『ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~』 三上延 > 「このミス」完全読破 No.835
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.835
『ビブリア古書堂の事件手帖6 ~栞子さんと巡るさだめ~』 三上延
「このミス」2016年版 : 73位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
(小説ランキング) 11位
読始:2015.9.1~ 読終:2015.9.2
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 文庫本 <2014年12月>
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No.493「ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~」
No.554「ビブリア古書堂の事件手帖2 ~栞子さんと謎めく日常~」
No.559「ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~」
No.631「ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~」
No.718「ビブリア古書堂の事件手帖5 ~栞子さんと繋がりの時~」
に続く、“ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ”の6作目です。
言わずと知れた大ヒットシリーズですが、刊行開始当初には自作がヒットしただけでなく同系ジャンルの一大ブームを引き起こしたほどの大ブレイクだったので、普通であれば(一発屋のような感じで)人気の終息もあっという間となり巻数が増えるごとに存在感が薄れてしまうのが世の常です。
ただこのシリーズは巻を重ねても勢いが減少しないばかりかより一層盛り上がりを促していますし、4作目にして「このミス」初ランクインを果たすなどミステリ作品としての評価も受けているので、そんな所からも破格なシリーズであることがわかりますね。
なおこのシリーズは、シリーズ全体を通しての物語展開が重要となっていますし、今回は特に以前の巻に登場した重要人物やエピソードと強く結び付いているため、1作目から順に読んでいくことをお薦めします。
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そしてこのシリーズは章ごとに取り上げられる作品や作家が異なる連作形式が基本なのですが、今回は4作目に続いて(シリーズ2作目となる)長編形式となっています。
今回1冊を通して取り扱われる作家は太宰治で、北鎌倉にある古書店で働く栞子さん&大輔は、2人と因縁深い関係にある人物に(その人物の祖父がかつて所有していた)太宰治『晩年』の初版本の捜索を依頼されることに。
そこで2人は少ない手がかりを基に関係者と会うなどして『晩年』初版本の行方を探るのですが、調査を進めていくごとに新たな謎が生まれて物語が大きく膨らんでいくところなど長編ならではの面白さですし、そんないくつもの謎を辿っていくことで真相へと導かれていく構成や、そこに古書(今回は太宰治の作品)の謎や蘊蓄を絡めるなど、このシリーズならではのミステリ的な魅力も健在です。
前回の長編作品(4作目)が古書(江戸川乱歩の作品)の謎解きを物語の謎解きに上手く絶妙に融合させていたのと比べると、今回は古書自体の謎解きよりも“古書が介在する人間関係”の謎解きの方に重点が置かれている印象でしたが、その分シリーズを通しての物語に厚みや凄みが生み出されていたので、このシリーズに思い入れのある人ほど衝撃を受け圧倒されてしまうのではないでしょうか。
ただそんな“ビブリアシリーズ”も、本作のあとがきによると次かその次の巻で完結するようなので、次巻の発売が楽しみなんだけど早く終わりが来てしまうのは寂しいという複雑な気持ちになってしまいますね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 .: ★★ .感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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