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2014年2月15日 (土)

『アルモニカ・ディアボリカ』 皆川博子 > 「このミス」完全読破 No.723

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.723

 『アルモニカ・ディアボリカ』 皆川博子

   「このミス」2015年版 : 17位

   受賞(候補) :

   総合ランキング :

   年度ランキング : 「ミステリが読みたい!」 4位
               「週刊文春ミステリーベスト10」 13位

   読始:2014.2.9~ 読終:2014.2.12

   読んだ時期 : 「このミス」ランキング発表"前"

   読んだ版 : 単行本 <2013年12月>

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皆川 博子

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 No.480「開かせていただき光栄です」に続くシリーズの2作目です。

 前作は、「このミス」「本ミス(本格ミステリ・ベスト10)」「文春(週刊文春ミステリーベスト10)」「早ミス(ミステリが読みたい!)」のミステリ系ランキング全てで3位にランクインし、本格ミステリ大賞を受賞するなど、ミステリ作品として高い評価を受け、作者自身も80歳を超えての再ブレイクを果たしました。

 そして本作は待望の続編となるのですが、前作の5年後の物語ということもあり、中心となる事件や騒動は前作とは異なります。

 しかし、前作の物語を踏まえたうえでストーリーが展開していきますし、前作の内容に関する言及(ネタバレ含む)も様々な個所で出てくるのですね。

 そのため、前作をすでに読んでいても、その内容を忘れてしまっているのならば前もって再読しておいた方が本作をより楽しむことが出来るだろう内容なので、前作を未読の人ならなおのこと、まずは前作から順に読むことを強くお薦めします。

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 前作の事件から5年後、かつて解剖医ダニエルの弟子であった面々が編集発行している犯罪摘発情報新聞『ヒュー・アンド・クライ』の事務所に、広告の依頼のため勲爵士ラルフ・ジャガーズが訪問。

 その内容は、採石場の坑道内で空を舞う天使の目撃情報と共に屍体が発見されたため、この事件に関する情報を広告で募りたい、というもの。

 この屍体には謎の暗号が書かれているなどとても奇妙で謎の多い事件であるため、ダニエルの元弟子たちは、盲目の治安判事ジョン・フィーリングや助手のアンらと共に、事件の謎を解明するべく動き出すことに.....。

 海外が舞台の皆川博子作品といえば、重厚で濃密で妖艶に描かれる好みの分かれやすそうな大作が多いものの、このシリーズに関しては、元弟子たちを始めとした登場人物たちのキャラクターやそのやり取りが軽快でコミカルささえ感じられるので、(皆川作品としては)読みやすく多くの人に親しまれやすい作風なのではないでしょうか。

 そして内容の方は、前作と関わってくる部分が多いためなかなか説明しづらいのですが、本作の事件の謎を追っていく中で前作との結びつきが強まっていくところなど読み応えがありますし、あれだけ面白かった前作をベースにしているので、本作も面白い物語であるのは必然的なことなのですよね。

 本作単体として見ても、(前作とはまた別の)過去エピソードと次第に絡み合っていくことでミステリ的な魅力を生み出していましたし、18世紀のイギリスの雰囲気が活き活きと描かれていて、楽しいだけでなく過酷で壮絶なエピソードに心を揺さぶられたりもするので、前作の世界観が好きだった人ならば本作にも大きく満足できるはずです。


> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆


 本格ミステリ度  : ★★★★    鬼畜グログロ度 : ★★★
 ビックリ驚愕度  : ★★       おどろおどろ度 : ★★★
 熱アクション度  : ★★       主キャラ魅力度 : ★★★★
 恋愛ラブラブ度 : ★★★      人間味ドラマ度 : ★★★★
 下ネタエッチ度 : ★★       感涙ウルウル度 : ★★★
 衝撃バカミス度 : ★★       気軽に読める度 : ★★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


  【 “皆川博子”関連記事 】

  > No.777 「ミステリマガジン700 【国内篇】」
  > No.776 「影を買う店」
  > No.723 「アルモニカ・ディアボリカ」

  > No.692 「海賊女王」
  > No.547 「双頭のバビロン」
  > No.480 「開かせていただき光栄です」
  > No.137 「倒立する塔の殺人」
  > No.007 「死の泉」


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