『星読島に星は流れた』 久住四季 > 「このミス」完全読破 No.810
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.810
『星読島に星は流れた』 久住四季
「このミス」2016年版 : 26位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 10位
「ミステリが読みたい!」 17位
読始:2015.4.11~ 読終:2015.4.16
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2015年3月>
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久住四季は、2005年に電撃文庫からデビュー。
その後も、デビュー作『トリックスターズ』のシリーズ続編を始めとした全ての作品が電撃文庫から発売されるなど、いわゆるライトノベル(ラノベ)作家として活躍していました。
とはいえ、ラノベながら本格ミステリ要素の濃い作風なのでラノベ好き以外のミステリ読者にも注目されていたのですが、本作にて初の一般レーベルからの作品発表となりました。
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舞台となるのは、なぜか何度も隕石が降って来るため、天体マニアに聖地とされている孤島。
しかしこの島は天文学者のサラ・ディライト・ローウェル博士の所有地であるため一般人がおいそれと訪れることは出来ず、とんでもない高倍率の抽選をくぐり抜けて集いに招待されて初めてこの島を訪れることが可能なのです。
そして今回の集いでは、アメリカに住む訪問医の加藤盤ら数人が招待され、島内で天体話に花を咲かせるなどしながら隕石が降って来るのを待っていたところ、そこで謎めいた事件が起きてしまうのですね。
そこからは孤島を舞台に事件の謎に挑んでいく展開となっていくのですが、推理をじっくりと積み重ねていくことで一歩ずつ謎に迫って真相へ向かっていくという、近年では珍しいタイプとでも言えそうなくらいに丁寧で端正で正統派な本格ミステリ劇が繰り広げられていくのです。
しかし逆にいえば、衝撃的な謎や複雑で捻りの効いた推理劇など派手な要素はほとんどないということなので、そういったインパクトある本格ミステリ的迫力を期待してしまうと手応えが感じられないかもしれません。
ただ本作の一番の魅力といえば、隕石の降る島という幻想感のある舞台設定や、強烈な個性があるわけではないけれど好感が持てる登場人物たちなど、ロマンに溢れて心地良い読み味を堪能できる作品世界や雰囲気で、(衝撃的インパクトよりも)ロジックを重ねていく端正さを重視したミステリはそんな作品世界に絶妙に合っていたように思うので、(期待の仕方さえ間違えなければ)多くの人が楽しむことのできる“良作のミステリ小説”といったタイプなのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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