2013年11月~2014年4月に発売された作品を対象とした、「このミステリーがすごい!2015年版」上半期のランクイン候補作品を予想をしてみましょう
ただ、まだ対象作品が下半期も含めて全て出揃う前の時点で順位まで予想してしまうのはさすがに無茶なので、今回は、自分がこれまで読み終えることが出来た作品の中から、「ベスト10入りが確実と予想される作品」「ベスト20入りする可能性が高いのではと予想される作品」などの項目ごとに該当する作品を入れてみたいと思います
そして、11月の半ば頃に、「上半期~」「下半期~」を元に、最終的な“ランキング(順位)予想”の記事を書く予定です(後日追記:予想記事を更新しました→「このミステリーがすごい!2015年版」ランキング(順位)予想)
対象となる上半期(2013年11月~2014年4月)に発売された中ですでに読み終えた作品は以下の通り(この対象作品は、読み終えるごとに追加していきます)
【 これまでに読み終えた対象作品一覧(2015年版・上半期) 】
* このリストのみ、タイトル部分のリンク先は当ブログの感想記事
・ 探偵部への挑戦 放課後はミステリーとともに2 / 東川篤哉
・ ジャーニー・ボーイ / 高橋克彦
・ ペテロの葬列 / 宮部みゆき
・ 書楼弔堂 破暁 / 京極夏彦
・ 追憶の夜想曲 / 中山七里
・ ビブリア古書堂の事件手帖5 / 三上延
・ 雪月花黙示録 / 恩田陸
・ 疾風ロンド / 東野圭吾
・ アンドロギュヌスの皮膚 / 図子慧
・ 機龍警察 未亡旅団 / 月村了衛
・ アルモニカ・ディアボリカ / 皆川博子
・ 怒 り / 吉田修一
・ 世界で一つだけの殺し方 / 深水黎一郎
・ 北乃杜高校探偵部 / 乾くるみ
・ 亡霊ふたり / 詠坂雄二
・ 蛍の森 / 石井光太
・ 股旅探偵 上州呪い村 / 幡大介
・ 首折り男のための協奏曲 / 伊坂幸太郎
・ 波形の声 / 長岡弘樹
・ 黒富士 / 柄澤齊
・ 殺意の構図 探偵の依頼人 / 深木章子
・ 読み解かれるD / 津原泰水
・ 七日じゃ映画は撮れません / 真藤順丈
・ 桃ノ木坂互助会 / 川瀬七緒
・ ゴースト≠ノイズ(リダクション) / 十市社
・ 〔少女庭国〕 / 矢部嵩
・ 小さな異邦人 / 連城三紀彦
・ オービタル・クラウド / 藤井太洋
・ 破 門 / 黒川博行
・ ファースト・サークル / 坂本壱平
・ 満 願 / 米澤穂信
・ 貘の檻 / 道尾秀介
・ 無縁旅人 / 香納諒一
・ 暗い越流 / 若竹七海
・ ケモノの城 / 誉田哲也
・ 二歩前を歩く / 石持浅海
・ 寂しい丘で狩りをする / 辻原登
・ この雨が上がる頃 / 大門剛明
・ 河原町ルヴォワール / 円居挽
・ 代 償 / 伊岡瞬
・ 私に似た人 / 貫井徳郎
・ 黒翼鳥 NCIS特別捜査官 / 月原渉
・ 悠木まどかは神かもしれない / 竹内雄紀
・ 影を買う店 / 皆川博子
・ ミステリマガジン700【国内篇】 / 日下三蔵・編
・ 名探偵登場! / アンソロジー
・ 大江戸恐龍伝 /夢枕獏
なお、これはあくまで素人である当ブログ管理人が個人的に予想しているものです
なので、「ベスト10入り確実」と言った作品が実際には1票も入らなかったりとか、名前を挙げなかった作品が上位に入るなどの可能性は大いに有り得ますので、その点をご了承の上で参考にしていただければと思います
ちなみに、過去の最終的な予想実績に関しては、以下の記事にて確認ください
・ 「このミス2014年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
・ 「このミス2013年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
・ 「このミス2012年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
・ 「このミス2011年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
・ 「このミス2010年版」ランキング(順位)予想 <反省会・総論編>
・ 「このミス2009年版」ランキング(順位)予想 <反省会>
* 「ランク入り確率」は、(自分が予想する)ベスト20にランクインする可能性をパーセンテージで表したものです。つまり、100%に近いほど、ベスト20にランクインする可能性が高いと自分が予想している、ということです。なお、数字は適当なので、大体の目安程度に思ってください
* 作品名部分のリンク先は、「Amazon」の詳細ページ
* 下半期(14年5月~10月)に発売された作品に関しては、「このミス2015年版」下半期のランクイン候補作品をご覧ください
* 読んでいない作品も含めた候補作品は、「このミス2015年版」対象作品の中から120作激選リストをご覧ください。
* この記事は現時点で未完の状態なので、対象作品を読み終えてからしばらく後に、ランクインの可能性がありそうだと思ったら追加していく予定です(追加情報は「このミス」完全読破 説明&読破本リストの“更新情報”欄に書いていきます)
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【 ベスト10入りが確実と予想される作品 】
ここでは、ベスト10入りが確実で、下半期のラインナップ次第では1位も狙えるのでは?と自分が予想した作品を挙げてみました。
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機龍警察 未亡旅団 / 月村了衛 ・・・ランク入り確率 : 85%
No.390「機龍警察」、No.492「機龍警察 自爆条項」、No.586 「機龍警察 暗黒市場」に続く“機龍警察シリーズ”の4作目です。
