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2015年12月14日 (月)

「このミス2016年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>

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『このミステリーがすごい!』編集部

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 前回は「このミス2016年版」ランキング(順位)予想の反省を<総論編><各論編>の2回に分けて書いてみましたが、今回は、“「このミス2016年版」にランクインしそうな対象作品を予測し事前に読むこと”自体の反省を行う「「このミス2016年版」ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」を書いてみたいと思います。

 と、その前に説明を加えますと、「このミス」の予想をするにあたって、自分が読んだ作品のみをその対象としました。

 つまり、“ランクインしそうだな~”と思っていても読んでいなければ予想に入れていないので、“事前に読んだか読んでいないか”というのは、予想するのにとても重要になってくるわけなのですね。

 なので、それに対する反省も、来年の予想の的中率を高めるためには、非常に重要となるのです。

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 それではまず、「2016年版」で20位以内にランクインした22作品のうち、どのくらいの作品を事前に読んでいたのか、見てみましょう。

 ○:事前に読んでいた作品
 ▲:チェックしていたけど読めなかった作品
 ■:チェックしていたけど、入らないだろうと思って読まなかった作品
 ×:全くノーマークだった作品

 * タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページ

  01位 : ○ 王とサーカス / 米澤穂信  <感想記事はこちら> 
  02位 : ▲ 戦場のコックたち / 深緑野分  <感想記事はこちら>
  03位 : ○ 孤狼の血 / 柚月裕子  <感想記事はこちら>
  04位 : ○ さよならの手口 / 若竹七海  <感想記事はこちら>
  05位 : ○ / 東山彰良  <感想記事はこちら>

  06位 : ○ ミステリー・アリーナ / 深水黎一郎  <感想記事はこちら>
  07位 : ○ 片桐大三郎とXYZの悲劇 / 倉知淳  <感想記事はこちら>
  08位 : ○ 鍵の掛かった男 / 有栖川有栖  <感想記事はこちら>
  09位 : ○ 血の弔旗 / 藤田宜永  <感想記事はこちら>
  10位 : ○ オルゴーリェンヌ / 北山猛邦  <感想記事はこちら>

  11位 : ○ 鳩の撃退法 / 佐藤正午  <感想記事はこちら>
  12位 : ○ 影の中の影 / 月村了衛  <感想記事はこちら>
  13位 : ▲ 死と砂時計 / 鳥飼否宇  <感想記事はこちら>
  14位 : ▲ その可能性はすでに考えた / 井上真偽  <感想記事はこちら>
  15位 : ○ 生還者 / 下村敦史  <感想記事はこちら>

  16位 : ▲ 東京結合人間 / 白井智之
  17位 : ○ フィルムノワール/黒色影片 / 矢作俊彦  <感想記事はこちら>
  18位 : ○ 新しい十五匹のネズミのフライ / 島田荘司
  19位 : ○ キャプテンサンダーボルト / 阿部和重 伊坂幸太郎  <感想記事はこちら>
  19位 : ○ 赤い博物館 / 大山誠一郎
  19位 : ○ 黒野葉月は鳥籠で眠らない / 織守きょうや  <感想記事はこちら>
  19位 : ○ 犬の掟 / 佐々木譲

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 というわけで今年の読み逃しは4作品でした。

 2009年版が8作、2010年版が4作、2011年版が6作、2012年版が4作、2013年版が2作、2014年版が3作、そして昨年の2015年版が5作の読み逃しだったので、まあ多くも少なくもない平均的な結果でしたね。

 ただ、4作中2作は(予想するまでには読み終えることが出来なかったものの)「このミス」のランキングが発表される前に読み終えていましたし、残りの2作も読む時間さえあれば確実に読んでいたと思うので、4作共に“ランクインしたならそれはそれで仕方なし”と考えていた作品でした。

 それに、2010年版以降における“予想するまでに読み終えていた対象作品数”は順に104作→105作→69作→84作→80作→65作と来て今年は58作と年々減っていることと、今年は19位が4作品で並んでいたためベスト20が例年より2作も多かったことを考えれば、4作外しという結果もそれほど悪くなかったのではないでしょうか。

 それでも読む本選びさえ的確であればもっと読み逃し作品数を減らすことはできましたし、来年以降もパーフェクトを目標とすることには変わりないので、4作品を何故に読み逃してしまったのかをきちんと検証して、来年の「このミステリーがすごい!2017年版」で“ランキング発表前にランクイン全作品読破済み”の達成に少しでも役立たせてみましょう。

