2014年11月~2015年4月に発売された作品を対象とした、「このミステリーがすごい!2016年版」上半期のランクイン候補作品を予想をしてみましょう
ただ、まだ対象作品が下半期も含めて全て出揃う前の時点で順位まで予想してしまうのはさすがに無茶なので、今回は、自分がこれまで読み終えることが出来た作品の中から、「ベスト10入りが確実と予想される作品」「ベスト20入りする可能性が高いのではと予想される作品」などの項目ごとに該当する作品を入れてみたいと思います
そして、11月の半ば頃に、「上半期~」「下半期~」を基に、最終的な“ランキング(順位)予想”の記事を書く予定です
* 後日追記:予想記事を更新しました→「このミステリーがすごい!2016年版」ランキング(順位)予想
対象となる上半期(2014年11月~2015年4月)に発売された中ですでに読み終えた作品は以下の通り(この対象作品は、読み終えるごとに追加していきます)
【 これまでに読んだ対象期間作品一覧(2016年版上半期) 】
* このリストのみ、タイトル部分のリンク先は当ブログの感想記事
化石少女 / キャプテンサンダーボルト / 営繕かるかや怪異譚 /
ナオミとカナコ / オルゴーリェンヌ / 鳩の撃退法 / 教団X /
フィルムノワール/黒色影片 / 名探偵の証明 密室館殺人事件 /
乙霧村の七人 / ラスト・ワルツ / 北半球の南十字星 / 叛徒 /
火星に住むつもりかい? / 星読島に星は流れた / デブを捨てに /
さよならの手口 / EPITAPH東京 / しるしなきもの / 刑事群像 /
外道たちの餞別 / ビッグデータ・コネクト / あぶない叔父さん /
虹の歯ブラシ 上木らいち発散 / 槐(エンジュ) / 透明カメレオン /
人魚と金魚鉢 / ビブリア古書堂の事件手帖6 / インドクリスタル /
黒野葉月は鳥籠で眠らない / 森は知っている /
なお、これはあくまで素人である当ブログ管理人が個人的に予想しているものです
なので、「ベスト10入り確実」と言った作品が実際には1票も入らなかったりとか、名前を挙げなかった作品が上位に入るなどの可能性は大いに有り得ますので、その点をご了承の上で参考にしていただければと思います
ちなみに、過去のランクイン確率(%)ごとのまとめや予想結果に関しては、「このミス」上・下半期のランクイン候補作品・予想結果リストにて確認ください
* 「ランクイン確率」は、(自分が予想する)ベスト20にランクインする可能性をパーセンテージで表したものです。つまり、100%に近いほど、ベスト20にランクインする可能性が高いと自分が予想している、ということです。なお、数字は適当なので、大体の目安程度に思ってください
* 「予想順位帯」は、“この(順位の)枠内に入ってくるのではないかな~”という予想です(今年から始めたので予想の精度は不明)
一応確実にその(順位の)枠内に入るように余裕を持って幅設定をしていますが、その一方ある程度は思い切って絞り込んでもいます
* 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
* 下半期(15年5月~10月)に発売された作品に関しては、「このミス2015年版」下半期のランクイン候補作品をご覧ください
* この記事は現時点で未完の状態なので、対象作品を読み終えてからしばらく後に、ランクインの可能性がありそうだと思ったら追加していく予定です(追加情報は「このミス」完全読破 説明&読破本リストの“更新情報”欄に書いていきます)
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【 ベスト10入りが確実と予想される作品 】
ここでは、ベスト10入りが確実で、下半期のラインナップ次第では1位も狙えるのでは?と自分が予想した作品を挙げてみました。
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フィルムノワール/黒色影片 / 矢作俊彦 ・・・ランクイン確率 : 70%
* 予想順位帯 : 3位~12位 (結果 → ×17位)
矢作俊彦は、好んで読む人をかなり限定するような超硬派なハードボイルド作家なのですが、2000年代以降に発売された作品は「ららら科學の子」が28位、No.800「THE WRONG GOODBYE」が4位、「傷だらけの天使 魔都に天使のハンマーを」が22位、No.476「引擎 ENGINE」が16位、司城志朗との共著作品No.476「犬なら普通のこと」が5位と、ハードボイルド系作品は常に安定して票を集めているので、「このミス」との相性は抜群といえるでしょう。
そして本作は、“二村永爾シリーズ”(最初の2作は「このミス」創刊前に刊行)の約20年ぶりの復活作となり4位にランクインするほどに高評価だったシリーズ3作目「THE WRONG GOODBYE」からさらに10年ぶりとなる待望の新作ですし、内容の方も期待に違わぬ傑作だったので、読んだ人の好き嫌いは激しく分かれそうではあるものの「このミス」的にはランクイン確実なのでは。