2作目が9位にランクインし日本SF大賞を受賞、3作目は3位にランクインし吉川英治文学新人賞を受賞と、「このミス」でも文学賞でも評価と実績の高いシリーズですが、今回もこれまでの魅力を残しつつ新たな読み応えも加えられ、シリーズとしての深みをなお一層増していたので、上位ランクインは間違いないのではないでしょうか。
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>> No.722 『機龍警察 未亡旅団』 月村了衛
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満 願 / 米澤穂信 ・・・ランク入り確率 : 75%
米澤作品は、1作もランクインしていない“古典部シリーズ”を除けば、発表した11作中10作が20位以内に入り、(古典部シリーズを除けば)9作連続ランクイン中、しかも3作同時ランクインもやってのけるなど、(古典部シリーズ以外は)出せば必ずランクインする状況なのですね。
ただ今回は比較的票が入りにくいノンシリーズ短編集であるものの、すでに「山本周五郎賞」を受賞し「直木賞」にも初ノミネートされるなど、これまでの作品以上の評価を早くも得ているので、相性の良い「このミス」でのランクインは確実だし、上位入りも大いにありえるのでは。
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>> No.748 『満願』 米澤穂信
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ペテロの葬列 / 宮部みゆき ・・・ランク入り確率 : 70%
No.077「誰か」、No.083「名もなき毒」に続く“杉村三郎シリーズ”の3作目です。
2作目が6位にランクインした実績のあるシリーズですが(1作目はランク外の53位)、クライマックスにおける衝撃の展開により評価が賛否両論分かれていて、特にネット上では否定的意見が数多くみられます。
ただ、この衝撃はシリーズのテーマ性をこれ以上なく表した“毒”だったように思いますし、こういった刺激は「このミス」の投票者にはむしろ評価されそうな感じもするので、少なくともランクインは確実なのではないですかね。
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>> No.715 『ペテロの葬列』 宮部みゆき
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アルモニカ・ディアボリカ / 皆川博子 ・・・ランク入り確率 : 70%
No.480「開かせていただき光栄です」に続くシリーズ2作目です。
前作は「このミス」「本ミス」「文春」「早ミス」のミステリ系ランキング全てで3位にランクインし本格ミステリ大賞を受賞するなど絶大なる評価を受けましたが、本作もそんな前作からストーリーも魅力も引き継いだミステリ的物語が繰り広げられますし、ここ数年の作者人気もあるので、上位ランクインは堅そうです。
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>> No.723 『アルモニカ・ディアボリカ』 皆川博子
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【 ベスト20入りするのではないかと予想される作品 】
ここでは、ベスト20にランクインする可能性が高そうな作品を挙げてみました。
ただ、例年11~20位と21~30位辺りの作品の得票数というのはそれほど変わりはなくて、たった1人の投票者のさじ加減一つで大きく順位が変動してしまうほどの差しかないので、ここら辺になってくるとランクインするかどうかは運の要素も大きく関わってくるといってもよいでしょう。
なので、この項目に挙げたのは、「30位以内には入ってくるのではないかと予想される作品」といった認識で参考にしてもらう感じでちょうど良いのではないでしょうか。
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現在の時点で該当作品なし
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【 ベスト20入りする可能性もあるかもと予想される作品 】
ここでは、ベスト20入り確実!とは言えなさそうだけれど、入らないとは強く言えないような、穴馬的な作品を挙げてみました。
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貘の檻 / 道尾秀介 ・・・ランク入り確率 : 35%
かつては出す作品がことごとくランクインしていた道尾秀介は、持ち味でもあったどんでん返しトリックがなくなって以降は全くランクインしなくなりましたが、それでも毎年のようにあと一歩のところまで票を集めているので(ここ2年はあまり票が入っていませんが)、予想のかなり難しい作家となっています。
そして本作は久々となるミステリ要素の強い作品であるものの、内容的には幻想性が強くて直球のミステリ作品ではないということで、“予想がかなり難しい作品”でもあるのですね。
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>> No.749 『貘の檻』 道尾秀介
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ケモノの城 / 誉田哲也 ・・・ランク入り確率 : 35%
