『双孔堂の殺人 ~Double Torus~』 周木律 > 「このミス」完全読破 No.739
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.739
『双孔堂の殺人 ~Double Torus~』 周木律
「このミス」2014年版 : 0票
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2014.4.18~ 読終:2014.4.20
読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"後"
読んだ版 : ノベルス <2013年8月>
![]() | 双孔堂の殺人 ~Double Torus~ (講談社ノベルス) 周木 律 講談社 2013-08-07 売り上げランキング : 333841 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
No.652「眼球堂の殺人 ~The Book~」に続く、“堂シリーズ”の2作目です。
1作目はメフィスト賞を受賞したデビュー作でしたが、異形な館や大掛かりなトリックなど、かつて人気だった“新本格”の直球を行くような内容が好評を受けるも、前例が思い浮かぶような新鮮味のないトリックにより酷評も多く見受けられました。
とはいえ、「本格ミステリ・ベスト10」では19位にランクインし、トリック重視の本格ミステリ系新人作品に票が入りにくい「このミス」でもランクインまであと一歩の22位だったので、年末恒例ミステリランキングにおいては高評価が目立つ結果となったのですね。
そして本作は、そんな1作目からわずか4ヶ月後に発売された2作目なのですが、実は(メフィスト賞を受賞した)1作目よりも前にメフィスト賞に投稿し(受賞はならなかったものの)高評価を得た「ダブル・トーラス」が元になっています。
なお、作中に起きる事件や舞台、主人公以外の登場人物は1・2作目で異なりますし、1作目のネタバレ等もないので、本作から読んでも問題ないですが、ただ前作を読んでいないと本作でのちょっとしたサプライズが意味不明になってしまうので、やはり1作目から順に読むことをお薦めします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
警察庁キャリアの宮司司は、妹のたっての願いにより、放浪の数学者・十和田只人が今居るらしい鍵形の館“双孔堂(ダブル・トーラス)”を訪れることに。
しかしその奇妙な館に着いてみると、館内では謎の殺人事件が起き、しかも事件の犯人として十和田が逮捕されていて.....。
というわけで本作も、奇妙な構造の館で連続殺人事件が起き、(数学の)蘊蓄話がこれでもかと語られ、驚くべきトリックを探偵役が解き明かすという、往年の新本格を思わす内容のミステリ作品となっています。
ただ今回は、警察庁キャリアの宮司が語り部役となって警察側の立場から事件(物語)全体を提示していきますし、序盤でシリーズ主人公が逮捕されるという意外な展開となるなど、前作とはまた異なる趣向で館系本格ミステリを堪能できるはずです。
それでもやはり、蘊蓄やトリックなど前作と同様の批判(を受けやすい)ポイントも変わらずあるため、この作風が合わない人ならば今回も不満を感じてしまうかもしれませんが、そうでなければこの“現代に甦った古き良き新本格ミステリ”を心行くまで楽しむことが出来るのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
【 “周木律”関連記事 】
> No.739 「双孔堂の殺人 ~Double Torus~」
> No.652 「眼球堂の殺人 ~The Book~」
「七日じゃ映画は撮れません」真藤順丈 <<< PREV
NEXT >>> 「桃ノ木坂互助会」川瀬七緒
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
>>> 「このミス」完全読破 説明&読破本リスト <<<
« 「ジャンプNEXT!! 2014 vol.2」 > 週刊少年ジャンプ増刊! | トップページ | ◎青葉賞(2014年)穴馬予想&結果 »
「01.「このミス」完全読破(ミステリ小説)」カテゴリの記事
- 「このミステリーがすごい!2022年版」ランキング(順位)予想(2021.02.03)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年2月)(2021.01.31)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2021年1月)(2021.01.21)
- 「このミス2022年版」月別ランクイン候補作品(2021年1月)(2021.01.09)
- 「このミス」ランクイン作品文庫化リスト(2020年12月)(2020.12.20)