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「このミステリーがすごい!」完全読破 No.728
『亡霊ふたり』 詠坂雄二
「このミス」2015年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2014.3.3~ 読終:2014.3.6
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2013年12月>
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これまで(2013年まで)に発表された詠坂作品は、シリーズとして括られているわけではないのですが、ほとんどの作品が同じ遠海市を主な舞台としているので、“遠海サーガ”とも言うべき作品群となっています。
まあシリーズではないので、どの作品から読んでも楽しむことが出来るものの、複数の作品に共通して登場する人物や、様々な作品で話題に上る人物などいるため、やはり過去の作品を多く読んでいればそれだけ楽しみ所も増えるわけなのです。
それは本作も例外ではなくて、もちろん本作から読んでも問題ないのですが、比較的繋がりの強い「リロ・グラ・シスタ」と「遠海事件 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?」、そして繋がりはこの2作より弱めですがNo.372「ドゥルシネーアの休日」をあらかじめ読んでいれば、小ネタ的な感じで本作をより楽しむことが出来るのではないでしょうか。
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遠海西高校ボクシング部の高橋和也は、日課のロードワーク中に、最近幽霊が出ると噂の廃校を眺めていたところ、そこで同じ学年の若月ローコと出くわすことに。
名探偵を目指していると言うローコに一緒に廃校の中に入ろうと誘われ、気乗りしないながらも誘いに応じたのは、和也は実は卒業までに人を1人殺そうと計画している殺人志望者だったからで.....。
詠坂作品といえば、とにかく読む人を選びそうな癖の強い異色作が多かったのですが、本作は驚くほどに正統派な学園青春物語が繰り広げられていきます。
とはいえ、メインとなる人物が“人を殺したいと思っている少年”と“名探偵を目指している少女”という、青春物語の主人公としてはかなり捻くれていて歪な関係なので、学園青春ものの定番的展開を進んでいても、やはりどこか捻くれていて歪な雰囲気となっているのですね。
それに、本格ミステリ度はそれほど高くないですし、途中でボクシングの試合シーンが挿入されるなど一筋縄にはいかなりストーリー展開だったりもするので、詠坂作品としては比較的一般向けの作風とはいえ、やはり好みが分かれそうな内容であったように思います。
ただ、詠坂版学園青春物語としての雰囲気や味わい深さが独特の読み心地となって醸し出されていたことは間違いないので、詠坂作品好きな人であれば本作の魅力を満足なほどに堪能できるに違いありません。
> 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* 個人的評価は、減点方式ではなく加点方式となっています
<個人的評価&項目別評価>の詳しい説明・評価基準は
「このミス」完全読破 説明&読破本リストにてご確認ください
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> No.0728 「亡霊ふたり」
> No.0595 「インサート・コイン(ズ)」
> No.0403 「電氣人閒の虞」
> No.0372 「ドゥルシネーアの休日」
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