「このミステリーがすごい!2015年版」ランキング(順位)予想
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* 「このミステリーがすごい!」は、1990年より翌年度表記(満年齢から数え年)に変更しているので、この“2015年版”は、2014年(2013年11月~2014年10月)に発売された作品のランキング(予想)となっています。
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これで7年目となりますが、今年も「このミステリーがすごい!」のランキング(順位)予想をしてみたいと思います。
まずは予想の発表の前に、予想を見るうえでの注意点からご覧ください。
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【 ランキング(順位)予想を見るうえでの注意点 】
・これは、あくまで素人である当ブログ管理人が個人的に予想しているものです。
なので、結果が出てみたら、10位以内に予想した作品にほとんど票が入らなかったりとか、全体的に見当違いな予想であったりする可能性も充分にありえますので、その点をご了承した上で参考にしてみてください。
・予想するのは国内編のみで、海外編の予想は行いません。
・予想の対象は、自分がこれまで読んだ作品のみとしているので、読んでいない作品は、ランクインするかもしれないな~と思っていても予想には入れていません。
これまでに読んだ作品(この予想の対象となる作品)については、ここに書くとかなりの長さとなってしまうので、「このミス2015年版」上半期のランクイン候補作品および「このミス2015年版」下半期のランクイン候補作品にてご確認ください(予想を終えた時点で読み終えたのは65作品)。
・「このミス」における“ランクイン”とは20位以内のことをいいますが、今年も昨年までと同様に、30位まで予想してそのうち何作がベスト20にランクインするか、といった感じでやってみたいと思います。
・過去の予想実績に関しては、以下の記事にてご確認ください。
「このミス2014年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
「このミス2013年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
「このミス2012年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
「このミス2011年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 <反省会>
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【 「このミス2015年版」ランキング(順位)予想 】
本来ならすぐにランキング(順位)予想を書いていくのですが、その前に「このミス」予想の観点から見た今年のミステリ作品全体の状況と、それに伴う“ランキング(順位)予想”を見るうえでの注意点を書いてみます。
2009~2012年版の4年間は大本命作品が順当に大差で1位となり、大本命が2作あった一昨年(2013年版)も順当にその2作が1・2位と、この期間における1位予想に関しては非常に簡単な結果でした(一昨年の1・2位の順番まで当てるのは少々難しかったかもしれませんが)。
しかし昨年(2014年版)は大本命どころか本命と言えるような作品さえ不在の混戦状態となり、今年も1位候補に関しては昨年以上に横並びの超混戦状態という、予想者泣かせのランキングとなりそうなのですね。
なので、現在4年連続で1位的中&昨年の1~3位完全的中の自分ではありますが、今年は1位予想に関してもそれ以下の予想に関しても全くと言っていいほどに自信がないですし、予想をするうえで読んでおきたかったのに読めなかった作品(予想の対象とならない作品)が今年は多かったので、くれぐれもその点を踏まえたうえで参考にしてみてください。
なお、僻地とはいえ一応公の場であるブログで「このミス」予想をするならば、普通に名前が挙がるような作品を並べただけの予想では意味がないということで、あえて意外性のある作品を思い切って入れて独自性を出すようにしているため、その点もご考慮して参考にしてみてください。
*タイトル部分のリンク先は、Amazonの詳細ページです
01位予想 : さよなら神様 / 麻耶雄嵩 <感想記事はこちら>
02位予想 : 機龍警察 未亡旅団 / 月村了衛 <感想記事はこちら>