それに、作者の前作「引擎 ENGINE」が16位、昨年(2015年版)ではハードボイルド作品である藤田宜永の「喝采」が14位にランクインしたという結果から、(人気・実績共に高いシリーズの続編ということもあり)本作はそれらよりも上に行くだろうと推測すれば、自ずと“ベスト10確実”という予想に繋がっていくのではないでしょうか。
[ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
>> No.802 『フィルムノワール/黒色影片』 矢作俊彦
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【 ベスト20入りするのではないかと予想される作品 】
ここでは、ベスト20にランクインする可能性が高そうな作品を挙げてみました。
ただ、例年11~20位と21~30位辺りの作品の得票数というのはそれほど変わりはなくて、たった1人の投票者のさじ加減一つで大きく順位が変動してしまうほどの差しかないので、ここら辺になってくるとランクインするかどうかは運の要素も大きく関わってくるといってもよいでしょう。
なので、この項目に挙げたのは、「30位以内には入ってくるのではないかと予想される作品」といった認識で参考にしてもらう感じでちょうど良いのではないでしょうか。
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キャプテンサンダーボルト / 阿部和重 伊坂幸太郎 ・・・ランクイン確率 : 60%
* 予想順位帯 : 4位~30位 (結果 → ○19位)
ミステリ(エンタメ)界で人気の伊坂幸太郎と純文学界で人気の阿部和重による完全合作の作品です。
伊坂幸太郎は言うまでもなく「このミス」の常連で、阿部和重はジャンル的には対象外作家でありながら(「ピストルズ」が「このミス」で37位となるなど)ジャンルの枠を超えた作品でも好評を得ていますし、本作はエンタメ寄りの作品に仕上がっているので、内容的には「このミス」の対象ド真ん中となっています。
そして“人気作家の合作”という話題性に対して看板倒れにならないほどの完成度となっているので、上位も充分に狙えると思うのですが、その一方で意外にも票が集まらない可能性も無きにしも非ずかな~とも思うので、まずは無難にこの位置に予想してみました(なので後で“ランクイン確率”を大幅に上げる可能性があるかも)。
[ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
>> No.794 『キャプテンサンダーボルト』 阿部和重 伊坂幸太郎
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鳩の撃退法 / 佐藤正午 ・・・ランクイン確率 : 55%
* 予想順位帯 : 3位~25位 (結果 → ○11位)
佐藤正午は、ミステリ/サスペンス系の内容が多いとはいえ作風的には文芸寄りな感じで、「このミス」にもランクイン実績がないのですが、それでも「Y」で39位(1999年版)、「ジャンプ」で28位(2001年版)、No.257「身の上話」で22位(2010年版)と40位以内には3度も入っているので、作風を考えればむしろ「このミス」との相性は良いと言えるのでは。
そして本作もミステリ的な題材を文芸作品的に描くことで独特な魅力を生み出していますし、「dacapo BOOK OF THE YEAR 2014」で4位、「闘うベストテン 場外乱闘篇round3」で5位と、昨年末までに発売された作品が対象のランキングですでに結果を出しているので(「このミス」「本ミス」などは10月末までに発売された作品が対象)、本作で初ランクインを果たす可能性は高そうに思います。
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>> No.801 『鳩の撃退法』 佐藤正午
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ナオミとカナコ / 奥田英朗 ・・・ランクイン確率 : 50%
* 予想順位帯 : 6位~40位 (結果 → ○35位)
奥田作品はこれまで「このミス」に3作ランクインしていますが(「最悪」、No.18「邪魔」、249「無理」)、そのいずれもが“漢字二文字シリーズ(登場人物も違うし正式なシリーズではないけれど窮地に陥っていく群像劇という共通点のある3作品)”です。
そして本作は、タイトルからしてもそのシリーズの作品群には入らないとはいえ、最悪で泥沼な状況にハマり込んでいく主人公を描いていくという内容など近いものがありますし、これから罪を犯そうとする人物に自然と共感してしまう状況を作り上げるなど犯罪サスペンスとしての魅力的な読み応えがあったので、上位入りの可能性もあるかもしれませんね。
[ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
>> No.798 『ナオミとカナコ』 奥田英朗
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さよならの手口 / 若竹七海 ・・・ランクイン確率 : 45%
