『毒薬の輪舞』 泡坂妻夫 > 「このミス」完全読破 No.714
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.714
『毒薬の輪舞』 泡坂妻夫
「このミス」1991年版 : 17位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2014.1.3~ 読終:2014.1.6
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <1990年4月>
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泡坂妻夫は、連城三紀彦と並び“幻影城新人賞”出身作家の代表格で、両者共にデビュー後にもミステリに限らず様々なジャンルにおいて名作を次々と発表し続けて来たことも共通しています。
しかし、泡坂妻夫は2009年に、連城三紀彦は2013年に逝去したため、一つの時代に幕が下りた感じがしてとても寂しく思わずにいられません。
とはいえ、昨年(2014年)には連城三紀彦の遺作となったNo.743「小さな異邦人」、No.789「処刑までの十章」、No.795「女王」のいずれもが各ミステリランキングを賑わせました。
そして泡坂妻夫の方も、袋とじを使った特殊装丁のため長い間絶版となっていたNo.95「生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術」が2013年末にまさかの復刊を遂げると、同じく驚きのトリックが仕掛けられている『しあわせの書 迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術』と共にヒットを記録するなど、亡くなってからも話題を振りまいているのは“さすがレジェンド作家”といったところですね。
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というわけで本作ですが、『死者の輪舞』に続く“海方・小湊シリーズ”の2作目です。
とある病院で毒殺事件が起きる恐れがあるため、海方・小湊の刑事コンビが患者を装って潜入捜査を行うことに。
ところがその現場である精神病棟の入院患者は奇人変人揃いで、医師や看護師も何やら怪しく、しかも海方刑事自身が刑事としても人間としても型破りで癖が強い変人であるため、まあとにかくインパクトあるキャラクターたちが場を掻き乱していくのですね。
そんな(今に時代に書かれていたら自主規制が掛かりそうなほどに不謹慎とも言える)クレイジーさやコミカルさで物語が包まれながらも、細かな伏線や大胆な仕掛けにより驚きのトリックが炸裂したり、主題から小ネタまで“毒薬”というテーマにこだわり尽くすなど、ミステリ作品としての技や遊び心なども充分に込められています。
なので、泡坂作品の(いくつかある)主流からは外れるタイプだと思うものの、泡坂作品ならではのミステリ的&物語的魅力は間違いなく堪能できると思いますし、異色作ならではの刺激的な面白さも心置きなく味わうことが出来るのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.095 「生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術」
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