03位予想 : 闇に香る嘘 / 下村敦史 <感想記事はこちら>
04位予想 : アルモニカ・ディアボリカ / 皆川博子 <感想記事はこちら>
06位予想 : ペテロの葬列 / 宮部みゆき <感想記事はこちら>
08位予想 : 土漠の花 / 月村了衛 <感想記事はこちら>
09位予想 : 大江戸恐龍伝 / 夢枕獏 <感想記事はこちら>
10位予想 : ゴースト≠ノイズ(リダクション) / 十市社 <感想記事はこちら>
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11位予想 : 小さな異邦人 / 連城三紀彦 <感想記事はこちら>
12位予想 : 東京自叙伝 / 奥泉光 <感想記事はこちら>
13位予想 : 桃ノ木坂互助会 / 川瀬七緒 <感想記事はこちら>
14位予想 : 暗い越流 / 若竹七海 <感想記事はこちら>
15位予想 : 雨の狩人 / 大沢在昌 <感想記事はこちら>
16位予想 : 半導体探偵マキナの未定義な冒険 / 森川智喜 <感想記事はこちら>
18位予想 : オービタル・クラウド / 藤井太洋 <感想記事はこちら>
20位予想 : ナイト&シャドウ / 柳広司 <感想記事はこちら>
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21位予想 : 水底の棘 法医昆虫学捜査官 / 川瀬七緒 <感想記事はこちら>
22位予想 : 異次元の館の殺人 / 芦辺拓 <感想記事はこちら>
23位予想 : 黒龍荘の惨劇 / 岡田秀文 <感想記事はこちら>
24位予想 : ケモノの城 / 誉田哲也 <感想記事はこちら>
25位予想 : 無縁旅人 / 香納諒一 <感想記事はこちら>
27位予想 : ○○○○○○○○殺人事件 / 早坂吝 <感想記事はこちら>
29位予想 : 金魚鉢の夏 / 樋口有介 <感想記事はこちら>
30位予想 : 名探偵登場! / アンソロジー <感想記事はこちら>
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1位に予想した「さよなら神様」は、5年ぶりの新刊発売となった2010年以降の4作品全てがランクイン&その前も含めると現在6作連続ランクイン中と作者の「このミス」との相性は最高なのですが、作風的に「本格ミステリ・ベスト10(本ミス)」では1位の最有力候補であるものの「このミス」では(上位は確実も)1位争いまではいかないのではないかと思い、当初は他の作品を1位予想にしようかと考えていました。
しかし、1位争いが混戦となった場合には「このミス」との相性の良さが頭一つ抜け出す大きな武器となりそうだし、「本ミス」で1位候補だからといって「このミス」では1位にはならないということはないと考えれば、本作で麻耶作品の「このミス」初1位も充分にあるのではと思い始めたので、急転直下でこの作品を1位予想とすることにしました。
2位予想の「機龍警察 未亡旅団」は、2作目のNo.492「自爆条項」が9位、3作目のNo.586「暗黒市場」が3位と実績あるシリーズの4作目で、そんな前作までに勝るとも劣らない内容だったので当初は1位に予想しようと考えていたのですが、混戦の1位より大本命で誰もが納得の1位を次作以降に果たしてほしいな~という思いと、ベスト10にもう1作入る予想にしたことをあり、1位には一歩届かずの2位と予想することに。
3位予想の「闇に香る嘘」は、ランクイン率はあまり高くないけれど入る時は高順位な印象のある江戸川乱歩賞受賞作ですが、社会派ドラマ的にもミステリ的にも新人離れした内容だったのでいきなりの高順位もあるとみて、乱歩賞最高順位更新と予想(これまでの乱歩賞最高順位は「テロリストのパラソル」〈藤原伊織〉の6位)。
4位予想の「アルモニカ・ディアボリカ 」は、前作No.480「開かせていただき光栄です」が「このミス」3位を始め各ミステリ系ランキングでことごとく上位に入りましたが、続編である本作もそんな前作に負けない面白さがありましたし、ここ数年の作者人気もあるので、シリーズ2作連続ベスト5入りと予想してみました。
5位予想の「満願」は、“古典部シリーズ”を除けば発表した11作中10作がランクインし(古典部シリーズを除けば)9作連続ランクイン中という「このミス」との相性が抜群作家ですし、ノンシリーズの短編集ながら山本周五郎賞受賞&直木賞初ノミネートとすでに結果を出しているので、昨年のNo.633「リカーシブル」(7位)より上になると予想。
