『冷たい太陽』 鯨統一郎 > 「このミス」完全読破 No.768
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.768
『冷たい太陽』 鯨統一郎
「このミス」2015年版 : 52位
受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 11位
「ミステリが読みたい!」 17位
読始:2014.8.18~ 読終:2014.8.20
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2014年6月>
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幼稚園に通う高村美羽の誘拐事件が発生。
犯人から電話で身代金5000万円を用意しておくように言われた美羽の父は、自身の会社の経営が今まさに危機的状況なのにも関わらず、なんとかお金を用意することに成功。
しかし犯人は、思いもよらない受け渡し方法を指示してきて.....。
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というわけで本作ですが、全編に渡って一つの事件を描いた誘拐ミステリ作品です。
誘拐ミステリといえば、古くからミステリ(推理)小説の定番ジャンルの一つで、これまでに歴史的名作から話題にならない凡作まで数多くの作品が発表されているため、すでにこのジャンルでやれそうなことは出尽くしてしまった感もあります。
したがって近年の誘拐ミステリ作品はこれまでにないような思い切ったアレンジや捻りを加えないといけないのですが、本作は意外な展開、意外な(犯人からの)要求、意外な探偵役など、意外性を伴ういくつもの要素によって演出されています。
さらにはシンプルに驚かされてしまうどんでん返しがあり、それを誘う絶妙な伏線も職人技のように様々な場面に仕掛けられているので、既視感を覚えることのない(であろう)鯨作品ならではの誘拐ミステリとなっているのですね。
とはいえ、あくまで読者を驚かせるためにトリックが仕掛けられていることもあり、少々強引な感じがあるし物語も軽めで、しかも会話文がほとんどなのでページ数の割にはあっという間に読み終えることが出来てしまいます。
そのため、“ミステリ的仕掛け重視派”な人は傑作と感じ、“物語重視派”な人は薄っぺらく感じてしまうという、評価が極端に別れてしまう作品となっているため、本作を誘拐ミステリとして楽しむだけでなく、自身がどちらの派に寄っているのか確認するという楽しみ方も出来るのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★
恋愛ラブラブ度 : ★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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> No.032 「邪馬台国はどこですか?」
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