実際に起きた鬼畜的凶悪事件をモデルにした作品ですが、かなりエグい内容でありながらエンタメ作品としても完成していて、現に(この内容でありながら)大ヒットしていますし、ランクイン経験はないものの2年前(2013年版)には「あなたが愛した記憶」で29位と惜しい所までいっているので、いきなりの上位入りもありえるのでは。
ただ、本作のメインとも言える鬼畜エログロ描写などは過去の同系ランクイン作品に比べると迫力が劣ることから、「このミス」では意外と票が入らない可能性もありそうなので、予想が難しい作品ですね。
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>> No.753 『ケモノの城』 誉田哲也
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破 門 / 黒川博行 ・・・ランク入り確率 : 35%
1作目「疫病神」が1998年版13位にランクインしている“疫病神シリーズ”の5作目です。
ランクインしていないとはいえ2作目以降も42位・39位・25位と安定して票が入っていますし、今回もこのシリーズの魅力が充分に出ていたので一定の票を集めそうではありますが、ただ票を一気に伸ばすほどの新鮮味はなかったように思うので、ランクインまではどうでしょうか。
追記 : シリーズ1・2作目が候補止まりだった直木賞を本作でついに受賞しましたし、今年はランキング下位以降(15~30位くらい)が差のない混戦になりそうな感じで、そうなれば本作もランクインの有力候補になるのではないかと思い、ランク入り確率を大きめに上げてみました。
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>> No.745 『破門』 黒川博行
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ゴースト≠ノイズ(リダクション) / 十市社 ・・・ランク入り確率 : 35%
新人賞を受賞したわけでもない新人作家のデビュー作ではありますが、青春物語としての読み応えもミステリ的仕掛けの見事さも新人離れした魅力が感じられ、特に終盤における迫力溢れる展開は過去の「このミス」ランクイン作品と比類するものがあったように思うので、いきなりのランクインもありえるのではないでしょうか。
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>> No.722 『ゴースト≠ノイズ(リダクション)』 十市社
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暗い越流 / 若竹七海 ・・・ランク入り確率 : 30%
日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作を収録したノンシリーズ短編集ですが、推協賞短編部門受賞作(収録作品)は2002~2008年にはNo.627「死神の精度」伊坂幸太郎やNo.47「独白するユニバーサル横メルカトル」平山夢明など2年に1作のペースで「このミス」にランクインしていたものの、それ以降はランクインするどころかほとんど票が入らない状況が続いています。
とはいえ、短編に定評があり「このミス」ランクイン実績(ランクインした2作はいずれも連作短編集)もある著者の3年ぶりとなる待望の新作ということもありますし、受賞作以外もレベルが高かったように思うので、米澤穂信の「満願」や連城三紀彦の「小さな異邦人」と同時にランクインして“ノンシリーズ短編集の名作が多く生まれた年”と総括されそうな感じもします。
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>> No.752 『暗い越流』 若竹七海
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小さな異邦人 / 連城三紀彦 ・・・ランク入り確率 : 30%
昨年に亡くなった連城三紀彦の未発表作を収録した短編集ですが、「このミス」では遺作だからといって票が伸びることはなく、逆に思ったほど票が入らない傾向にありますし、期間内に未発表の長編作品が発売されたならば票割れの可能性もあります。
とはいえ、同じ“幻影城”デビュー組でその後の作風や経歴・評価など共通点のある泡坂妻夫の未発表作品集No.590「泡坂妻夫引退公演」はミステリ要素がほとんどないにも関わらずランクインしましたし、本作自体も(遺作ということを抜きにしても)評判がかなり良く、6年ぶりの新作発表ということもあり、上位に入ってくる可能性もありそうです。
追記 : 2015年版対象作品の発売締切ギリギリの10月に待望の未発表長編作品が2作も発売されたので、ノンシリーズ短編集の本作よりも長編のどちらかに票が集まる可能性もありそうなので、ランクイン確率の数字を当初より下げてみました。
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>> No.734 『小さな異邦人』 連城三紀彦
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怒り(上・下) / 吉田修一 ・・・ランク入り確率 : 25%
吉田修一は、どちらかといえば(「このミス」の対象から外れる)文芸系の作家なのですが、No.624「悪人」が2008年版17位にランクインすると、その後も「さよなら渓谷」が54位、「平成猿蟹合戦図」が43位、No.539「太陽は動かない」が23位、No.676「愛に乱暴」が43位と、毎年のように文芸系作家にしては(ランクインするまではいかないものの)票が入っています。
そして本作ですが、殺人事件と間接的に関わる人々の人間ドラマを俯瞰的に描く群像劇ということで、唯一ランクインの「悪人」に比較的近い作風だったように思うので、いつもより票が伸びる可能性も大いにあるのでは。