* 予想順位帯 : 8位~30位 (結果 → ×4位)
『プレゼント』、No.808「依頼人は死んだ」、No.812「悪いうさぎ」に続く“葉村晶シリーズ”の4作目です。
これまで「このミス」にランクインしたのは2作目のみ(2001年版16位)であるものの、3作目が26位とランクインまであと一歩のところまで来ていますし、シリーズ短編が2作収録された昨年のNo.752「暗い越流」が次点(21位)となっているので、「このミス」との相性は良いシリーズといえそうです。
そして本作は13年ぶりのシリーズ(単独)最新作となりますし、日本を代表する“女探偵ハードボイルド”シリーズの復活として評判もかなり良いので、少なくとも40位以内には確実に入って来るのではないでしょうか。
[ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
>> No.813 『さよならの手口』 若竹七海
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【 ベスト20入りする可能性もあるかもと予想される作品 】
ここでは、ベスト20入り確実!とは言えなさそうだけれど、入らないとは強く言えないような、穴馬的な作品を挙げてみました。
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ラスト・ワルツ / 柳広司 ・・・ランクイン確率 : 40%
* 予想順位帯 : 15位~60位 (結果 → ×103位)
No.162「ジョーカー・ゲーム」、No.243「ダブル・ジョーカー」、No.532「パラダイス・ロスト」に続く“ジョーカー・ゲーム シリーズ”の4作目です。
これまでの3作すべてが「このミス」にランクインしていて、映画版公開と同時に発売された本作もこのシリーズの魅力に満ちた内容だったので票を堅実に稼いで来そうですが、1・2作目が連続2位だったのに対し3作目は(ランクインしたとはいえ)16位にまで落ちていますし、本作もマンネリ感を打破するタイプの作品ではなかったので、ここでランクインを逃す可能性もありそうです。
ちなみに、過去にも「このミス」で同じような順位動向だったシリーズがあって、それは北村薫の“円紫さんと私シリーズ”なのですが、そちらは2位→2位→12位と来て4作目が18位だったので、本作も同じような推移でギリギリランクインとなるかも?
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>> No.806 『ラスト・ワルツ』 柳広司
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オルゴーリェンヌ / 北山猛邦 ・・・ランクイン確率 : 35%
* 予想順位帯 : 5位~40位 (結果 → ○10位)
No.758「少年検閲官」に続く“少年検閲官シリーズ”の2作目です。
そのシリーズ前作は「本ミス」で16位にランクインし、「黄金の本格ミステリー」 に選出され、「このミス」ではランクインまであと一歩の29位と高い評価を受けましたし、本作も劣らない評価を受けそうですが、(前作と比べれば)ファンタジー的な物語要素が薄まり本格ミステリ要素が濃くなっていたので、「本ミス」ではかなり票を集めるけれど「このミス」では思ったほど票を集めないタイプなのではないかな~とも思うのですよね。
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>> No.799 『オルゴーリェンヌ』 北山猛邦
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透明カメレオン / 道尾秀介 ・・・ランクイン確率 : 35%
* 予想順位帯 : 8位~30位 (結果 → ×59位)
道尾秀介は、どんでん返しを含むミステリ色が強かった時期には出す作品のほとんどが「このミス」にランクインしていたものの、文芸系の作風にチェンジしてからは昨年のNo.749「貘の檻」(11位)までランキングから名前が消えていたのですが、文芸系の作品でもランクインまであと一歩の位置まで票が入ることが多かったので、未だに「このミス」との相性は良いままといえそうです。
なので、本作は久々のエンタメ全開作であり、ただ一方で「このミス」的全盛期の作品群と比較すると(当時との作風の変化もあって)エンタメ(ミステリ)としての完成度的には少々落ちるかな?とも思うのですが、相性の良さも味方にして確実に票を集めてくるのではないでしょうか。
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>> No.827 『透明カメレオン』 道尾秀介
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教団X / 中村文則 ・・・ランクイン確率 : 30%
* 予想順位帯 : 11位~投票数0 (結果 → ○34位)
