「週刊文春ミステリーベスト10(2014年)」
週刊文春 2014年 12/11号 [雑誌] 文藝春秋 2014-12-04 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
年末恒例の四大ミステリランキングの一つ、「週刊文春ミステリーベスト10」(以下「文春」)の“2014ミステリーベスト10 国内部門”が発表されました。
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この「文春」は、1977年スタートということで他のランキングよりも歴史が長く(次に長いのが「このミス」で1988年~)、そもそも「このミス」が作られたきっかけの一つが「文春」ランキングに対するアンチテーゼ的役割を担うためだったことからもわかるように、ミステリランキングの絶対的な権威として君臨していた時代がありました。
しかし、「このミス」の知名度が上がるにつれて、いつの間にか権威は「このミス」へと継承され、かといって今度は「文春」が「このミス」のアンチテーゼ的存在になるわけでもなく、結構似通ったランキングになることが多いので、近年の「文春」は中途半端な立ち位置となっている印象があります。
とはいえ、「このミス」と対象期間も対象作品も同じでありながらも、売れっ子作家(東野圭吾等)やヒット作、江戸川乱歩賞受賞作(や受賞作家の作品)に票が集まりやすく、「このミス」と比べてマニア向けの作品に票が入りにくいという、「このミス」とは異なる特徴が見られます。
なので、一般向けのミステリ系ランキングとしては、「このミス」よりも「文春」の方が参考になりそうな感じですね。
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というわけで、今年の「文春」のランキングを見ていきたいのですが、ランクインしたうちのどのくらいの作品を事前に読んでいたのか、といったところもチェックしてみたいと思います。
> 「2014ミステリーベスト10 国内部門」(週刊文春WEB) 参照
○:事前に読んでいた作品
●:読みたかったけど読めなかった作品
×:特に読むつもりはなかった作品
タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです
01位 : ○ 満 願 / 米澤穂信 <感想記事はこちら>
02位 : ○ 闇に香る嘘 / 下村敦史 <感想記事はこちら>
03位 : ○ さよなら神様 / 麻耶雄嵩 <感想記事はこちら>
04位 : ○ 小さな異邦人 / 連城三紀彦 <感想記事はこちら>
05位 : ○ 虚ろな十字架 / 東野圭吾 <感想記事はこちら>
06位 : ● 絶 叫 / 葉真中顕 <感想記事はこちら>
07位 : ● 後妻業 / 黒川博行
08位 : ○ 怒 り / 吉田修一 <感想記事はこちら>
09位 : ○ オービタル・クラウド / 藤井太洋 <感想記事はこちら>
09位 : ○ 機龍警察 未亡旅団 / 月村了衛 <感想記事はこちら>
11位 : ○ ペテロの葬列 / 宮部みゆき <感想記事はこちら>
12位 : ○ 異次元の館の殺人 / 芦辺拓 <感想記事はこちら>
13位 : ○ アルモニカ・ディアボリカ / 皆川博子 <感想記事はこちら>
14位 : ○ 黒龍荘の惨劇 / 岡田秀文 <感想記事はこちら>
15位 : ○ 土漠の花 / 月村了衛 <感想記事はこちら>
15位 : ● 女 王 / 連城三紀彦 <感想記事はこちら>
17位 : ● 神の子 / 薬丸岳
17位 : ○ 貘の檻 / 道尾秀介 <感想記事はこちら>
17位 : ○ ○○○○○○○○殺人事件 / 早坂吝
20位 : × テミスの剣 / 中山七里
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これを書いている時点では「このミス」発売前なので、「このミス」との比較がまだ出来ない状況なのですが、それでも乱歩賞受賞作が2位、東野作品が5位、昨年も文春のみでランクインした薬丸作品が今年も入るなど、「文春」らしいランキングとなっているように感じますね。
そして、この「文春」ランキングが発表されるまでに未読だった作品は5作と、昨年より1作多くなってしまったのですが、その全てが下半期に発売された作品で、そのほとんどが時間さえあれば読んでおきたかった作品だったので、今年の終盤(9月以降)になかなか本を読む時間を作れなかったのが悔やまれますね。
あと気になった点としては、早くも「早ミス(ミステリが読みたい!)」との二冠を達成している「満願」がノンシリーズ作品集にしては異例ともいえる高評価で、この分だと「このミス」でも1位になりそうだな~と(「このミス」では5位予想にしてしまったので)不安になっていたり、「本ミス(本格ミステリ・ベスト10)」「早ミス」の結果も合わせると今年は「満願」「さよなら神様」「小さな異邦人」の三強状態が確実なようだったり、月村作品が2作ランクインということで自分の「このミス」予想(月村作品ダブルランクイン)が見当違いではなくホッとしていたり、「○○○○○○○○殺人事件」がまさか文春にもランクインするとは思っていなかったので(嬉しい意味で)驚愕したり、といったところでしょうか。
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