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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.761
『水族館の殺人』 青崎有吾
「このミス」2014年版 : 28位
受賞(候補) : (「本格ミステリ大賞」候補)
総合ランキング :
年度ランキング : 「本格ミステリ・ベスト10」 2位
「黄金の本格ミステリー」 選出
読始:2014.7.4~ 読終:2014.7.6
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : 単行本 <2013年8月>
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No.729「体育館の殺人」に続く“裏染シリーズ”の2作目です。
鮎川哲也賞受賞作でもある前作は、いきなり「本格ミステリ・ベスト10」(本ミス)で5位にランクインするなど、新人作家のデビュー作としてはかなり高い(本格ミステリとしての)評価を受けました。
そしてその翌年(2013年)に発売されたのがデビュー2作目にしてシリーズ2作目である本作なのですが、今度は「本ミス」で2位にまで順位を上げ、1作目が57位だった「このミス」ではランクインまであと一歩の28位となり、さらには本格ミステリ大賞の候補に選ばれるなど、1作目以上の評価を受けることになったのですね。
なお、前作とは描かれる事件が異なるため本作から読んでも楽しむことができると思いますが、前作から引き続いて登場するキャラクターが結構多いですし、前作を読んでいないと理解できないやり取りや関係などもあるので、前作から順に読むことをお薦めします。
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風ヶ丘高校の新聞部が横浜丸美水族館で取材を行っていると、館内で殺人事件が発生。
(前作にも登場した)仙堂&袴田の刑事コンビがやって来て捜査を開始するも、容疑者全員にアリバイが成立してしまうなど事態は混迷状態となったため、(前作からの腐れ縁である)校内に無許可で住みつくアニメオタク・裏染天馬の協力を得ることに.....。
というわけで本作は水族館が舞台となっているのですが、やはり消去法を中心とした論理的推理よって事件の謎を丁寧に解いていくという古き良き本格ミステリの魅力と、登場人物の個性的(漫画的)なキャラクターやそのコミカルなやり取りから来る現代ミステリの魅力とが絶妙に絡み合っています。
それに、(前作と同様に)何でもないような小道具一つから事件の真相へと辿り着いてしまう天馬の推理は相変わらず鮮やかですし、消去法による推理も前作と比べて穴(わかりやすい詰めの甘さ)がなくなり推理小説としてさらに精練されているので、本作により前作がフロックではないことを完全に証明しているのはもちろん、“平成のクイーン”という称号も素直に受け入れられてしまうほどの(本格ミステリ的)素晴らしさなのですね。
ただ、犯人の動機などの描写があっさりしているところからも新本格時代の本格ミステリ作品が批判されてきた部分をも踏襲しているようであるなど、一つのジャンルにこだわった側面があるので好みは別れそうですが、ロジック系ミステリが好きな人であれば本作の魅力に思う存分酔いしれることが出来るのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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> No.1080 「早朝始発の殺風景」(後日更新予定)
> No.0934 「図書館の殺人」
> No.0761 「水族館の殺人」
> No.0729 「体育館の殺人」
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