『探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2』 東川篤哉 > 「このミス」完全読破 No.709
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.709
『探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに2』 東川篤哉
「このミス」2015年版 : 投票数0
受賞(候補) :
総合ランキング :
年度ランキング :
読始:2013.12.18~ 読終:2013.12.23
読んだ時期: 「このミス」ランキング発表"前"
読んだ版 : 単行本 <2013年11月>
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No.433「放課後はミステリーとともに」に続く、“霧ヶ峰シリーズ”の2作目です。
そしてこのシリーズは、「学ばない探偵たちの学園」「殺意は必ず三度ある」から成る“鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ”の番外編的なシリーズでもあります。
この両シリーズがどう繋がっているのかといいますと、両シリーズ共に鯉ヶ窪学園の探偵部が舞台となっていまして、部長を含む3人組が主人公(中心人物)となるのが“鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ”、副部長の霧ヶ峰涼が主人公となるのが“霧ヶ峰シリーズ”ということで、中心となる部員の違いによってシリーズが分けられているのです。
ただ、同じ部の部員でありながら、“鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ”には霧ヶ峰涼が、“霧ヶ峰シリーズ”には部長を含む3人組が登場していなかったのですが、本作ではついに読者の前で両者が共演するので、“霧ヶ峰シリーズ”の前作だけでなく、“鯉ヶ窪学園探偵部シリーズ”の2作もあらかじめ読んでいた方がより楽しむことが出来るでしょうね。
なお、“霧ヶ峰シリーズ”の前作よりも先に本作を読んでしまうと、前作第1話のネタバレとなってしまうので、ネット上でこのシリーズに関する情報を調べたりする前に、まずは前作自体を読んでしまうことをお薦めします。
ちなみに、本作は昨年(2013年)の10月に発売されたので、2012年11月~2013年10月に発売された作品に投票する「このミス2014年版」の対象なのかと思われましたが、奥付表記は“2013年11月”となっているため、「このミス2015年版」の対象作品となります(「このミス」では店頭に並んだ日ではなく奥付表記の日が対象)。
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というわけで本作ですが、「霧ケ峰涼と渡り廊下の怪人」「霧ヶ峰涼と瓢箪池の怪事件」「霧ヶ峰涼への挑戦」「 霧ヶ峰涼と十二月のUFO」「霧ヶ峰涼と映画部の密室」「霧ヶ峰涼への二度目の挑戦」「霧ケ峰涼とお礼参りの謎」の7編から成る(連作に近い)シリーズ短編集です。
今回も探偵部の副部長である霧ヶ峰涼が、学園内で起きた事件や騒動の謎を解決せんと活躍するのですが、いつも一生懸命に取り組むものの決して優秀とは言えない探偵なので、一人で解決するのではなく、人に好かれるキャラクターを活かして協力を得ていくので、そんな探偵像がなんとも微笑ましいですね。
そしてこのシリーズ(というかほとんどの東川作品)は個性豊かな登場人物たちが次から次へと登場し、コミカルなやり取りを繰り広げまして、今回はついに共演を果たす“霧ヶ峰シリーズ”の3人組だけでなく、霧ヶ峰のライバルとなる強烈なキャラクターも登場するので、登場人物たちのインパクトでは前作を上回っているかもしれません。
ただ、前作はNo.421「謎解きはディナーのあとで」の大ブレイク真っ只中(「謎解きは~」で本屋大賞を受賞する直前)に発売され、「このミス」ではランクインこそ逃したものの31位となるほどに票を集め、「本ミス」では9位にランクインするなど評価を受けたのですが、その後に同じような連作形式のギャグユーモアミステリを数多く発表していることもあってか、ミステリ的にはマンネリ感というか新鮮味が生み出されていないように感じました。
なので、ミステリ的な期待を高めるよりは、主人公の霧ヶ峰を始めとした個性豊かな登場人物たち、そしてコミカルで面白いやり取りなど、このシリーズならではの作品世界の魅力を楽しむつもりで読むのが最良なのではないでしょうか。
> 個人的評価 : ★★★☆☆ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★
衝撃バカミス度 : ★★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.518 「謎解きはディナーのあとで 2」
> No.433 「放課後はミステリーとともに」
> No.421 「謎解きはディナーのあとで」
> No.090 「もう誘拐なんてしない」
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