「このミス2015年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編>
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「このミステリーがすごい!2015年版」が発売され、ランキングも発表されたということで、昨年まで同様に「このミス2015年版」ランキング(順位)予想の一人反省会を行って、来年以降の予想に役立てようと思います。
前回更新した、全体的な予想の反省を行う<反省会・総論編>に続きまして、今回は、作品ごとに反省を行う<反省会・各論編>です。
その反省の仕方ですが、まずは正規のランキング順に各作品ごとに反省し、続いて予想を外した作品について反省していきましょう。
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満 願 / 米澤穂信 <感想記事はこちら>
( 予想 > 5位 結果 > 1位 )
1位連続的中記録が4年連続でストップしてしまいました.....。
まあ「このミス」だけでなく「文春」「早ミス」でも1位、「本ミス」で2位と、終わってみれば完全に“『満願』の年”だったのでこれを当てることが出来なかったのは痛恨の極みなのですが、ただいくら「このミス」との相性抜群な作家とはいえノンシリーズ短編集を1位にする勇気は自分にはなかったですねェ。
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さよなら神様 / 麻耶雄嵩 <感想記事はこちら>
( 予想 > 1位 結果 > 2位 )
この作品を1位に予想して外したわけですが、ただ元々は他の作品(『満願』以外)を1位予想にしようとしていて急転直下でこの作品に変更したことを考えれば、1位は逃したものの2位にはなりましたし、他誌ランキングでも軒並み『満願』に続く評価だったので、まあなんとか面目は保てたのではないでしょうか.....。
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闇に香る嘘 / 下村敦史 <感想記事はこちら>
( 予想 > 3位 結果 > 3位 )
今年唯一の順位ピタリ賞です。
新人賞受賞作をこんなに上位に予想するのは結構思い切りが必要だったのですが、昨年(結果10位のNo.643「ロスト・ケア」を新人賞受賞作という理由で高く予想せず)の反省が早速活きたようです。
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小さな異邦人 / 連城三紀彦 <感想記事はこちら>
( 予想 > 11位 結果 > 4位 )
昨年亡くなった連城三紀彦の遺作は今年の注目の一つであったわけですが、2015年版対象作品刊行期限ギリギリの10月に長編が2作も出ていなければ、本作をもっと上位に予想出来ていたと思うのですよね。
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機龍警察 未亡旅団 / 月村了衛 <感想記事はこちら>
( 予想 > 2位 結果 > 5位 )
当初は1位に予想しようかと考えていた作品だっただけに、「早ミス」で12位&「文春」で9位と「このミス」より前に発表になったランキングでの結果が予想外に低かったので心配になりましたが、ベスト5入りという結果となりホッとしました.....。
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土漠の花 / 月村了衛 <感想記事はこちら>
( 予想 > 8位 結果 > 6位 )
今年の自分の予想の中で“月村作品の2作同時ベスト10”というのは結構重要な部分だと考えていて、そこを見事に的中出来たため、この結果だけで今年の予想に対してある程度満足していたりもするのですよね。
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ペテロの葬列 / 宮部みゆき <感想記事はこちら>
( 予想 > 6位 結果 > 7位 )
この作品も「機龍警察 未亡旅団」同様に「早ミス」13位&「文春」11位と思ったより評価が低くて心配になったものの、結局「このミス」では予想とほぼ同じ順位に。
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破 門 / 黒川博行 <感想記事はこちら>
( 予想 > 26位 結果 > 8位 )
直木賞受賞作というのはミステリランキングでプラスの要素には特にならないし、評判から「後妻業」の方が上に行くのではないかと思い20位台に予想していたので、ベスト10入りという結果には驚いたものの、まあ出た結果を見てしまえば納得でもありますね。
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女 王 / 連城三紀彦 <感想記事はこちら>
( 予想 > -位 結果 > 9位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書きました。
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異次元の館の殺人 / 芦辺拓 <感想記事はこちら>
( 予想 > 22位 結果 > 10位 )
