『槐(エンジュ)』 月村了衛 > 「このミス」完全読破 No.821
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.821
『槐(エンジュ)』 月村了衛
「このミス」2016年版 : 23位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2015.6.13~ 読終:2015.6.20
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2015年3月>
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月村了衛といえば、今では“機龍警察シリーズ”が代名詞的で、昨年(2014年)に発売されたシリーズ4作目No.722「機龍警察 未亡旅団」も当然の如く「このミス」でベスト5入りした他、「ベストSF2014」で6位、「週刊文春ミステリーベスト10」で9位、「ミステリが読みたい!」で12位と、軒並み(前作までと変わらずの)高いランキング結果となりました。
ただ昨年は、もう一つの新作No.782「土漠の花」も「このミス」で6位となり2作同時ベスト10入りを果たした他、「本屋大賞」で5位、「週刊文春ミステリーベスト10」で15位にランクインし、さらには日本推理作家協会賞を受賞するなど、“機龍警察シリーズ”に負けず劣らずの評価を受けたのです。
なので、エンタメ系の中で今一番勢いのある作家だと思いますし、最近廃れつつある冒険小説復活の担い手としての期待を一身に浴びる存在でもあるのですね。
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中学生の弓原公一たち野外活動部が夏休み恒例のキャンプを行なうために山奥のキャンプ場へとやって来たところ、そこに半グレ集団・関帝連合の面々が武装して集合し、キャンプ場にいた人々を見境なく次々と襲撃。
この突然の虐殺劇に対し、一般人である弓原たちは成すすべなくやられる一方であるものの、それでも懸命に生き延びようと知恵を絞って勇気ある作戦を試みますし、実は弓原の側にこんな状況にも慣れ親しんだ戦士のような人物が隠れていたため、半グレ集団に対し逃げるだけでなく効果的な反撃も行っていくのです。
そんな逃亡・反撃戦が大迫力で描かれていくのですが、半グレ集団側にも連合内で対立するグループよりも先にこのキャンプ場に隠された四十億円を探し出さないといけないという事情があり、しかもその対立グループが凶悪な助っ人を引き連れて今まさにやって来ようとしているため、迫力の度合いも時間が過ぎていくと共に増していくのですね。
そのため、バトル・アクション・サスペンスなどの要素が全開で繰り広げられますし、そんな中でベタ過ぎる展開なんだけれど(わかっていながら)心を揺さぶらされてしまうようなエピソードも盛り込まれているので、読めばエンタメ冒険アクション小説の魅力をこれ以上ないくらいに堪能できると思います。
ただ、アフリカの地で自衛隊が襲撃され逃亡劇・迎撃戦を行なう『土漠の花』(の自然な設定)と比べると、現代の日本を舞台に大虐殺&反撃戦が行われる本作は設定的に若干違和感を覚えてしまうかもしれないので、そこら辺はあまり気にせずに読むのが良いのでは。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
(★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
【 “月村了衛”関連記事 】
> No.1077 「悪の五輪」
> No.1051 「東京輪舞」(後日更新予定)
> No.0994 「機龍警察 狼眼殺手」(後日更新予定)
> No.1001 「機龍警察 火宅」
> No.0972 「追想の探偵」
> No.0909 「水戸黄門 天下の副編集長」(後日更新予定)
> No.0880 「ガンルージュ」
> No.0844 「影の中の影」
> No.0821 「槐(エンジュ)」
> No.0782 「土漠の花」
> No.0777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
> No.0722 「機龍警察 未亡旅団」
> No.0586 「機龍警察 暗黒市場」
> No.0492 「機龍警察 自爆条項」
> No.0390 「機龍警察」
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