発売当初から高い評価を受け、さらにテレビ番組『アメトーーク!』の“読書好き芸人”にて(直後に『花火』で芥川賞を受賞することになる)ピース・又吉直樹らに大絶賛された影響で放送直後から入手が困難な状況に陥るほどの大評判作品に。
ただ、内容的にはストーリー重視のサスペンス的な部分は少なめで概念的な話や作者による主張・問題提起部分が多いですし、下半期に発売されたNo.831『あなたが消えた夜に』の方がジャンル的に「このミス」向きなので、ランクインはないだろうと思って当初はここで取り上げていませんでした。
しかし、一応サスペンス的な要素はありますし、作品自体の面白さから票を集めるのであればむしろ『あなたが消えた夜に』より上に来てランクインもあるのではないかと考え直したので、ここに追加してみました。
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>> No.804 『教団X』 中村文則
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森は知っている / 吉田修一 ・・・ランクイン確率 : 30%
* 予想順位帯 : 8位~50位 (結果 → ○50位)
「このミス」でランクインまであと一歩の23位だったスパイアクション作品No.539「太陽は動かない」に続くシリーズ2作目です。
今回は前作の前日譚で、しかも(前作にはなかった)青春ドラマ色が強く出ているのですが、そんな中に(前作とはまた違った)スパイ物語としての魅力がありましたし、文芸系作家としては「このミス」との相性が良いので、前作では叶わなかったランクインを果たす可能性もあるのでは。
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営繕かるかや怪異譚 / 小野不由美 ・・・ランクイン確率 : 30%
* 予想順位帯 : 16位~40位 (結果 → ×投票数0)
「このミス」に初ランクインした「東亰異聞」(1995年版14位)以降におけるホラーミステリ系の小野作品をみていくと、「屍鬼」が4位(1999年版)、「黒祠の島」が29位(2002年版)、「くらのかみ」が24位(2004年版)、No.576「残穢」が17位(2013年版)と、(掌編小説集である「鬼談百景」を除くと)全ての作品が安定して票を集めています。
そして本作も、圧倒的な読み応えや完成度の高いエンタメ感を味わえるタイプではないものの、恐怖や魅力がじわじわと沁み入ってくるような“らしい”読み味を堪能できるので、通好みの作品としてランクインする可能性もありそうです。
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>> No.797 『営繕かるかや怪異譚』 小野不由美
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化石少女 / 麻耶雄嵩 ・・・ランクイン確率 : 30%
* 予想順位帯 : 16位~50位 (結果 → ○42位)
あぶない叔父さん / 麻耶雄嵩 ・・・ランクイン確率 : 30%
* 予想順位帯 : 11位~40位 (結果 → ×52位)
麻耶作品は、5年ぶりの新刊発売となった2010年以降の5作品全てがランクインしているので(その前も含めると現在7作連続ランクイン中)、現在では新作が発売されれば無条件でランクインの最有力候補となっています。
ただ今回の期間内の2作はどちらも、もちろんブラックでシニカルな麻耶ミステリの魅力をいつものように堪能できるものの、ここ最近の作品と比べてしまうと幾分インパクトで劣るので、“ランクイン確実”とまでは言えないのでは。
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>> No.793 『化石少女』 麻耶雄嵩
>> No.825 『あぶない叔父さん』 麻耶雄嵩
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インドクリスタル / 篠田節子 ・・・ランクイン確率 : 30%
* 予想順位帯 : 11位~50位 (結果 → ○32位)
インドを舞台としたビジネス小説で、ジャンル的には「このミス」の守備範囲から微妙に外れそうではあるものの、様々なエンタメ要素が絶妙に盛り込まれている(「このミス」実績のある)篠田作品ならではの仕上がりとなっているので、純粋に作品自体の面白さに対して票が集まるかもしれません。
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>> No.836 『インドクリスタル』 篠田節子
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虹の歯ブラシ 上木らいち発散 / 早坂吝 ・・・ランクイン確率 : 25%
* 予想順位帯 : 11位~40位 (結果 → ○35位)
メフィスト賞を受賞した昨年のデビュー作No.773「○○○○○○○○殺人事件」に続くデビュー2作目にしてシリーズ2作目です。
