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2015年8月14日 (金)

『流』 東山彰良 > 「このミス」完全読破 No.829

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.829

 『流』 東山彰良

   「このミス」2016年版 : 5位

   受賞(候補) : 「直木三十五賞」受賞

   総合ランキング : 「SUGOI JAPAN Award 2016」 ノミネート

   年度ランキング : 「週刊文春ミステリーベスト10」 2位
              「ミステリが読みたい!」 4位
              「キノベス!」 4位
              「Twitter文学賞」 5位
              「本屋大賞」 8位
              「ダ・ヴィンチ BOOK OF THE YEAR」
                 (小説ランキング) 12位

   読始:2015.8.11~ 読終:2015.8.12

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2015年5月>

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東山 彰良

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 東山彰良は、第1回の“「このミステリーがすごい!」大賞”(銀賞)を受賞した『逃亡作法 TURD ON THE RUN』でデビューし、No.176「ジョニー・ザ・ラビット」が「このミス」2010年版で13位となり“「このミス」大賞”出身作家として初ランクイン。

 さらに2014年版ではNo.689「ブラックライダー」が3位にランクインするなど「このミス」では注目度の高い作家でしたが、本作で直木賞を受賞したことにより一躍一般的にも名の知れた存在となりました。

 とはいえ、(同時に発表された)芥川賞を受賞した芸人・又吉直樹(ピース)の『火花』に話題性では完全に持っていかれたものの、本作の方も近年では例のない“最初の投票から選考委員全員(9名)が○評価”となるなど、かなり高い評価を受けた文句なしの受賞だったのですね。

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 主人公は台湾に住む葉秋生(イエ チョウシェン)で、高等中学校に通う17歳時(1975年)以降の青春物語が描かれていきます。

 当時の台湾というのは、(中国)大陸における内戦で共産党に敗れた国民党が台湾へ撤退してから二十数年が経ってなお海を挟んで両党が激しく牽制し合い、台湾内でも大陸からの移住者である外省人とその前から台湾に住んでいた本省人との間で対立が続いているなど(主人公は外省人)、戦後ではあるものの戦争の影響が色濃く残っているような状況でした。

 そんな混沌とした台湾の地で生きている(主人公を含めた)登場人物たちはいずれもパワフルで強烈な個性を放っていて、そんな人物たちが絡んでくるエピソードの数々もやはりインパクトが強くて圧倒される迫力がありますし、そんな物語が軽快さもありながら力強くて怒涛の勢いがある筆で描かれていくのです。

 さらには(主人公の)祖父が殺害された事件の謎を絡めつつ、主人公自身の暴走気味な青春ドラマがワクワクドキドキ時にしんみりと様々な感情を読者の心に芽生えさせながら読み応えたっぷりに展開していくので、これまでの東山作品は結構人を選ぶ(好き嫌いが分かれやすい)作風だったものの、本作に対しては多くの人が抵抗なく物語に入り込んで楽しみ堪能できるのではないでしょうか。

 ただ、「このミス」と縁深い作家ということもあってミステリ/サスペンス/ハードボイルドなど「このミス」系統の面白さを期待してしまうと、それらの要素は若干薄めですしわかりやすい盛り上がりがあるわけでもないことから、あまり手応えを感じられないかもしれないので、半生記的な青春ドラマが中心の(ミステリ/サスペンス系の刺激は少なめの)エンタメ作品だとあらかじめ意識したうえで読んだ方が本作の面白さを最善の状態で味わえると思います。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★      鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★       おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★★★     主キャラ魅力度 : ★★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★★     人間味ドラマ度 : ★★★★
 下ネタエッチ度 : ★★★     感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★      気軽に読める度 : ★★★

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
  <個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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