『河原町ルヴォワール』 円居挽 > 「このミス」完全読破 No.762
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.762
『河原町ルヴォワール』 円居挽
「このミス」2015年版 : 62位
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング : 「エアミス研ランキング」 3位
「本格ミステリ・ベスト10」 13位
読始:2014.7.24~ 読終:2014.7.27
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本(講談社BOX) <2014年3月>
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No.288「丸太町ルヴォワール」、No.495「烏丸ルヴォワール」、No.623「今出川ルヴォワール」に続く、“ルヴォワールシリーズ”の4作目です。
“講談社BOX”というラノベ系のレーベルから発売されながら、1作目が「このミス」「本ミス(本格ミステリ・ベスト10)」共にランクインするなど、ミステリ作品としての評価も高い人気のシリーズですが、本作でとうとう完結となります。
なお、中心となる事件は巻ごとにことなりますが、メインのキャラクターが多いですし、シリーズを通して描かれていく流れが幾筋もあり、いきなり途中の巻から読んでも物語を理解しにくいと思うので、1作目から順に読むことをお薦めします。
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というわけで最終巻となる本作は、あるメインキャラクターが殺されるという衝撃の場面から幕を上げ、この事件を巡って私的裁判“双龍会”が開かれます。
前作ではオリジナル盤上ゲーム賭場大会“権々会”が中心となるなど、シリーズが続いていく中で新たな要素が組み入れられたりしましたが、やはり最終巻だからなのか、このシリーズで一番の魅力的イベントである“双龍会”がほぼ全編に渡って繰り広げられるので、原点回帰的な内容でした。
この“双龍会”を改めて簡単に説明してみますと、作中舞台(京都)のみに古くから伝わる私的裁判のことで、(普通の裁判とは違って)事件の真相を明らかにする場ではなく、検察側は弁護側を、弁護側は検察側をいかにして論理的に言いくるめることが出来るかで勝敗を決めるという、ある意味“詭弁合戦”なのです。
そんな“双龍会”における騙し合い仕掛け合いひっくり返し合う熱戦は今回も圧巻の迫力で、二転三転していく展開に読んでいて翻弄されてしまいますし、1作目における“どんでん返しの連発”とはタイプが違うものの、読者をも見事に欺いてしまうどんでん返しは大胆ながら非常に鮮やかで、シリーズを締めるのに相応しい驚きを生み出していたように思います。
さらにはこのシリーズの裏ストーリーとでもいうべき恋愛話の方も見事な結末へと導かれていくので、これまでのシリーズ3作を心から楽しめた人であれば、必ずやシリーズの魅力がてんこ盛りとなった大団円に大満足出来るだろうし、このシリーズに対してさらに愛着がわくこと間違いなしですね。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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> No.623 「今出川ルヴォワール」
> No.495 「烏丸ルヴォワール」
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