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6位予想の「ペテロの葬列」は、1位候補の一つではあると思うのですが、すでにテレビドラマ化されていることで票の伸びが鈍り1位争いからは一歩下がるのではないかということで、シリーズ前作No.83「名もなき毒」と同じ順位に。
7位予想の「貘の檻」は、出す作品のほとんどがランクインしていた時期の作品と比べると少し物足りなさを感じるものの、文芸寄りの作風に変わっていた時期にも(ランクインするまではいかないとはいえ)結構な票が入るなど「このミス」投票者に好かれた作家ですし、久々にミステリらしい作風に戻ってきたことでそれを歓迎する意味合いでの票が入りそうということで、思い切ってベスト10入りと予想。
8位予想の「土漠の花」は、票割れを考えれば「機龍警察 未亡旅団」に票が流れてしまいそうではあるものの、これまでにも同一作家の2作や3作同時ランクインは何度もあることから予想をするうえで票割れはあまり考えなくても良さそうだし、「機龍警察 未亡旅団」が同一期間になければ本作は間違いなくベスト10に予想していただろうことから、作品単位で考えることにして2作同時ベスト10入りにしてみました。
9位予想の「大江戸恐龍伝 」は、単行本で全5巻の時代冒険小説ということでボリューム的にもジャンル的にも読む人を限定しそうなので、全く票が入らない可能性すらあると思うのですが、時代小説や冒険小説以外にも様々なエンタメ要素が盛り込まれているので読んだ人ならば票を入れたくなるのではないかと考え、結構思い切ってベスト10入りと予想。
10位予想の「ゴースト≠ノイズ(リダクション)」は、新人賞を受賞したわけではないデビュー作ではありますが、ミステリと青春物語とサスペンスとが絶妙に絡み合った「このミス」好みの内容だったように思うので、かなり思い切ってベスト10予想に。
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11位予想の「小さな異邦人」は、昨年亡くなった連城三紀彦の未発表短編集で、「このミス」では追悼の意味合いで票が集まることがあまりないどころか逆に票が入りにくくなる傾向にある(ように思う)のですが、山田風太郎(亡くなった年に2作同時ランクイン)や泡坂妻夫(ミステリ要素がほとんどない未発表短編集がランクイン)など「このミス」実績のある名人級の作家は例外なので、連城三紀彦もその例外の方に入るのでは。
そして今年の期間には他にも長編が2作も発売されていて、ただどちらも読んでいないため連城作品をランクインと予想するにはこの短編集しか選びようがなかったものの、そうでなくても連城三紀彦は短編の名手としての評価が高かったので、この短編集が最上位となる可能性は大いにあるのではないでしょうか。
12位予想の「東京自叙伝」は、どちらかといえば文芸寄りの作風なので「このミス」の対象から外れそうではあるものの、これをジャンル分け不能の奇想小説と捉えるならば充分に「このミス」の対象範囲に入って来そうですし、作者の「このミス」実績や意外と文芸系の作品にも票を投じる投票者が多いことも考えると、このくらいの順位に入ってもおかしくないのでは。
13位予想の「桃ノ木坂互助会」は、昨年に次点(21位)であったシリーズの新作である「水底の棘 法医昆虫学捜査官」の方が初ランクインの有力候補であるとは思いますが、老人たちの世直し物語かと思いきや迫力あるサスペンス劇が繰り広げられる本作も同時にランクインし、さらにはこちらの方が上に来る可能性すらあるのではないかとみて、思い切ってこの順位に予想。
そして「水底の棘」の方は、当初は20位以内にしようと考えていたものの、結局はシリーズ前作と同じ次点(21位)にしてみました。
14位予想の「暗い越流」は、近年ではランクイン率がかなり下がってしまた日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作収録短編集なのですが、近年寡作となっている著者の久々の新作であること、これまで様々な文学賞で最終候補止まりだったのが本作(収録作)でようやく初受賞となったこと、そして受賞作以外の作品もインパクトある名作揃いということから、久々のランクインを果たすのではないでしょうか。
15位予想の「雨の狩人」は、シリーズ2作目「砂の狩人」が2003年版4位にランクインしたシリーズの4作目で、“新宿鮫シリーズ”と比べるとエンタメ的な迫力では劣るものの、今年はハードボイルド/警察小説などの硬派なジャンルで評価が高い作品が例年に比べて少なかったこともあり、そういった大人向け票を集めてランクインしてきそうな感じがします。