SF要素と本格ミステリ要素とを絶妙に融合させた本作は好き嫌いがはっきり分かれるタイプだと考え、あまり思い切った予想を出来ずに22位という中途半端な予想となったのですが、「このミス」以外でも「本ミス」4位&「早ミス」5位&「文春」12位と軒並み高順位だったので、この作品も結果が出て見れば納得の順位ですね。
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貘の檻 / 道尾秀介 <感想記事はこちら>
( 予想 > 7位 結果 > 11位 )
「本ミス」18位・「文春」17位・「早ミス」19位といずれもランクイン(20位以内)ラインをギリギリ超えるある意味凄い順位だったので、相性の良い「このミス」ではベスト10もありそうだと思ったのですが、わずかながら届きませんでしたねェ。
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絶 叫 / 葉真中顕 <感想記事はこちら>
( 予想 > -位 結果 > 11位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書きました。
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怒 り / 吉田修一 <感想記事はこちら>
( 予想 > 28位 結果 > 11位 )
この作品は投票者なりきりベスト6で3位にしたように自分もかなり好きで予想でも高めに推したかったものの、サスペンス要素がNo.624「悪人」(2008年版17位)より薄めなのでそれより順位は下がるのではと考えたのですが、この思っていた以上の高順位は予想的には残念だけれど(予想を抜きにした)心情的にはかなり嬉しかったです。
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喝 采 / 藤田宜永
( 予想 > -位 結果 > 14位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書きました。
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ゴースト≠ノイズ(リダクション) / 十市社 <感想記事はこちら>
( 予想 > 10位 結果 > 15位 )
この作品の内容には“このミス」で票が入る要素”がある、と考えかなり思い切ってベスト10予想にしたのですが、ベスト10は無理だったもののランクインはしたので、自分の“「このミス」で票が入る要素”の判断が間違っていないことがわかり安心したし自信にもなりましたね。
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後妻業 / 黒川博行
( 予想 > -位 結果 > 15位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書きました。
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アルモニカ・ディアボリカ / 皆川博子 <感想記事はこちら>
( 予想 > 4位 結果 > 17位 )
シリーズ前作No.480「開かせていただき光栄です」がミステリ系ランキング全てで3位、そして近年の作者人気から上位は堅いと思っていたものの、「本ミス」ではベスト30にすら入りませんでしたし、「このミス」ではランクインしたとはいえ予想外の低評価に驚きました.....。
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殺意の構図 探偵の依頼人 / 深木章子 <感想記事はこちら>
( 予想 > 31位以下 結果 > 18位 )
深木作品と「このミス」とは相性があまり良くなく、デビュー作のNo.474「鬼畜の家」は「本ミス」「文春」「早ミス」のいずれでもランクインしているのに「このミス」だけランク外(35位)だったり、その後の作品も「本ミス」にランクインしても「このミス」では0票や1票入るのみといった結果が続いていました。
なので今回も同様の結果になると思っていので、いきなりの高評価に面食らってしまったのですが、「このミス」で突然票が集まったのはどの部分の要素が影響したのかを研究しなければなりませんねェ。
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虚ろな十字架 / 東野圭吾 <感想記事はこちら>
( 予想 > 31位以下 結果 > 19位 )
近年(2010年版以降)の東野作品で「このミス」にランクインしたのは“加賀恭一郎シリーズ”のみで、ランクインまであと一歩の作品も刑事が主人公だったので、この作品も「文春」では高順位になるも「このミス」で票は伸びないだろうと考えていました。
なのでランクインという結果に驚いたのですが、今年は同じ対象期間に票を集めるタイプの作品がなく票割れしなかった(No.720「疾風ロンド」とNo.784「マスカレード・イブ」はいずれも0票)のも大きな理由かもしれませんね。
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イノセント・デイズ / 早見和真
( 予想 > -位 結果 > 20位 )
この作品は事前に読んでいなかったので、反省は「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」の方に書きました。
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大江戸恐龍伝 / 夢枕獏 <感想記事はこちら>
