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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.740
『桃ノ木坂互助会』 川瀬七緒
「このミス」2015年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2014.4.21~ 読終:2014.4.25
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2014年2月>
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元海自曹長の熊谷光太郎は、近年になって移り住んできた住民たちにより、自分が生まれ育った横浜の町・桃ノ木坂の雰囲気が変わってしまったことを憂えている、桃ノ木坂互助会の会長。
この桃ノ木坂互助会というのは、桃ノ木坂に住む老人たちが集まってパトロールやゴミ拾いなど地域のために活動している老人会。
しかし実はこの互助会には、古き良き日の桃ノ木坂を取り戻したいと本気で考えている曹士たち(選抜メンバー)による“特務隊”が(他の会員には秘密裏に)結成され、トラブルを起こしている他所者住民を追い出すべく暗躍していて.....。
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というわけで本作は、老人による世直し隊物語でして、街に害を成す他所者住民に対してメンバーそれぞれの特技を活かした嫌がらせを(その存在を知られぬよう)敢行し、街から追い出す活動をしています。
しかし今回のターゲット・武藤はかなり危険な人物で、老人たちにやられる一方では終わらず凶暴な敵意を見せてくるので、光太郎たちの作戦はこれまでのように上手くはいきません。
しかも光太郎たちとは別の何者かもこの武藤に対して攻撃を仕掛け始めたことがわかり、そこからは三つ巴での緊迫した駆け引きと攻防が繰り広げられるので、急激に犯罪サスペンス的展開に突き進んでいくのです。
同じターゲットを狙う両者の対比が見事な人間ドラマを生み出していますし、クライマックスにおけるホラーをも思わせる展開には昨年のNo.737「シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官」に負けず劣らずの緊張感溢れる迫力があり、ミステリ的な仕掛けやサプライズで物語に刺激を与えているので、サスペンスとしての読み応えは一級品だったように思います。
そういった内容なので、最近テレビドラマ化された『三匹のおっさん』(有川浩)のような世直し人情物語を想像して読んでしまうと期待外れに思う人がいるかもしれないものの、「このミス」系作品が好きな人であればかえってこちらの作風の方が断然に面白く感じるのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
【 “川瀬七緒”関連記事 】
> No.839 「メビウスの守護者 法医昆虫学捜査官」
> No.774 「水底の棘 法医昆虫学捜査官」
> No.740 「桃ノ木坂互助会」
> No.737 「シンクロニシティ 法医昆虫学捜査官」
> No.578 「147ヘルツの警鐘 法医昆虫学捜査官」
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