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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.839
『メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官』 川瀬七緒
「このミス」2016年版 : 52位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2015.9.16~ 読終:2015.9.20
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2015年10月>
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No.578「147ヘルツの警鐘(法医昆虫学捜査官)」、No.737「シンクロニシティ」、No.774「水底の棘」に続く“法医昆虫学捜査官シリーズ”の4作目です。
1作目こそ「このミス」で2票入ったのみ(57位)だったものの、2作目が次点(21位)、3作目が36位と、ランクインまでは至らずも安定して票を集めるシリーズとなっています。
そしてやはりシリーズものということで1作目から順に読むのが良いとは思いますが、前作までのネタバレはないですし、登場人物たちの関係性や法医昆虫学捜査についてなど分かりやすく説明されているので、本作から読んでも問題ないでしょう。
ちなみに、「このミス」の締め切りギリギリである10月発売ということもあって(なるべく余裕があるうちに読んでおきたいと思い)読者モニターに応募してみたら当選したため、発売の1ヶ月前にプルーフ版にて読了していました。
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このシリーズについて簡単に説明してみますと、警視庁の刑事・岩楯裕也が昆虫学者・赤堀涼子の協力を得て、死体やその発見現場周囲に生息するハエやウジなどの虫をヒントに事件の真相へと迫っていく異色の事件捜査サスペンスです。
今回の特徴としましては、バラバラ死体の発見現場や捜査の範囲、容疑者の移住地など、作中舞台のほとんどが東京郊外にある山村とその周囲の山中となっていることで、そんな本格ミステリを思わすような舞台設定により前作までとはまた違った雰囲気が作られていました。
そしてこのシリーズ作品の目玉ともいえる法医昆虫学を活用した捜査場面ですが、今回はある程度限定された範囲内(山の中)で、わずかな手掛り(ヒント)を基に謎を解いていき、自然の中で悪戦苦闘しながら目的地を目指すということで、法医昆虫学捜査としての魅力が今まで以上にわかりやすく伝わってきましたし、このドキドキワクワク感はまるで冒険的宝探しのような面白さでした(ただしヒントはウジやハエで、宝物は腐乱死体なのですが.....)。
そんな法医昆虫学捜査を象徴するような場面以外でもコミカルさを交えながら熱くて迫力ある捜査劇が繰り広げられていくため、虫を利用した捜査や赤堀先生のキャラクターなど異色な要素が満載なのに捜査ミステリ&サスペンスとしての読み応えは驚くほど直球で、このシリーズならではの魅力を今回も存分に堪能できると思います。
さらに、終盤ではそんな魅力溢れる捜査シーンを圧倒してしまうほどの刺激的な真相に思わず戦慄してしまったりもするので、シリーズ作品として円熟の域に達して来たな~としみじみと感じてしまうほどに心から楽しむことが出来ました。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
(★の数が少なくても面白くなかったということではありません)
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
【 “川瀬七緒”関連記事 】
> No.839 「メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官」
> No.774 「水底の棘 法医昆虫学捜査官」
> No.740 「桃ノ木坂互助会」
> No.737 「シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官」
> No.578 「147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官」
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