『北半球の南十字星(海賊島の殺人)』 沢村浩輔 > 「このミス」完全読破 No.807
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.807
『北半球の南十字星』 沢村浩輔
* 文庫化の際に『海賊島の殺人』に改題
「このミス」2016年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2015.3.31~ 読終:2015.4.1
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2015年1月>
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沢村浩輔は、“ミステリーズ!新人賞”の受賞短編「夜の床屋」を収録した『インディアン・サマー騒動記』で2011年にデビュー。
そして昨年(2014年)にそのデビュー作が『夜の床屋』に改題して文庫化されると、次第に話題を集め注目度がアップしていき、今までは文庫化大成功の見本ともいうべきヒット作となっています。
ただデビュー作以降は新作が発表されていない寡作の状態だったのですが、(デビュー作から4年後に発売された)本作にてようやくデビュー2作目の発表となりました。
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海賊を次々と制圧して民衆から支持を受けていた海軍提督バロウズ卿が、海賊連合〈南十字星〉の首魁アルバート・リスターに誘拐される事件が発生。
提督救出作戦として海軍のアラン・クリフォード大尉が〈南十字星〉への潜入を命じられたため、アランは元名優のダニエル・ソープを相棒とし、まずは海賊に扮してその長として名をあげようとするが.....。
というわけで本作ですが、現代日本が主な舞台の短編集だったデビュー作とは打って変わって、海外を舞台とした海洋冒険アクション作品となっています。
前半ではアランが海賊として成り上がっていく過程が大活劇や大冒険満載で描かれていき、後半になると島(館)を舞台に殺人事件が起きてアランが探偵役となって真相を探る本格ミステリ的展開となるなど、海賊冒険アクションのワクワク感と本格ミステリのドキドキ感を一緒に楽しむことが出来る贅沢な作品でした。
とはいえ、海賊冒険アクション部分は本格的で迫力ある描写というよりは少年漫画的な軽めの内容ですし、本格ミステリ部分も意外性ある謎や超絶推理が繰り広げられるわけではないので、冒険小説としてもミステリ小説としても本格派としての読み応えを期待してしまうと手応えなく感じてしまうかもしれません。
自分的にも最初は物足りなく感じたものの、少年少女も楽しむことが出来る(または大人が少年時代に立ち返ったように楽しめる)タイプの冒険ミステリとして見ればこの作風もこれはこれで正解なのではと思い直したので(そこまで子供向けというわけではないけれど)、期待の掛け方さえ間違えなければ多くの人が気軽にこの“海賊たちの冒険ミステリ譚”を堪能できるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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