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2016年1月23日 (土)

『罪人よやすらかに眠れ』 石持浅海 > 「このミス」完全読破 No.869

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.869

 『罪人(つみびと)よやすらかに眠れ』 石持浅海

   「このミス」2017年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2016.1.20~ 読終:2016.1.20

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2015年11月>

罪人よやすらかに眠れ罪人よやすらかに眠れ
石持 浅海

KADOKAWA/角川書店 2015-12-02
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 石持浅海は、兼業作家でありながら毎年数多くの新作を発表していて、近年でも2012年~2014年の3年間はいずれも4作の新作を発売しています(3ヶ月に1作のペース)。

 しかし昨年(2015年)は、1月~9月の間に新作が全く発売されないという、著者としては異例ともいえる状況となっていました。

 それでも10月に『凪の司祭』、そして11月に本作と、結局は年内に新作を2作発売しているので、これまでと比べてしまえば少なく感じてしまうものの他のミステリ作家と比べればやはり多作なことに変わりないですね。

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 というわけで本作は、「さいしょの客 友人と、その恋人」「2人めの客 はじめての一人旅」「3人めの客 徘徊と彷徨」「4人めの客 懐かしい友だち」「5人めの客 待ち人来たらず」「さいごの客 今度こそ、さよなら」を収録した連作集です。

 舞台となるのは北海道札幌市にある中島公園の近くに建つ大きな館で、ここには他人から見ると家族関係がわかりにくい謎めいた住民たちが生活しています。

 そして、現在困った状況に陥っている人たちが(まるで何らかの力に導かれるかのように)不思議とこの館の前へとたどり着き、館の住民がそんな人たちを助けるために館の中へと招くことに。

 そんな(この館に招かれる)客たちというのが、実はいずれもが何かしらの(他人に隠していたり本人も自覚していなかったりする)“業”を抱えていまして、住民の一人である美麗な青年・北良が何気ない会話の中で得たわずかなヒントを基に推理し、その業の正体を見事に浮かび上げてしまうのですね。

 石持作品としては刺激や衝撃は控えめですし、各章で繰り広げられる展開はある程度パターン化していて、すらすらと読めるライトな作風なので、ガッツリとした読み応えの物語やミステリ要素を期待してしまうとあまり満足できないかもしれません。

 ただ、強引さと繊細さとが歪に入り混じったロジック系推理劇や、不安で落ち着かない気持ちにさせられてしまう毒気を含んだ読後感など、石持作品らしい読み味が絶妙なスパイスとなって物語に魅惑的な味を付けているので、(傑作や大作を期待して読むよりは)石持流ライトミステリを気軽に楽しむつもりで読んでみた方が本作の魅力を最良の状態で堪能できるのではないでしょうか。


> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


 ★★★★ : 本格ミステリ度
 ☆☆☆★★ : ビックリ驚愕度
 ☆☆☆☆★ : 熱アクション度
 ☆☆☆★★ : 鬼畜グログロ度
 ☆☆★★★ : 主キャラ魅力度
 ☆☆☆★★ : 人間味ドラマ度
 ☆☆☆★★ : 感涙ウルウル度
 ☆☆☆★★ : 下ネタエッチ度
 ☆☆★★★ : 衝撃バカミス度
 ★★★★ : 気軽に読める度

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
   (★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
  <個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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  > No.383 「見えない復讐」
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  > No.293 「君がいなくても平気」

  > No.112 「耳をふさいで夜を走る」
  > No.091 「君の望む死に方」
  > No.089 「心臓と左手 座間味くんの推理」
  > No.070 「月の扉」
  > No.037 「扉は閉ざされたまま」


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