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>> No.715 『怒り』 吉田修一
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黒富士 / 柄澤齊 ・・・ランク入り確率 : 25%
本業は木版画家である柄澤齊による、2003年版8位にランクインした「ロンド」以来となる小説2作目です。
本格ミステリのような「このミス」直球なジャンルではなかったですし、前作を読んでいないので比較できないため、予想するのは難しいのですが、そのとんでもない世界観はマニア受けしそうなので、2作連続ランクインもありそうですかね。
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>> No.734 『黒富士』 柄澤齊
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河原町ルヴォワール / 円居挽 ・・・ランク入り確率 : 20%
“ルヴォワールシリーズ”の4作目にして完結編です。
1作目が11位、2作目が29位、3作目が139位(1票のみ)というシリーズですが、3作目はシリーズとして新たな要素を取り入れた内容だったのに対し、本作は(完結編ということもあってか)シリーズの基本に立ち返った内容に戻っていたので、1・2作目並みの票数・順位にまで盛り返す可能性はあるかも。
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>> No.762 『河原町ルヴォワール』 円居挽
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代 償 / 伊岡瞬 ・・・ランク入り確率 : 20%
二人の男の因縁を中心に繰り広げられるサスペンス作品で、ランクインするにはサスペンス的迫力がちょっと足りないかな~とも思いましたが、鬼畜で知能犯的な悪の描き方やクライムサスペンスとしての読み応えは充分にあったので、ランクインを巡る争いが超混戦状態となるならばランクインの可能性も出て来そうな感じですかね。
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>> No.763 『代償』 伊岡瞬
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桃ノ木坂互助会 / 川瀬七緒 ・・・ランク入り確率 : 20%
川瀬七緒といえば、“法医昆虫学捜査官シリーズ”の2作目No.737「シンクロニシティ」が昨年(2014年版)に次点の21位となっているので、今年発売されたシリーズ3作目No.774「水底の棘」が初ランクインの有力候補であると思います。
ただ本作も、老人たちのほのぼの世直し隊物語かと思いきやかなり迫力あるサスペンス劇が繰り広げられるので、こちらの方がより票を集める可能性もあり得そうだし、2作同時ランクインの快挙も絶対にないとは言えないかも。
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>> No.740 『桃ノ木坂互助会』 川瀬七緒
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オービタル・クラウド / 藤井太洋 ・・・ランク入り確率 : 20%
昨年のデビュー作No.653「Gene Mapper -full build-」が「SFが読みたい!」では4位にランクインするも「このミス」では1票も入らなかったのですが、本作は物語のスケールも(「このミス」に好まれそうな)エンタメ要素も格段にアップしているので、ここ数年の「このミス」におけるSF作品高評価(3年連続ランクイン中)の勢いに乗って票を集める可能性もあるのでは。
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>> No.744 『オービタル・クラウド』 藤井太洋
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追憶の夜想曲 / 中山七里 ・・・ランク入り確率 : 20%
No.516「贖罪の奏鳴曲」に続くシリーズの2作目です。
前作はランクインこそ逃したものの37位となるほどの票を集め、「2014年版」までの中山七里作品の中で最高順位作品なのですが、本作はリーガルサスペンス度が上がり、このシリーズならではの迫力ある展開もあったので、前作を超える票を集める可能性もありそうな感じがします。
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>> No.717 『追憶の夜想曲』 中山七里
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無縁旅人 / 香納諒一 ・・・ランク入り確率 : 15%
2007年版7位にランクインしたNo.59「贄の夜会」に続くシリーズの2作目ですが、様々なエンタメ要素が迫力満点に詰め込まれた前作と比べると地味な印象の捜査サスペンス作品なので、前作のような順位にはならなそうです。
それでも、本作に近い作風だった昨年のNo.639「幸 SACHI」が40位となっていたので、それ以上の順位となる可能性はあるのでは。
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>> No.750 『無縁旅人』 香納諒一
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大江戸恐龍伝 / 夢枕獏 ・・・ランク入り確率 : 15%