今回も前作に劣らずの新本格スピリット&バカミスに対し高い評価を受けそうですが、前作は「本格ミステリ・ベスト10」「ミステリが読みたい!」でベスト10、「週刊文春ミステリーベスト10」でベスト20入りしたものの、唯一「このミス」では23位とギリギリでランクインを逃したので、本作も他のランキングより票が集まらない可能性がありそうです。
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>> No.823 『虹の歯ブラシ 上木らいち発散』 早坂吝
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ビッグデータ・コネクト / 藤井太洋 ・・・ランクイン確率 : 25%
* 予想順位帯 : 11位~50位 (結果 → ○23位)
昨年発表のNo.744「オービタル・クラウド」が、「ベストSF2014」で1位、さらに日本SF大賞&星雲賞を受賞でSF三冠を達成しましたが、「週刊文春ミステリーベスト10」で9位、「ミステリが読みたい!」で14位にランクインし、「このミス」ではランクインこそ逃したものの32位と、SFのジャンルの枠を超えた大変高い評価を受けました。
そして本作は警察小説ということで「このミス」直球のジャンルですし、サスペンス的な面白さやSF要素の絡め方など素晴らしい出来だったので、(ミステリ系ランキングにおいて)昨年以上の順位を充分に狙えると思うのですが、(これは『オービタル・クラウド』も同様でしたが)「このミス」で好まれる“凄み・狂気・圧倒感”といった要素はそこまででもなかったので、「このミス」では意外と票が入らないかもしれません。
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>> No.824 『ビッグデータ・コネクト』 藤井太洋
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槐(エンジュ) / 月村了衛 ・・・ランクイン確率 : 25%
* 予想順位帯 : 11位~60位 (結果 → ○23位)
昨年はNo.722「機龍警察 未亡旅団」が5位、No.782「土漠の花」が6位で2作同時にベスト10入りするなど、今ではすっかり「このミス」上位常連となった月村了衛の新作です。
本作も激しいアクションシーンが溢れたエンタメ要素全開の傑作なので票を集めそうですが、昨年の『土漠の花』が襲撃大虐殺の起きる舞台設定に現実味があったのと比べると(日本が舞台となる本作は)リアル感で劣るところが票の伸びに関わってくるかもしれませんし、下半期に似たタイプ(だと思われる)『影の中の影』が発売されたので、票の行方を予想するのは難しいですね。
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>> No.821 『槐(エンジュ)』 月村了衛
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星読島に星は流れた / 久住四季 ・・・ランクイン確率 : 20%
* 予想順位帯 : 16位~50位 (結果 → ○26位)
ライトノベル作家による初の一般向けミステリ作品ですが、隕石が落ちてくる孤島というロマンある魅力的な舞台で本格ミステリ的展開が繰り広げられる物語は上々の評判ですし、年末に今年のミステリを振り返った際には必ず名前が挙がってきそうなほどの良作でした。
ただ、物語にしてもミステリ要素にしても(衝撃性や意外性よりは)シンプルで正統派を貫いた作風だったので、インパクトある犯罪性や圧倒的なドラマ性など毒気のある作品が好まれる「このミス」ではそこまで票が入らないようにも思います。
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>> No.810 『星読島に星は流れた』 久住四季
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火星に住むつもりかい? / 伊坂幸太郎 ・・・ランクイン確率 : 20%
* 予想順位帯 : 15位~60位 (結果 → ×81位)
平和警察による魔女狩り的な厳しい取り締まりが行われている近未来の(またはパラレル的な)日本が舞台で、伊坂作品らしいエンタメ性や複線ミステリが繰り広げるものの、社会風刺的なテーマ性が前面に出た作風だったので、「このミス」で票を集めるタイプではないように感じました(ただ権力に立ち向かうサスペンス的な部分が評価されて票を集める可能性も?)。
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>> No.809 『火星に住むつもりかい?』 伊坂幸太郎
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ビブリア古書堂の事件手帖 6 / 三上延 ・・・ランクイン確率 : 15%
* 予想順位帯 : 18位~投票数0 (結果 → ○73位)
これまで“ビブリアシリーズ”で「このミス」にランクインしたのは(5作目までで)唯一の長編だった4作目のみ(2014年版19位)なのですが、6作目となる本作はそれ以来となる長編作品なので、(連作集の時より)票を集める可能性がありそうです。
