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2015年3月18日 (水)

『オルゴーリェンヌ』 北山猛邦 > 「このミス」完全読破 No.799

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.799

 『オルゴーリェンヌ』 北山猛邦

   「このミス」2016年版 : 10位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 4位
              「ミステリが読みたい!」 6位
              「週刊文春ミステリーベスト10」 10位
              「黄金の本格ミステリー」 選出

   読始:2015.1.26~ 読終:2015.2.7

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2014年11月>

オルゴーリェンヌ (ミステリ・フロンティア)オルゴーリェンヌ (ミステリ・フロンティア)
北山 猛邦

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 No.758「少年検閲官」に続く“少年検閲官シリーズ”の2作目です。

 北山猛邦は、メフィスト賞を受賞したデビュー作「『クロック城』殺人事件」以降は(そのデビュー作を含む)“城シリーズ”を講談社ノベルスから4作連続で刊行。

 続いて初の“城シリーズ”以外&講談社ノベルス以外の作品発表となったのがシリーズ前作だったのですが、「本ミス」にランクインしただけでなく、「このミス」でもランクインこそ逃したもののあと一歩の29位となるほどに票が入るなど高い評価を得たので、(デビュー作を除けば)最初の出世作といえるのかもしれません。

 そしてこのシリーズは三部作として構想されていて、続編(2作目)は1作目と同じ2007年中の刊行(予定)が予告されていたものの、結局発売は延期となり、その後も他の新作は続々と発表されながらもシリーズ続編の情報は音沙汰なし状態で“幻の作品”と化していたのです。

 なので当初の予定から7年後にようやく発売された本作は、ファンにとっては待ちに待った待望の作品なのですね。

 なお、前作を読むつもりがないのであれば本作から読んでも問題ないでしょうが、独特なファンタジー的世界観や主人公たちのキャラクター&関係性は前作を読んでいないと理解するのに時間が掛かりそうですし、前作における物語中で明らかになる部分に関してはネタバレとなってしまうので、前作も読むつもりでいるならば前作から順に読むことをお薦めします。

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 というわけで本作ですが、旅する英国人少年・クリスが(検閲官に追われている)言葉を話せない謎の少女・ユユと出会い、共に検閲官からの逃走を続けていると、今度はクリスと顔なじみの少年検閲官・エノと遭遇。

 そして何だかんだありながらクリス・エノ・ユユの3人は、ユユが住んでいた孤島にある洋館へと向かうことになり、そこからはその孤島(洋館)を舞台とした奇妙な殺人事件の謎を、エノが探偵役、クリスがワトソン役となって解き明かしていく展開になっていくのです。

 殺人事件を基に繰り広げられる推理劇は、かつて“物理トリックの北山”とも称された著者の持ち味がいかんなく発揮された、奇妙な謎、大胆な仕掛け、奇抜なトリック、衝撃的な真相とで魅力的に構成されています。

 さらには、書物の所持が禁止されているため人々がミステリ(殺人事件の謎)に接する機会がほとんどないなどの特殊設定や、水面上昇により人が住むことのできる陸地が年々減少しているなど退廃的なファンタジー設定などとも絡み合っていることで、このシリーズでしか味わうことのできない、童話的ファンタジーな世界観を時に優しさで時に残酷さで包み込んだ(変則でありながら直球な)本格ミステリ作品となっていました。

 ただ、前作がミステリ的エピソードを絡めつつメルヘンファンタジー的物語を作り上げていた印象だったのに対し、(そんなファンタジー的世界観の基本説明を前作で終えていたり、孤島や館が主な舞台となるためか)本作では新本格を思わすような本格ミステリ要素が強く前面に出ていたように感じたので、そこら辺で前作と本作とで好みの違いが出てくる可能性はあるかもしれませんね。


> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★★★  鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★★     おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★★      主キャラ魅力度 : ★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★★     人間味ドラマ度 : ★★
 下ネタエッチ度 : ★        感涙ウルウル度 : ★★★
 衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
  <個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


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