単行本全5巻の大長編時代冒険物語なので、ジャンル的にも票が集まるか未知数であるものの、大御所作家ながら「このミス」ランクイン実績がありますし、時代小説・冒険小説以外にも様々なエンタメ要素が組み込まれているので、全くのスルー状態となることはないのでは。
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>> No.779 『大江戸恐龍伝』 夢枕獏
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黒翼鳥 NCIS特別捜査官 / 月原渉 ・・・ランク入り確率 : 15%
“NCIS特別捜査官シリーズ”の2作目です。
昨年発売されたシリーズ1作目のNo.769「月光蝶」は48位でしたが、その前作より評判は良い傾向にあるようですし、もしかしたら2作目で一気にジャンプアップのパターンにハマるかもしれませんね。
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>> No.670 『黒翼鳥 NCIS特別捜査官』 月原渉
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〔少女庭国〕 / 矢部嵩 ・・・ランク入り確率 : 10%
昨今流行りのデスゲーム小説かと思いきや意外性ある展開を見せる超異色作で、ランクインするほどではないかとも思うのですが、この想像を絶するぶっ飛びまくった展開が評価されて票を集める可能性もありそうな気が少しします。
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>> No.742 『〔少女庭国〕』 矢部嵩
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影を買う店 / 皆川博子 ・・・ランク入り確率 : 10%
今年の皆川作品の大本命作品と言えば上にも書いたNo.723「アルモニカ・ディアボリカ」で間違いないのですが、本作は全くタイプの違う幻想小説の短編集で、エンタメ要素は薄いもののマニアックな人気があるので、意外なほどに票を集める可能性はあるのでは。
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>> No.776 『影を買う店』 皆川博子
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名探偵登場! / アンソロジー ・・・ランク入り確率 : 10%
ミステリマガジン700 【国内篇】 / 日下三蔵・編 ・・・ランク入り確率 : 10%
複数作家の短編を集めたアンソロジー作品は、「このミス」では過去に「硝子の家」(鮎川哲也・編)と「「密室」傑作選」(ミステリー文学資料館・編)という幻の単行本未収録作を復刻収録した短編集しかランクインしていません。
ただ、「名探偵登場!」はミステリプロパーではない作家があえて挑んだ探偵小説、「ミステリマガジン700 【国内篇】」は日本ミステリ史の一つの大きな流れを辿ることが出来る、といったテーマ性が評価されて票が入る可能性はあるかもしれません。
[ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
>> No.778 『名探偵登場!』 香納諒一
>> No.777 『ミステリマガジン700 【国内篇】』 香納諒一
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首折り男のための協奏曲 / 伊坂幸太郎 ・・・ランク入り確率 : 10%
伊坂作品の直球的な魅力が詰まった連作集ですが、ここ最近票を集めた伊坂作品は、ランクイン実績あるシリーズの続編か(伊坂作品にしては)異色な作品のみなので、本作もランクインするまで票を集めるのは厳しいのでは。
[ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
>> No.732 『首折り男のための協奏曲』 伊坂幸太郎
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七日じゃ映画は撮れません / 真藤順丈 ・・・ランク入り確率 : 10%
昨年はNo.632「墓頭」が33位となるほどに票が入った真藤順丈の新作ですが、ノワール的な雰囲気を残した映画撮影小説という異色作なので、(票の予測はかなり難しいものの)昨年よりも順位を上げる可能性はあるかもしれません。
[ この作品の当ブログ感想記事はこちら!! ]
>> No.738 『七日じゃ映画は撮れません』 真藤順丈
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【 ランクインの可能性がありそうな未読作品 】
ここでは、まだ読んでいない作品の中で、過去の実績や評判などからランクインする可能性があるかもしれないな~と思う作品を挙げてみました。
なお、ここに挙げた作品は、読み終えた後には削除し、ランクインしそうだと思ったら上のいずれかの項目に追加する予定です。
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憂いなき街 / 佐々木譲
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仮面同窓会 / 雫井脩介
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路地裏のヒミコ / 飴村行
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