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2014年9月12日 (金)

『黒翼鳥 NCIS特別捜査官』 月原渉 > 「このミス」完全読破 No.769

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.769

 『黒翼鳥 NCIS特別捜査官』 月原渉

   「このミス」2015年版 : 投票数0

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング :

   読始:2014.8.21~ 読終:2014.8.21

   読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2014年4月>

黒翼鳥: NCIS特別捜査官黒翼鳥: NCIS特別捜査官
月原 渉

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 No.670「月光蝶」に続く、“NCIS特別捜査官シリーズ”の2作目です。

 NCISというのはアメリカ海軍犯罪捜査局の略称で、海軍や海兵隊の内部で行われた犯罪の捜査を担う部署であるため、このシリーズはジャンル的には“軍事ミステリ”となります。

 なお、前作に引き続いて登場する人物もいますが、その他多数の登場人物や舞台・事件などは前作とは異なるので、本作から読んでも問題ないと思います。

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 米軍によるオスプレイのテスト飛行中に、搭乗していた唯一の日本人自衛官が機内で刺殺される事件が発生。

 事件発生時に同乗者は全員厳重なシートベルトを着用していたこともあり、他殺はあり得ないという理由から関係者が自殺として処理しようとする中、NCIS捜査官のディック・ヌーナンは周囲の反発を招きながらもあくまで他殺事件として捜査し始めます。

 前作は横須賀米軍基地全体を一つの密室に仕立てるというインパクトある密室設定でしたが、(安全性への不安から飛行・配備に対して反対運動が起こりニュース等で度々話題になっている)軍事用航空機“オスプレイ”が密室の舞台なる今回もインパクトの強さでは見劣りしません。

 そんな特殊な密室殺人事件に対しNCIS捜査官が真相解明に挑んでいく物語は、登場するのがほぼ米軍関係者ということもあって(戦争・集団戦闘場面はないものの)軍事色が強く、海外小説を思わすような重厚感ある雰囲気を醸し出し、軍人ならではのド派手なアクションシーンもあるなど、米軍が舞台という設定を活かした演出で描かれていきます。

 その一方で、NCIS捜査官による捜査の中心は“いかにして密室を破るか”で、様々な証言や物証などを基に推理していきますし、真相披露(謎解き)場面はまさに往年の探偵小説のようだったりと、物語の芯を貫くのは本格ミステリの王道なのです。

 そんな軍事小説と本格ミステリとがそれぞれの要素を主張したまま絶妙に融合した軍事ミステリなので、そういったところに本作(このシリーズ)ならではの読み応えある魅力が生み出されているのですが、ただ密室トリック自体は結構ありふれたもので意外性はないので、そこ(密室トリック)をどう捉えるかで本作の評価は大きく変わってしまいそうです。

 ちなみに自分としては、前作の舞台が馴染みのある横須賀で、しかも米軍基地を一つの密室にしてまうというスケール感絶大な密室設定に心奪われたことから大絶賛だったのに対し、本作は馴染みのない舞台で密室のインパクトも(個人的には)前作ほどではなかったためか、そして(前作の個人的評価から)本作に対して大きな期待を込めてしまったためか、面白かったのだけれどいまいち物語に入り込むことが出来ませんでしたね。


> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★★★  鬼畜グログロ度 : ★★
 ビックリ驚愕度  : ★★       おどろおどろ度 : ★★
 熱アクション度  : ★★★★    主キャラ魅力度 : ★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★        人間味ドラマ度 : ★★★
 下ネタエッチ度 : ★★      感涙ウルウル度 : ★★
 衝撃バカミス度 : ★★★     気軽に読める度 : ★★★

 * 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
  <個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
  「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください


  【 “月原渉” 関連記事 】

  > No.769 「黒翼鳥 NCIS特別捜査官」
  > No.670 「月光蝶 NCIS特別捜査官」


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