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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.805
『乙霧村の七人』 伊岡瞬
「このミス」2016年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2015.3.25~ 読終:2015.3.26
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2014年12月>
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伊岡瞬は、横溝正史ミステリ大賞受賞作を改題した『いつか、虹の向こうへ』で2005年にデビュー。
2010年に発売された『明日の雨は』は、長編(連作)として日本推理作家協会賞の候補に、収録作の一編が(前年の)日本推理作家協会賞・短編部門の候補となるなど評価を受けて、『教室に雨は降らない』に改題して文庫化されるとたちまち好評を得て現時点での著者の代表作となっています。
そしてデビュー以来2年に1作のペースで作品を発表するなど多作作家ではなかったのですが、昨年(2014年)にはNo.763「代償」、『もしも俺たちが天使なら』に続いて本作で3作目、さらに翌2015年の3月にも『ひとりぼっちのあいつ』が発売されるなど、ここに来て急に新作が連続刊行されるようになったのですね。
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大学サークルのメンバー6人が訪れたのは、22年前に一家5人惨殺事件が起きて世間を戦慄させた悲劇の地、乙霧村。
立ち入り禁止の注意書きを無視して廃村の中に入っていくと、得体の知れぬ大男が現れ、サークルメンバー達を次々と襲い始めて.....。
というわけで廃村を舞台にして殺人鬼からの逃亡劇&追撃戦を繰り広げるという、横溝正史ミステリ大賞出身作家ならではといった感じのサバイバルホラー作品です。
舞台や展開やキャラクターなど定番的ではあるものの、状況が分からぬ中で襲われる恐怖が際立つホラー系サスペンス劇が繰り広げられますし、事件が終結した後には(まだ謎がいくつも残る)この事件や22年前の事件の真相を探っていくミステリ劇が幕を開けるなど、サスペンスとミステリの両面の魅力を堪能できます。
ただ、前半のサバイバルホラー部分は盛り上がりを自ら消火していくかのような展開となっていきますし、後半の真相探求ミステリ部分で明らかになる真相の数々もそこまで意外性や衝撃性はないのですよね。
これがサバイバルホラーの定番に対するパロディ的な捻り(スカし)をあえて加えようとしてのものなのかそうでないのかは分かりませんが、このジャンルの直球の面白さからは確実にズレているように感じたので、それを踏まえたうえで(このジャンルの)王道的展開との違い(比較)を楽しみつつ読んでみるのが面白いのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
【 “伊岡瞬” 関連記事 】
> No.805 「乙霧村の七人」
> No.763 「代償」
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