( 予想 > 9位 結果 > 投票数0 )
それではここから、大いなる反省会の開始となります.....。
全5巻という大長編の時代冒険小説なので、分量的にもジャンル的にも0票の可能性は大いにあると認識しながらの思い切ってのベスト10予想でしたが、ものの見事に玉砕.....。
それでも内容的にはベスト10級であると今でも思っていますけどね。
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東京自叙伝 / 奥泉光 <感想記事はこちら>
( 予想 > 12位 結果 > 50位 )
ジャンルの対象にギリギリ入るかどうか、といった作品なので、一か八かの心境でランクイン予想としたのですが、「早ミス」でのベスト10入りを見た時には“賭けに勝ったぞ!”と思ったものの、「このミス」ではさっぱりでしたね.....。
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桃ノ木坂互助会 / 川瀬七緒 <感想記事はこちら>
( 予想 > 13位 結果 > 投票数0 )
No.774「水底の棘」(21位予想)とのダブルランクインもあるぞ、と意気込んで予想したものの、その「水底の棘」は36位、本作に至っては0票ということで、完全に撃沈してしまいました.....。
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暗い越流 / 若竹七海 <感想記事はこちら>
( 予想 > 14位 結果 > 21位 )
“ノンシリーズ短編集の年”を象徴する一作となるのではないかと予想したものの、次点(21位)ということでランクインまであと一歩届かず.....。
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雨の狩人 / 大沢在昌 <感想記事はこちら>
( 予想 > 15位 結果 > 29位 )
結果が出てみれば“まあこのくらいの順位だろうな~”と思ってしまうのですが、同じ大沢作品である「ライアー」が(並びの)30位だったことの方に驚きましたね。
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半導体探偵マキナの未定義な冒険 / 森川智喜 <感想記事はこちら>
( 予想 > 16位 結果 > 95位 )
ミステリランキングで票を集めやすいタイプの作品だと思ったのですが、最高順位が「本ミス」での30位だったので、完全に認識を誤っていました.....。
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代 償 / 伊岡瞬 <感想記事はこちら>
( 予想 > 17位 結果 > 73位 )
予想で書いた説明を読んでもらうとわかるように、ランクイン予想とするには不安要素があったのですが、やはりその不安要素の方を信じるべきだったようですね。
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オービタル・クラウド / 藤井太洋 <感想記事はこちら>
( 予想 > 18位 結果 > 32位 )
この作品も(「このミス」ランクインと考えれば少し優等生的すぎる作風がマイナスとなるようにも感じましたが...)と不安要素を書いていたものの、「文春」9位&「早ミス」14位という結果から不安はなくなっていたのですが、やはり「このミス」では票がそこまで伸びませんでしたねェ。
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黒富士 / 柄澤齊 <感想記事はこちら>
( 予想 > 19位 結果 > 投票数0 )
この作品もジャンル的にミステリ系ランキングの対象(投票者の好み)から外れていそうな不安があったものの、芸術家の小説2作目(1作目は「このミス」ランクイン)というインパクトや面白かった中身から期待も込めて予想したのですが、まさかの(「早ミス」共々)0票という結果に.....。
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ナイト&シャドウ / 柳広司 <感想記事はこちら>
( 予想 > 20位 結果 > 32位 )
この作品の場合、読み終えてすぐに予想を始め、半ば勢いでランクイン予想としてしまったので、時間を掛けて吟味出来なかったのが敗因でしょうか.....。
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というわけで、まずは「このミス2015年版」のランキング(順位)予想」の反省を<総論編><各論編>と分けて書いてみました。
そして続きまして、「このミス2015年版」としては最後の反省会となります、「ランクイン作品を事前に読んでしまおう!<反省会>」を書いてみたいと思います。
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【「このミステリーがすごい!2015年版」関連記事】
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事前に読んでしまおう!<反省会> (14.12.18)
> 「この“ランク外作品”がすごい!2015年版」 (14.12.26)
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