ただ、4作目が物語の謎と古書(江戸川乱歩作品)の謎とが絶妙に絡み合っていたのに対し、本作は古書(太宰治作品)の謎よりも登場人物たちの人間関係の謎の方が中心となっていたので、今回はランクインするまでは票が伸びないのではないかと予想しています。
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>> No.835 『ビブリア古書堂の事件手帖6』 三上延
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人魚と金魚鉢 / 市井豊 ・・・ランクイン確率 : 10%
* 予想順位帯 : 18位~投票数0 (結果 → ○投票数0)
デビュー作にして24位(2013年版)とランクインまであと一歩のところまでいったNo.708「聴き屋の芸術学部祭」に続く、デビュー2作目にしてシリーズ2作目です。
3年ぶりにようやく発売されたデビュー2作目というのも票を集めやすい要素となりそうではありますが、内容的には1作目を大きく上回り順位も上げるタイプではないように感じました。
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>> No.830 『人魚と金魚鉢』 市井豊
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叛徒 / 下村敦史 ・・・ランクイン確率 : 10%
* 予想順位帯 : 18位~投票数0 (結果 → ○86位)
昨年には江戸川乱歩賞を受賞したNo.783「闇に香る嘘」でデビューを飾り、ミステリ系ランキングでことごとく上位入りする活躍をみせましたが、本作は早くも発表されたデビュー2作目となります。
今回は警察小説で、社会派サスペンスドラマとミステリとが絶妙に絡む新人離れした内容ではありましたが、逆に上手く作られ過ぎている感じもしましたし、さすがに前作ほどの完成度はなかったので、ランクインするのは厳しいのでは。
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>> No.816 『叛 徒』 下村敦史
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名探偵の証明 密室館殺人事件 / 市川哲也 ・・・ランクイン確率 : 10%
* 予想順位帯 : 18位~投票数0 (結果 → ○投票数0)
鮎川哲也賞を受賞したデビュー作No.747「名探偵の証明」に続く“名探偵の証明シリーズ”の2作目です。
その前作はネット上で酷評も多く見られたものの、「本ミス」で17位にランクインし「このミス」でも(ランクインは逃したものの)35位となるほどに票を集めるなど、年末のミステリランキングでは高めの評価を得ました。
そして続編となる本作は、前作同様の本格ミステリ的遊び心が込められていたのですが、前作が“旧世代探偵と新世代探偵との対比”部分で評価を受けていたとしたら(その要素がなくなった)本作では票の伸びを欠きそうだし、そうでなくても「このミス」で前作より順位を上げるまではいかないのでは。
[ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
>> No.803 『名探偵の証明 密室館殺人事件』 市川哲也
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【 ランクインの可能性がありそうな未読作品 】
ここでは、まだ読んでいない作品の中で、過去の実績や評判などからランクインする可能性があるかもしれないな~と思う作品を挙げてみました。
なお、ここに挙げた作品は、読み終えた後には削除し、ランクインしそうだと思ったら上のいずれかの項目に追加する予定です。
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太宰治の辞書 / 北村薫
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機龍警察 火宅 / 月村了衛
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東京帝大叡古教授 / 門井慶喜
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図書館の魔女 烏の伝言 / 高田大介
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悲嘆の門 / 宮部みゆき
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過ぎ去りし王国の城 / 宮部みゆき
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我が心の底の光 / 貫井徳郎
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