『水底の棘 法医昆虫学捜査官』 川瀬七緒 > 「このミス」完全読破 No.774
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.774
『水底の棘 法医昆虫学捜査官』 川瀬七緒
「このミス」2015年版 : 36位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2014.9.5~ 読終:2014.9.6
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2014年7月>
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No.578「147ヘルツの警鐘(法医昆虫学捜査官)」、No.737「シンクロニシティ」に続く、“法医昆虫学捜査官シリーズ”の3作目です。
1作目は「このミス」で2票入ったのみ(57位)でしたが、昨年(2013年)に発売された2作目はランクインこそ逃したものの次点の21位となるなど、「このミス」での評価も徐々に上がっているシリーズとなっています。
なお、やはりシリーズものなので1作目から順に読むのが一番だとは思いますが、前作までのネタバレはないですし、登場人物たちのキャラクターや関係性、法医昆虫学捜査についてなど本作を読み進めていけば自然に分かってくると思うので、本作から読んでも問題はないと思います。
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今回は法医昆虫学者の赤堀涼子自らが損傷の激しい遺体の第一発見者となるのですが、その遺体が死に至った原因について大物解剖医と意見が対立。
そのため、赤堀先生と岩楯警部補(&鰐川)とが協力し、赤堀の見解を証明して事件の真相を明らかにするべく捜査を進めていきます。
赤堀先生による法医昆虫学の専門知識を駆使した捜査は、通常の刑事による捜査とは異なる視点・思考・行動で見事に真相へ向かう(予想外の)道筋を見つけ出すので相変わらずの面白さですし、ただ頭脳明晰にスパッと真実を見抜くのではなく、悪戦苦闘し紆余曲折ありながらも並々ならぬ執念で謎に向き合っていくところも魅力的です。
その一方で、今回は赤堀先生と岩楯警部補が別行動をとることが多いこともあって、通常の刑事による捜査(岩楯警部補側)も前作まで以上に活き活きと描かれていますし、その分 地道な捜査場面が増えたようにも感じるものの、そんな捜査の過程で(赤堀先生に負けず劣らずの)キャラの濃い人物たちと出会っていくので、それが良いアクセントとなっています。
それに、主要人物たちのコミカルさなやり取りは益々息が合っていて楽しく、それでいてクライマックスなど迫力抜群なシーンもあるなど、このシリーズの魅力を存分に味わうことのできる捜査ミステリ小説に仕上がっているので、前2作を楽しんだ人はもちろん、まだ読んだことのない人にもお薦めの作品ですね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
【 “川瀬七緒”関連記事 】
> No.839 「メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官」
> No.774 「水底の棘 法医昆虫学捜査官」
> No.740 「桃ノ木坂互助会」
> No.737 「シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官」
> No.578 「147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官」
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