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 まず「▲:チェックしていたけど読めなかった作品」ですが、今年は「戦場のコックたち」(深緑野分)、「死と砂時計」(鳥飼否宇)、「その可能性はすでに考えた」(井上真偽)、「東京結合人間」(白井智之)の4作。


 「戦場のコックたち」は、予想するまでに読むことが出来なかったものの、ランキングとは関係なしに読むつもりでいて、実際に「このミス」発売前(ランキングが分かるより前)に読み終えていました。

 ちなみに、2位に入った「ミステリが読みたい!」のランキングが発表された直後に読み始めたのですが、その前からすでに入手済みではありました。

 予想するまでに読めなかった理由としましては、発売時期の影響もあってか「このミス」で惜しくもランクインならなかったデビュー作『オーブランの少女』を(シリーズ前作というわけではないのだけれど)先に読んでおきたいなと考えていたことと、“日常の謎”の部分を強調して紹介されていたことからあまり「このミス」等で票が集まるタイプではないかなと思ったことが大きかったですね(実際に読んでみたら驚くほどに「このミス」向きのタイプでした)。


 「死と砂時計」も予想するまでに読めなかったけれど「このミス」発売までに読み終えていて、やはりベスト10入りした「ミステリが読みたい!」のランキング発表前から手元にありました。

 それではなぜに予想するまでに読まなかったのかといえば、まあ他の本を優先していたら読む時間がなかったというのが大きな理由ですが、どちらかといえば「このミス」より「本格ミステリ・ベスト10」向きかなと思ったのと、読みたかった鳥飼作品が他にNo.861「絶望的 寄生クラブ」もあった(そしてどちらかといえばシリーズ前作が面白かったので『絶望的』の方が読みたい気持ちが強かった)のも優先順位が下がってしまった原因かもしれません。


 「その可能性はすでに考えた」は、今年デビューした新人作家の2作目ながら評判が結構良かったですし、タイトルが全てを表すようなその魅力的な内容にも興味を持っていたので、読みたい気持ちは強かったです。

 ただ、今年は同じ“多重解決ミステリ”タイプでは傑作No.837「ミステリー・アリーナ」(深水黎一郎)がありましたし、さらに昨年のデビュー作「○○○○○○○○殺人事件」が高い評価を受けた早坂吝のデビュー2作目No.823「虹の歯ブラシ」も“多重解決ミステリ”の要素があったので、それらと比べられてしまうとさすがに厳しいのではないかと思って、読む優先順位を下げてしまったのです.....。


 「東京結合人間」は、昨年発売の『人間の顔は食べづらい』が(デビュー作としては)発売時期的に不利だったこともあってかランクインという結果はなかったものの一部で評価が高かったですし、そのデビュー作も本作も「このミス」で好まれそうな作風(内容)のようだったので、時間さえあれば読みたいと思っていました。

 しかしこれも『戦場のコックたち』と同じく(シリーズものではないけれど)出来るだけデビュー作から順番に読んでいきたいと考えていたので、読む優先順位が下がってしまったのですよね。

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 そして「■:チェックしていたけど、入らないだろうと思って読まなかった作品」「×:全くノーマークだった作品」ですが、今年はどちらも当てはまる作品がありませんでした。


 ちなみに、今年も「このミス2016年版」投票者なりきりベスト6という企画用に「このミス2016年版」対象作品の中から120作激選リストを作りまして、昨年は「このミス」「本格ミステリ・ベスト10」「週刊文春ミステリー・ベスト10」「ミステリが読みたい!」で20位以内に入った作品のうち「このミス」20位の『イノセント・デイズ』が抜けてしまったのですが、今年は全てのランクイン作品を載せることに成功しました(「本ミス」の21~30位の中には抜けがありましたが.....)。

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 以上の反省を踏まえたうえでの来年に向けた対策・秘策としては、いつも書いているように“8月までに発売された有力候補作品はなるべく8月までに読み終え、9~10月は発売直後の候補作品をなるべく多く読み漁るべき”なのと、あとは(シリーズものでないならば)無理してデビュー作から順に読もうとしなくてもよい、といったところでしょうか。


 というわけで今年も3回に渡って反省してみましたが、年々対象作品を読む数が減って来ているので、読む本を選ぶ精度をさらに上げて、予想の方も的中率を上げたいですね。

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