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16位予想の「半導体探偵マキナの未定義な冒険」は、昨年発売の「スノーホワイト」(「このミス」では35位)で本格ミステリ大賞を受賞したということで注目度が一気に上がっていて、レーベル的にも本作の方が読まれやすいと思いますし、ロボット探偵を使って探偵論的な物語を描くというマニア心をくすぐる内容が「このミス」でも票に繋がるのではないかと予想。
17位予想の「代償」は、エンタメ的な盛り上がりとしてはそこまで読み応えがあるタイプではないものの、鬼畜的知能犯を中心としたクライムサスペンスとして読めば結構な迫力があったので、そこが評価されればランクインもあるのでは。
18位予想の「オービタル・クラウド」は、「このミス」ランクインと考えれば少し優等生的すぎる作風がマイナスとなるようにも感じましたが、物語のスケール感やエンタメとしての盛り上がりはかなりのものがあったので、ここ数年のSF人気(SF系作品が現在3年連続ランクイン中)もあり票を集めて来そうな感じが。
19位予想の「黒富士」は、木口木版画家による11年ぶり2作目となる小説作品なのですが(前作は8位にランクイン)、このアバンギャルドでとんでもない世界観は評価されてほしいなと思い、応援的な気持ちも込めてランクインと予想。
20位予想の「ナイト&シャドウ」は、作者がNo.162「ジョーカー・ゲーム」以降に発表した作品(内容)とその票数を参考にしてみると本作はランクインするかどうかギリギリの所まで来そうに思えますし、なんとなくギリギリランクインの20位という順位がピッタリくるように感じたのですよね。
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というわけでランキング(順位)予想を行ってみたのですが、ランキングが発表された後には、予想の結果や反省を行う<反省会>を更新する予定です(後日追記:更新しました「このミス2015年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>)。
あとは、“自分がもし「このミス」投票者だったら?”ってことで個人的なベスト6を発表する「このミス2015年版」投票者なりきりベスト6も更新する予定なので(後日追記:更新しました「このミス2015年版」投票者なりきりベスト6)、もしよかったらそちらもご覧になってみてください。
そして、 「このミス2015年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう!という閲覧者参加型企画を実施しているので、ぜひともお気軽にご参加ください。
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【「このミステリーがすごい!2015年版」関連記事】
> 「このミス2015年版」上半期のランクイン候補作品 (14.2.14)
> 「このミス2015年版」下半期のランクイン候補作品 (14.8.12)
> 「このミス2015年版」のベスト10作品をみんなで予想しよう! (14.11.2)
> 「このミステリーがすごい!2015年版」ランキング(順位)予想 (14.11.14)
> 「このミス2015年版」投票者なりきりベスト6 (14.12.7)
> ミステリー・推理小説総合ランキング(2014年) (14.12.2)
> 「ミステリが読みたい!2015年版」 (14.11.25)
> 「週刊文春ミステリーベスト10(2014年)」 (14.12.4)
> 「2015 本格ミステリ・ベスト10」 (14.12.5)
> 「このミステリーがすごい!2015年版」 (14.12.8)
> 「このミス2015年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編> (14.12.9)
> 「このミス2015年版」ランキング(順位)予想 <反省会・各論編> (14.12.10)
> 「このミス2015年版」ランクイン作品を
事前に読んでしまおう!<反省会> (14.12.18)
> 「この“ランク外作品”がすごい!2015年版」 (14.12.26)
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>>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<
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