弘
「このミス」2017年版 : 127位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2016.4.18~ 読終:2016.4.19
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2015年12月>
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山本弘は、雑誌デビューからもうすぐ40年を迎えようというベテラン作家です。
デビュー当初はライトノベルやテーブルトークRPGなどの媒体でファンタジー系作品を中心に手掛け、トンデモ本やトンデモ物件を品評することを目的とした“と学会”の初代会長を務めるなどしていました。
そして次第に本格的なSF作品を発表するようになり、『去年はいい年になるだろう』で星雲賞を受賞し、『神は沈黙せず』『アイの物語』『MM9』が日本SF大賞の候補に、『神は沈黙せず』『アイの物語』『MM9』『地球移動作戦』『去年はいい年になるだろう』が“SFが読みたい!”のベストSFで6位以内にランクインと、SF作家として高い評価を受け続けています。
その一方で、初の本格的なミステリ作品である『僕の光輝く世界』がいきなり本格ミステリ大賞の候補となるなど、SFの枠を超えたジャンルでも注目の作家なのですね。
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というわけで本作ですが、「まっぷたつの美女」「二千七百秒の牢獄」「ペンドラゴンの瓶」「軽はずみな旅行者」「異空の凶獣」の5話からなる(連作に近い形の)シリーズ短編集です。
舞台となるのは1938年のロサンゼルスで、オシャレ好きでルーズな性格の探偵エリザベス・コルト(通称リジー)と、野暮な見た目でSFオタクな助手クリスタル・ナイトの対称的なコンビが、依頼された事件の謎に挑んでいきます。
ただその“事件”や“事件の謎”というのが奇妙で奇怪で異常なモノばかりですし、実は主人公コンビ自身にも奇妙で奇怪な秘密があったりもするので、いかにもパルプ・マガジンといった感じの怪しく魅惑的な雰囲気が作品全体を覆っているのです。
そこにさらに、SF・ホラー・特撮・怪物など著者の得意分野ともいうべき要素が(話が進んでいくごとに)手加減なくぶち込まれていくことで、山本弘作品ならでは(だからこそ)の魅力が贅沢なまでにたっぷりと詰め込まれた探偵小説が形作られているのですね。
なので、ミステリやハードボイルド要素の強い探偵小説を期待してしまうと“これじゃない感”を覚えてしまうかもしれませんが、(B級SF的な部分で好みが分かれるかもしれないものの)ただ単純に楽しむことが出来る娯楽エンタメ作品となっているので、好きな人なら(本の装丁も含めて)偏愛するほどにお気に入りの書となるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
☆☆☆★★ : 本格ミステリ度
☆☆★★★ : ビックリ驚愕度
☆★★★★ : 熱アクション度
☆☆★★★ : 鬼畜グログロ度
☆★★★★ : 主キャラ魅力度
☆☆☆★★ : 人間味ドラマ度
☆☆☆★★ : 感涙ウルウル度
☆☆☆★★ : 下ネタエッチ度
☆★★★★ : 衝撃バカミス度
☆☆★★★ : 気軽に読める度
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
(★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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